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龍のいた景色〜見沼〜

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私の育った見沼。何気なく散歩しながら眺めていた代用水と桜並木。そこは古くは東京湾と繋がり、人と自然との関わりが今に伝承される場所でした。語られる龍と人との伝説の、クライマックスは…
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ねこ御成道

ねこ御成道

 開かずの門の下でまどろむ眠り猫を描きました。

 しばらく迷っていた龍のもう一層も決まりました。

 大作もようやく完成が見えてきました。

龍を描く

龍を描く

前回の掻き落としを終え、着彩と箔貼り。

 周辺に渦を描いていましたが、他の層の描画が進んだので、その兼ね合いを見つつ更に掻き落としていきます。これは実際に重ねないと結構分からないので時間がかかりました。

 結局ほぼ全部削り落としました。

開かずの門の絵

開かずの門の絵

 前回の作品を制作した際、知ったのは、見沼の釘打ち龍伝説内で龍は、村人たちに危害を与え暴れ回るもの、即ち神格化されない水の神の姿として語られているということです。コントロールの出来ない野生を、それでも寺や神社の高い場所に祀っている。
 ここには人間と水の神との関わり方の奥深さが表されているように感じます。

 古事記の中の最古の神話のウサギ「因幡の白兎」。
 そこに、アニミズムとして聖獣信仰が読み

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龍の顔

龍の顔

 開かずの門の龍を大きいサイズで描くことにしました。
 サイズが大きくなるという事は、踏み込みの深さも問われます。作品から常に問いかけられているような心地です。

 「この龍は一体どんな顔をしているのか。」

 作者はテーマをかっちりと決めた上で、その通りに描く。と思われがちですが、現実は全く異なります。テーマが作品を作り、作品がまたテーマを作るのです。
 考え、描き、また考える。反復のリズムの先

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