詩 『プラチナの陽溜まり』 (二十代半ばの作品)

作:悠冴紀

シーザー

象牙色の尾で光を集め
野を吹き巡る風となり
君はどこへ向かうのか

空に近い あの山のいただき
町を見渡す あの丘の上へ
二人で通った あの秘密の場所へ

どこへ行こうと
私には分かる

君の行く先々に
プラチナの陽溜まり

シーザー

強く 眩しく 勇ましく
囲いの檻に収まりきらない
君は太陽の子

プラチナの光に包まれて
野を駆け巡る君は疾風

どこへ行こうと
私には分かる

プラチナの光を
追いかけよう

君はいつでも光の中

私達の旅に終わりはない

***********

※2003年(26歳当時)の作品。

本作に登場してくる『シーザー』というのは、以前UPした詩コトバの芸術の冒頭と同じで、私が以前飼っていたゴールデン・レトリバーの名前です。(しばらく前に投稿した夜想曲 ~愛犬パテに捧ぐという詩の解説部分後半でも触れた、あのシーザーです😰)

残念ながら2001年の夏、シーザーは私をこの世に残して先立ってしまいましたが、私の瞼の裏には鮮やかに生前の姿が焼き付いていて、心は今もシーザーと共にあります。(最後はひどい別れ方だったので、これも身勝手な話なのですが😥)

ちなみに私は、過去を単に忘却することを『前向き』とは見なさず、むしろ過去の軌跡や爪痕と向き合い、吸収できるものをしっかり吸収した上で前進することこそ『前向き』だと考える人間なので、去りし者を忘れるつもりは更々ありません。都合のいい記憶だけでなく負の記憶も含めて、一生大事に携えていこうと思っています。自分自身の詩作品を思い出アルバムの代わりにして。

💡同じ愛犬ネタ繋がりで、この詩に近い観点が窺える過去作品はこちら▼(シーザーでもパテでもなく、それ以前に飼っていたトットという名前のコリー犬に捧げた詩作品です。)

不死鳥~フェニックス

注)シェア・拡散は歓迎します。ただし、この作品を一部でも引用・転載する場合は、「詩『プラチナの陽溜まり』悠冴紀作」と明記するか、リンクを貼るなどして、作者が私であることがわかるようにしてください。自分の作品であるかのように公開するのは、著作権の侵害に当たります。

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(本作も収録されています)

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