長崎市滞在-2023/1/18
今日は、「孔子廟(こうしびょう)」に行ってみる。
ここは儒教の創始者である孔子を祀っている霊廟で、長崎の唐人屋敷の貿易などで、中国から日本へ来た華僑たちが建てたとのこと。長崎の洋館群の中で一際目立つ中華風の建物で、ずっと気になっていた。
入場料を地域限定クーポンで支払う。
決済の際、スマホから鳴るはずの「ちゃんぽん🎶」が聞こえず、入口スタッフの方と顔を見合わせる。一応料金は払われているということで、中へ。
建物も展示品も中華の世界観が全開で、入口から圧巻だ。
もうすぐ開かれる長崎ランタンフェスティバルの主要な会場の一つなので、巨大な人形のランタンが置かれていて迫力がある。
展示の紹介パネルを読みながら歩く。
麒麟が、一匹の動物でなくオスとメスのペアだということを初めて知った。
孔子の弟子の中で、最も優れた者たちだという10人の弟子の経歴を、一人ずつ読む。結構貧しいところの出の人もいる。弟子をゾロゾロ引き連れているのはキリスト教のイエス感もあり、偉い人は引き連れがちなんだなと思う。
建物内で焚かれているお香が良い匂いで落ち着く。
孔子廟の中には至る所にお参りする場所があり、受験の合格祈願で訪れる人もいるようだ。
七十二賢人が並んでいて、あまりの壮大さに脳内で銅鑼が鳴り響く。数十体の石像が一気に立っている様は壮観だった。
わたしの好きなお笑い芸人 中川家の二人に似ている像があって、一人で嬉しくなりながら撮る。
石像の向こうに3階建ての中国歴代博物館という建物があり、清朝の磁器やその歴史などを観ることができた。今まであまり気にしたことがなかったが、瓶の形には胆式瓶、賞瓶、観音瓶、葫蘆瓶、琮式瓶など、様々な名前が付いていることを知る。なで肩だったり、首が長かったりと面白い。磁器への装飾が細かく、美しかった。
館内で孔子の紹介ドラマが放映されている。BGMが二胡ではなく讃美歌で、世界観がカオスだ。
自分が普段関わっていることもあり、なんとなく展示方法を気にしてしまうのだが、展示品の説明が床と水平に置かれていて、極小サイズなのでしゃがんで移動しないと読めなかったり、展示を照らすライトが切れかかっていて尖ったインスタレーションのごとく点滅していたり、外国人観光客が多いのに英語表記が皆無だったり、正面から展示品を観ようとすると人の濃い影が被ったりと、なかなか不安だ。
歴史に詳しくないのでじっくりと学んだ後、1階に降りてお土産屋さんを物色。彩度の高いものに溢れていて楽しかった。
そのまま孔子廟を後にし、東山手甲十三番館へ。
まだ仮予約という形だが、個展の打ち合わせをしておくのだ。
建物を管理しているNPO法人代表のKさん、先日参加した長崎さるくで橋の欄干にオロナミンCの瓶を大量に並べていたHさんと、お茶をしながら長崎について色々教えてもらう。長崎には浜がないのでカモメがいないということを知り、びっくりした。
昨日「長崎港」で海鮮丼を食べたと話すと、「あれは長崎の海鮮ではない。長崎ではマグロもサーモンも取れないよ!」と笑われてしまった。美味しく食べたので、ちょっとしょんぼりする。
16:30頃まで十三番館で話した後、今まで行ったことのない山の方の路地を案内していただけることになった。
日の出町という、入り組んだ道を徒歩でご案内いただき、小学校の跡地や赤くて丸いポスト、昔ながらの家、暗渠や昔の商店が並んだ場所などを通る。港近くの観光施設が並んでいる場所とは違い、生活感のある雰囲気に嬉しくなった。そのまま、斜行エレベーターであるグラバースカイロードの麓まで降りてくる。
ここでKさんと解散し、Hさんと鍋冠山の展望台へ。
グラバースカイロードの横にある階段を上る。300段以上あるとのことだが、地道に上れば着く。冬は暑くなくて良い。
その先にも山道の階段があり、そのまま380mほど上ると展望台に着いた。
鍋冠山は、以前行った稲佐山の展望台とちょうど反対に位置している。
どちらも夜景で有名だが、こちらは稲佐山とは違い、野外の回廊状の展望台にトイレがあるだけで、とてもシンプルだ。地元の人は、鍋冠山の夜景をおすすめする方が多かった印象がある。人があまりいなかったので、一人で来るのはこちらがいいかもしれない。
急いで上ったおかげで、女神大橋の向こうに沈む夕日を見ることができた。
夜景になるまで景色を眺める。近くで、 Hさんがずっと長崎について喋っている。気温が低くなってきたので、下山した。
Hさんがペンションまで送ってくださるとのことで、ありがたい。
歩いていると、グラバー園近くの駐車場で龍踊りの練習に遭遇した。ランタンフェスティバルでゲリラ披露するという、中国由来の伝統的なパフォーマンスだ。フェスティバル当日は長崎にいないので、観られて嬉しい。参加者層は若めで、演奏と演者の二つのグループに分かれて練習している。小さい子が鍋の蓋を二つ、シンバルのように叩いて参加していて可愛かった。
Hさんは知り合いが多く、ここでも声をかけられている。
しばらく龍踊りを見学させてもらったあと、ペンションまで送っていただき、帰宅。就寝。
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