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#34◆独立でも起業でもなく普通に再就職したい理由をまとめてみた話

うつが落ち着き、再就職に向けて動いているのだが、僕の周りからは「本当に大丈夫なのか??」という心配の声が絶えない。クリニックに通いながらもなぜ再就職を目指しているのか、そこに至った背景を書いていこうと思う。

まずは言葉の定義だ。ここでいう再就職とは、正社員での就業を意味する。派遣社員やバイトでの就業は含まれない。

言葉の定義が済んだところでさっそく本題だが、よく言われるのは「就職しなくても稼ぐ方法は他にもある」というものだ。クリニックの先生の言葉を借りれば「自由業の人もいるし、自分で稼ぐという方法もある」になる。

たしかにそういう生き方はあるし、心身の負担がかからない程度に仕事量を調整できるメリットもある。だけど、独立や起業で稼ぐことは考えていない。それは「実現性」「お金」「理想の働き方」の3つの観点からだ。


まずは「実現性」。独立や起業で生計を立てるには時間がかかる。準備期間も含めると年単位で必要だ。そして、そこまでして始めても食べるのに困らないくらいまで稼げる人はほんの一握り。ずば抜けた才能のない僕が、その一握りに入っているとは思えない(未来永劫無理だという話ではなくて、現時点ではという意味)。

次に「お金」。独立の経験がある人は分かると思うが、最初はとにかく現金が減っていく。自宅を事務所にしたって同じだ。稼ぎはなくとも、支出はゼロにはならない。なぜなら食費や光熱費、住宅ローン、住民税に健康保険など、生きてるだけでお金がかかるからだ。

この「収入はないのに支出だけは続く」という状態は相当なストレスだ。銀行口座を見るたびに現金が減っている。健康な人でも重圧に負けてしまうのに、まだうつが寛解していない心身では耐えられない。

そして、そもそもの話になってしまうけれど、何年も赤字の状態を支えられるほど豊富な預貯金があるわけではない。ここで老後の資金を食いつぶすわけにもいかない。


最後に「理想の働き方」。うつになり会社を辞めてから、一日の大半を一人で過ごしている。外の人と話す機会といえば、月に1、2回のクリニックでの診察や友達との雑談、コンビニの店員さんくらいだ。

家族以外と2週間話さないのは当たり前だし、長ければ1ヶ月近く話さなかったりする。ここ半年は誰かに名前を呼ばれたことも、挨拶をされたこともない(クリニック以外で)。毎日孤独を感じながら生きている。それもちょっと寂しいというレベルではない。強烈な孤独だ。

だから、次は独立でも起業でもなく、人との関わりを持てるように会社に属して働きたい。それにより自分も社会の一員なんだと実感したい。

そう考えているから、独立は理想の働き方ではない。同じ理由で、リアルコミュニケーションの機会の少ないフルリモートの仕事にも応募していない。

「働くと嫌なこともあるし、いいことばかりじゃない」
「職場の人間関係なんてストレスフルなのに、考えが甘い」
周囲からはそんな声が聞こえる。

あえて反論させてもらうと、25年以上社会人をしてきて、そんなことは百も二百も承知だ。

シンプルに言うと、孤独の辛さはそれを上回るものだということ。まさに生き地獄なのだ。自分が社会から置いていかれてる感覚、言葉を忘れていく感覚。本当の孤独を味わった人にしか分からない地獄だろう。

この地獄から抜け出すべく、人の気配を感じる場所で懸命に働きたい。これが今考えている「理想の働き方」だ。

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