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百人一首

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#古典

【百人一首】(きりぎりす/九一・後京極摂政前太政大臣)

【解釈】出典は「新古今集」秋下 五一八 。 作者は後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっし…

羽田さえ
4週間前
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【百人一首】(見せばやな/九〇・殷富門院大輔)

【解釈】若い時には今ひとつ良さが分からなかった歌のひとつです。 出典は「千載集」恋四 八…

羽田さえ
1か月前
7

【百人一首】(村雨の/八七・寂蓮法師)

【解釈】 出典は新古今集 秋下 四九一。 作者は寂蓮(じゃくれん)法師。平安時代末期の人…

羽田さえ
2か月前
9

【百人一首】(ながらへば/八四・藤原清輔朝臣)

【解釈】なんだか暗い歌です。 子供の頃は、この歌の良さがさっぱり分からなかったような気が…

羽田さえ
4か月前
9

【百人一首】(わたの原/七六 ・法性寺入道前関白太政大臣)

【解釈】 青い海の美しさが三十一文字いっぱいにあふれた、陽キャな歌です。 「太陽の季節」…

羽田さえ
1年前
7

【百人一首】(ちぎりおきし/七五 ・藤原基俊)

【解釈】大切な約束をあっさりスルーされて恨みごとが止まらない。そんな歌です。 出典は「千…

羽田さえ
1年前
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【百人一首】(今はただ/六三 ・左京大夫道雅)

【解釈】この歌の背景などまったく知らず、「もう君を恋しく思うのをやめる」とわざわざ会って伝えたいだなんて、何だかめんどくさい男だなと思っておりました。 女子からしたら、いや知らんし!みたいな感じだろうに、フラれた相手に未練がましく最後にもう一回会いたいみたいな話だとばかり思っていたのです。 しかしそれは大きな誤解のようでした。 出典は「後拾遺集」恋三 七五〇。 詞書を読むと事情は全然違って、無理やり仲を引き裂かれた二人だったのですね。めんどくさいとか言ってごめんなさい。

【百人一首】ありま山(五八・大弐三位)

【解釈】紫式部の娘、大弐三位(だいにのさんみ)の歌です。彼女が10代半ばごろに紫式部は世を…

羽田さえ
1年前
9

【百人一首】滝の糸は(五五・大納言公任)

【解釈】いいですね。美しいです。 個人的には僧正遍照や清原深養父などと並んで、百人一首で…

羽田さえ
1年前
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【百人一首】わすれじの(五四・儀同三司母)

【解釈】前回の右大将道綱母の歌に続いて、重めの女シリーズが続きます。 作者は儀同三司母(…

羽田さえ
1年前
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【百人一首】嘆きつつ(五三・右大将道綱母)

【解釈】出典は拾遺集 恋四 九一二。 作者は「蜻蛉(かげろう)日記」の作者でもある右大将…

羽田さえ
1年前
9

【百人一首】あけぬれば(五二・藤原道信朝臣)

【解釈】恋の歌が続きます。出典は後拾遺集 恋二 六七二。 作者は藤原道信朝臣(ふじわらの…

羽田さえ
1年前
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【百人一首】かくとだに(五一・藤原実方朝臣)

【解釈】なかなかに技巧の入り組んだ歌ですね。 出典は後拾遺集 恋一 六一二。 作者は藤原…

羽田さえ
1年前
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【百人一首】君がため(五〇・藤原義孝)

【解釈】 出典は後拾遺集 恋上 六六九。 作者は藤原義孝(ふじわらのよしたか)。平安時代中期の歌人で、三蹟の1人である藤原行成の父親にあたる人です。 なかなか短命で、痘瘡、今で言う天然痘にかかり21歳の若さで命を落としたと言われています。 そんな早逝したイメージとあいまって、この歌の持つ趣がより味わい深いものになるのかもしれません。 元歌には「女のもとより帰りてつかはしける」という詞書がついているので、初めてのお泊まりから帰った後に詠んで彼女に贈った歌、というところでし