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スコラ哲学には、実念論と唯名論の論争と言うのがあったそうです。プラトンの言う「イデア」が存在すると考えるのが「実念論」で、人間が考えたものだと言うが「唯名論」です。

例えば、ネコの「イデア」と言うものを考えてみます。ネコのDNAは昆虫の仲間であるトンボや爬虫類の仲間である蛇のDNAとは違うでしょう。

哺乳類の中のヒトのDNAとも違いがあるでしょうし、哺乳類食肉目のイヌとも違います。食肉目ネコ科のライオンやチーターのDNAとも違いがあるはずです。

だから、ネコ特有のDNAの配列を元に、これが「ネコ」だと定義する、そういう定義をもとにこれが当てはまるものが「ネコ」だと考える・・・

「実念論」の立場とはそういう事です。

唯名論は、いやそうではない、DNAと言うのも人間が考えた物事に過ぎないと考えるわけです。

実はカントは、人の先験的認識形式は時間と空間であり、人は「物自体」を認識できないとしました。

この考えは唯名論を支持すると考えらます。

例えば、「ネコ」とか「DNA」と言う言葉は、文字に書くとか、「ネ・コ」と発音するとか、

つまり、時間や空間上で表現しないと人間は認識できません。

「時間」や「空間」は人間の認識形式で、どんな生まれ育ちだろうと(つまり、生まれた後の環境とか経験とかがどうであろうと、また、どんな素質や性格の持ち主だろうと)、とにかく、「時間」、「空間」と言う形式でないと人は物事を認識できないわけです。

実際には「物自体」、つまり、自然とか宇宙とかと言うものがどんな姿をしているかは、人間は「時間」、「空間」と言う形式でしか物事を捉える事ができないので、「本当の姿」は分からない事になります。

では、どんな思いつきのデタラメな認識でも良いのかと言うと、それは違う、

例えば、「太陽が地球の周りを回っている」と「地球が太陽の周りを回っている」だと、

地動説(より正確にはケプラーの法則)で考えた方が、単純な数式で天文観測の結果を説明できると言えます。

天動説の方は単純な円運動では天文観測結果を説明できず、周転円とか離心円とか、結局72個の円運動を組み合わせて、それでも正確には説明しきれないと言う状況に陥っていたのだそうです。

実は、「単純な」法則でできるだけ多数の現象が説明できる(最小経済の原則)、その法則は数式で表せると言うのも、「人間の考えたルール」でしかありません。

ガリレオやケプラーは、キリスト教を否定しようとしたのではなく、神様が造られた世界について研究をしているうちに、「地動説」に到達したと言われています。

そして、中世には、「神は2つの書物をお書きになった。一つは聖書で一つは自然である。聖書は文字で書かれ、自然は数学という言葉で書かれている」と言う言葉があったそうです。

ケプラーは当時知られていた天文観測結果について計算を繰り返し、「惑星の運動法則」を発見しました。

この営み自体、「自然は数学と言う言葉で書かれている」と言う信念によっていると思われます。

時間と空間と言う形式でないと人は物事を認識できない、だから、物自体は認識できない、

そして、科学においては、単純な法則で出来るだけ多くの現象を説明出来る方を真理とする、

その法則は「数学と言う言葉」で書かれている・・・

そういう「人間側の設定」が前提になって「科学」は成り立っています。

ですから、どんな思いつきのデタラメな考えでもよいわけではなく、

上述のような「設定」を前提にしないといけない

言ってみれば、サッカーならサッカー、野球なら野球のルールが設定されている中で、どんな戦術を用いてもよいと言うようなものが「科学」だと言うことです。

ルールそのものは、人間が設定しているので、ネコの「イデア」も結局は人間が設定しているもので、「真理」それ自体と考えることはできない・・・

こう考えると「唯名論」が正しいことになります。

さて、梅雨の「イデア」についてです。

「梅雨」と言う概念で6月前後の日本付近の気象状況を捉えることは「正しい」のでしょうか?

字数が増えてきたので、続きは、また次回以降述べたいと思います。

2週間予報は、今週から来週にかけて雨が降って、最高気温が平年値(1980-2022平均値)を下回る日が多いとしています。

来週末から最高気温が平年値を上回る日が続くとしています。

6/11-12は、28℃ぐらいに達するとの見込みです。6月中に真夏日一歩手前の日が続くようになるのでしょうか。

4月まきの枝豆、キュウリ、ズッキーニは順調に生長、発芽率が悪かった空芯菜、モロヘイヤ、オクラは追加まきのものが順調に発芽しました。

5月まきのシカクマメやインゲンも発芽してきました。

目下は、まき直したゴーヤが発芽するかどうか、青枯れ病防止のために、硬盤に達するまで掘り下げて硬盤を壊してから、枯れ草を埋め、畝を立てた場所のトマトやナスが順調に生育するかに気をもんでいます。

これらがうまく行けば、地元野菜宅配サービス・野菜のマイクロマーケットへの夏野菜の供給は潤沢にいくと思います。

6月は秋冬もののセロリ、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン等の種まきをする季節です。

これらも順調に進めたいと思っています。

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