その女マリ子
太陽が雲間からその姿を見せようとしている昼下がり
少し遅めのブランチを取りにカフェに入る
ウェイターにいつものボルチーニのパスタを注文
もちろん食後のキリマンジャロも忘れない
パスタを食べた後 運ばれてきたコーヒーの隣には
小ぶりで可愛らしいケーキの姿があった
私は頼んでいないわと言うと
いつも来ていただいているサービスですからとウェイター
断るのも失礼と思いケーキも頂いた
クリームの甘さがしつこくなく
フルーツもとても新鮮
あぁこの店はケーキも美味しいのね
新しい発見ができた
今日もとても有意義な1日になりそうだ
けれど店を出る前
ウェイターに一言
パスタの茹で時間、あと10秒短くしてみて
どんなサービスを受けても
本物を求め続けるために
如何なることも言わせてもらう
だって私は
財前マリ子
ヴェネツィアの風が私を熱くさせるの
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