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キリスト教およびキリスト教徒

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#政教分離

古今東西の文明を包み込む京都「祇園祭」──禁教時代に「聖書物語」を飾った函谷鉾(「神社新報」2002年1月14日)

古今東西の文明を包み込む京都「祇園祭」──禁教時代に「聖書物語」を飾った函谷鉾(「神社新報」2002年1月14日)

 日本三大祭りのひとつ、京都・八坂神社の祇園祭について書こうと思います。

 昨年(平成13年)9月11日のアメリカでの同時多発テロ事件に端を発するアフガニスタン戦争はすでに最終局面を迎え、今度は他のイスラム諸国を標的とする第二段階に進みそうな気配です。「文明の衝突」という表現を否定する人は多いのですが、そうした側面は否定しても否定し切れないようにも思います。

 テロ事件の容疑者にはアフガン人は

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空知太神社訴訟は裁判のやり直しを──天皇学への課題 その3(2010年03月16日)

空知太神社訴訟は裁判のやり直しを──天皇学への課題 その3(2010年03月16日)

▽1 多数意見による「違憲」判断

 結論からいえば、空知太神社訴訟は裁判のやり直しをすべきだと私は考えます。合憲か違憲かを判断する以前の問題として、事実認識において、神社関係者も見落としている重要なポイントがあると思うからです。

 空知太神社訴訟は一審の札幌地裁、二審の札幌高裁とも「違憲」でした。いずれの判決も目的効果基準に立ち、公機関と宗教との関わりが全面禁止されているわけではないと断りなが

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市有地内神社訴訟で最高裁が憲法判断か?(2009年9月17日)

市有地内神社訴訟で最高裁が憲法判断か?(2009年9月17日)

 最高裁大法廷がどうやら来春にも、政教分離問題に関する重要な憲法判断を示すことになりそうです。

 このメルマガの読者ならご存じのように、日本の政教分離政策は異様なダブル・スタンダードが続いています。つまり、こと神道に関しては完全分離主義、厳格主義が押しつけられ、それ以外の宗教については、ゆるやかな分離主義、限定分離主義に任されています。

 たとえば、憲法89条は、宗教団体のために公金を支出した

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孔子廟「違憲」判決を批判する「反靖国」キリスト者の薄っぺら声明(令和3年4月2日、金曜日)

孔子廟「違憲」判決を批判する「反靖国」キリスト者の薄っぺら声明(令和3年4月2日、金曜日)

すでに書いたように、2月24日、最高裁大法廷は、沖縄・那覇市が所有する公園内に立地する孔子廟(設置者は一般社団法人久米崇聖会)について、市が土地使用料を免除していたのは、憲法の政教分離原則に違反するなどとの重要な判断を示した。それから半月後、「信教の自由」「政教分離」にとりわけ敏感なキリスト者が厳格主義に立つ声明文を発表した。今日はそれをご紹介したい。

すなわち、先月11日に発表された、日本バプ

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国葬を行う非宗教的政教分離の国フランス──日本とは大違い(平成19年1月24日水曜日)

国葬を行う非宗教的政教分離の国フランス──日本とは大違い(平成19年1月24日水曜日)

(画像はノートルダム寺院。Wikipediaから拝借しました)

 フランスのシラク大統領は、先日、亡くなった慈善運動家・ピエール神父の国葬をパリのノートルダム大聖堂で行うことを発表した、と伝えられます。

 フランスは大革命以来、「聖」と「俗」を厳格に区別し、公共の場からすべての宗教を排除し、私的空間では信仰の自由を保障する非宗教的世俗国家を築き上げてきましたが、そのフランスが宗教家の葬儀を国葬

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「政教分離」カトリックの論理破綻──昭和七年「靖國神社参拝拒否事件」の真相(「神社新報」平成18年1月20日から)

「政教分離」カトリックの論理破綻──昭和七年「靖國神社参拝拒否事件」の真相(「神社新報」平成18年1月20日から)

 昨年(平成17年)十一月に来日したブッシュ米大統領夫妻は京都での日米首脳会談に先立って、小泉首相とともに臨済宗・北山鹿苑寺(金閣寺、有馬頼底住職)に参詣した。

 夫妻は首相に出迎へられたあと、住職の案内で境内を首相と一緒に散策し、金閣の本尊の前で首相から拝礼の作法を伝授され、合掌したと伝へられる。

 大統領が日本の代表的な社寺を参詣するのは今回が初めてではない。

 平成十四年の来日では明治

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中学生にカトリックの知識を教えるイタリアの宗教教育(「神社新報」平成17年10月10日)

中学生にカトリックの知識を教えるイタリアの宗教教育(「神社新報」平成17年10月10日)

米・CNNなどの報道によると、イタリア北部の小都市ファノの公立校で、14年間、宗教の授業を担当していた女性教師が、カトリック教会から解雇されたことが話題になっている。

「自分が魅力的で、セクシーな格好をしていたため、解雇された」とは女性の言い分だが、教会側は「女性の離婚歴が、宗教教師として相応しくないため」と反論している。女性は5年前に離婚したが、離婚そのものを教義的に認めていない教会は、「離婚

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「奇怪」クリスマス・イベントの花盛り──世紀越えのイベントを考える(「神社新報」平成13年1月15日)

「奇怪」クリスマス・イベントの花盛り──世紀越えのイベントを考える(「神社新報」平成13年1月15日)

(さいたま新都心けやき広場のクリスマス・イルミネーション)

昨年の暮れもまた、全国各地の公共施設や商業施設、高級住宅街などで、まばゆいばかりに色鮮やかな電飾に飾られた、華やかなクリスマス・イベントが、私たちの目を楽しませてくれました。

東京・丸の内には、数百メートルの公道に「光の回廊」TOKYOミレナリオが出現し、のべ200万人ともいわれる来場者に感激を与えました。新宿駅南口のタイムズスクエア

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