見出し画像

伊之助ボディ腹筋ローラーさんの類稀なるマーケティングセンス

とあるダイエッターの軌跡をまとめた記事がTogetterで1位になり、大きな話題を呼んでいました。

ダイエットアカウントとしてTwitterを始めたことから、私自身このアカウントの方は以前から知っていた、というか、確かにどこかで見かけたことがあるということは断言できます。それほどにこの伊之助マスクのインパクトは強烈です。

1年に亘る努力の末、理想の肉体を手に入れた彼の努力は今更ここで語る必要はないでしょう。むしろ、私のような人間が彼の努力をあれこれ書くのはおこがましいとすら思います。

個人的に感動したのは、彼の継続力もさることながら、その類稀なるマーケティングセンスについてでした。1年のアカウント運用での24万フォロワーというのは、個人アカウントとしてほぼ最高峰のパフォーマンスと言えるでしょう。

興味深く思ってざっと彼のタイムラインを追ってみたところ、どこからどう見てもウケる要素しかない見事すぎるアカウント運用に、私は思わず息を飲んでしまったのです。

もちろん、あくまで彼自身は天然でこうしたアイデアを思い付き、結果論としてウケただけなのかもしれないですが、それならそれで天才の域であると言えるレベルだろうと思います。

1.ビジュアルの説得力


伊之助腹筋ローラーさんは多くを語りません。
動画と写真によるビジュアル一本勝負で説得力を獲得しています。

匿名のインターネットの世界においては学歴がどうとか職歴がどうとか、口では何でも言いたい放題ですが、肉体は嘘をつきません。圧倒的な説得力があります。

日々進化していく肉体は彼自身の取り組みへの説得力を深めるのみならず、さながら100日後に死ぬワニがそうだったような、明日はどうなるという翌日へのワクワク感をフォロワーに与える役割も果たしているでしょう。

2.娯楽としての秀逸さ


伊之助腹筋ローラーさんのメインコンテンツは30~40秒程度という短い自分自身のトレーニング動画なのですが、伊之助マスクというインパクト、そしてしばしばトレーニングを邪魔してくるエマちゃん(ポメラニアン)の存在により、これが見事な娯楽コンテンツに仕上がっています。

嘴平伊之助というキャラは二次元では違和感がなくとも、三次元のコスプレとして現れた瞬間、そのアンバランスかつ奇妙な姿に否が応でもニヤリとさせられてしまうものです。

もともと話題性の高い鬼滅の刃顔出しを避けるための伊之助マスクダイエットの軌跡を表現するのに最適な半裸姿という奇跡的な噛み合い方はまさにマーケティングの完成形と言っても過言ではないでしょう。

ポメラニアンというかわいい飼い犬要素もまた、あらゆるコンテンツをブーストする鉄板要素でしょう。

エマちゃんが登場し始めるのは、私が確認した限りトレーニング167日目なのですが、実にリツイートが300倍超、ふぁぼが30倍超という圧倒的な確変がこのタイミングで生まれていました。

驚くべきポメラニアン効果

上に見切れている167日目の動画の方は更にリツイートもふぁぼも倍以上になっています。恐るべき界王拳ぶりです。

3.コンテンツ作りの平易さ


更に驚くべきは彼のツイート数の少数精鋭ぶりです。

トレーニングを開始して丸一年をちょうど過ぎた本日時点で、彼のツイート数はわずか1479ツイートであることが先ほどのスクリーンショットから読み取れます。

365日で割ると1日たったの4ツイートであり、また彼のフォロワー24万人をツイート数で割ると、実に1ツイートあたり160人のフォロワーを獲得している計算になります。驚くべきパフォーマンスでしょう。

自身の肉体の撮影写真と、トレーニング風景の動画のみというシンプルなコンテンツ構成は、その作業工程の少なさも特筆すべきポイントでしょう。

伊之助腹筋ローラーさんは、画像の加工や、切り貼りやアフレコなどの複雑な動画編集とはほぼ無縁でありながら、これほどまでに効率的なアカウント運用効果を実現していたのです。

アイデアが秀逸だ、発信内容のセンスが秀逸だ、継続力が素晴らしい、どれか一つが突出したマーケティングの成功例は多々あると思うのですが、これほどまでにあらゆる要素が満点に近いパーフェクトなアカウント運用はこれまで見たことがなく、素直に感動を覚えました。

4.認識しておくべきこと


1から10まで伊之助腹筋ローラーさんをベタ褒めしてきたわけですが、だからと言って、「ヨシ自分も明日からマスクをかぶって腹筋ローラーだ!」などと意気込んでも到底うまくいかないであろうことは冷静に認識しておくべきだろうと思います。

彼自身、エマちゃん確変に至るまでの約5カ月半の間は、リツイートもふぁぼもほぼ横ばいの推移でした。もし彼が、肉体作りではなくアカウント運用に意識が行っているマインドでこれをやっていたのなら、恐らく確変に至るまでのどこかで心が折れてしまっていたのではないでしょうか。

長期間芽が出なかったとしても継続的に情熱をもって取り組むことができる分野を見極めて取り組まなければならないということは、重々認識しておく必要がありそうです。

またこれは完全に蛇足の話にはなるのですが、アカウント運用のビジョンもまた、よく考えておかなければならないこととして認識が必要です。

冒頭で例示した100日後に死ぬワニが、まさに100日後にスタートしたマネタイズで爆死してしまったことは記憶に新しいでしょう。

そもそも伊之助腹筋ローラーさんは商売目的でTwitterをされているわけではなさそうなので別段心配無用なのでしょうが、マーケティングという観点でアカウント運用を考えるならば、伊之助ボディを達成したあとどう運用していくかについてもきっと、あらかじめ考えておく必要があるでしょう。

最後やや蛇足気味になってしまいましたが、本日はインターネットを眺めていて久々に、純粋な感動を味わいました。良い日でした。


本日は以上です。
コメントやSNSシェア、フォロー、「スキ」機能で応援いただけますと励みになりますので、是非お願いします。

Twitterも是非フォローお願いします!→@sai_to_3

それではまた次回。

2022.3.2 さいとうさん


よろしければサポートお願いします!より良い記事を執筆するために有効活用させていただきます。