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こんなボケだと許せる?

一日中家に居て良く書くことあるね、次女が呆れた様に言う、確かに書くにはネタが足りないのかも知れないが、そこはほれ60ですから。

頭の中の引き出しを開けてみて、ああこれは書いて良い奴だとか、違う引き出しを開けて、こりゃー今はまだ駄目だとか、考えている。

年を取って頭の引き出しが多くなる、重い引き出しは偶にはひっくり返って、落ちてしまった思い出を拾い集めたりして。

自分としては忘れてしまいたい事由が多いので、いっそ忘れてしまった方が良いのじゃないかと思うが、そんな事に限って忘れない。

年配になるとボケると聞く、私は周りでそんな人間があまりいないので、どんな風か解らない。

学生時代にはボケってこんなのかと思ったことが有る、私のひいおじいさんの話だ。

母方の人間は長生きが多くて、私の祖母の父も例に漏れず、私が短大で武庫川に行っていた時期に、病院に入っていた。

その頃の病院は入り易かったのか、私が小耳に挟んだところによると、お風呂も自分で入れなくなって、家に居ると叔父さん(祖母の弟)夫婦が大変なので病院に入ってもらったそうだ。

その爺さんがやんちゃで困ると言っていた、誰がって叔父さんである、何がやんちゃかと言うと、病院の女風呂を覗く、看護婦さんの手を握ったりする。

そこは皆で窘めるのだが、本人が聞こえないふりをするのだそうだ。

「おーい爺さん、あんたなー、女湯覗いとったんやて、そんなもん病院の女湯みたい婆さんばっかりやろ止めいや。」叔父さんも酷い言い方である、今だったら叔父さんも叱られるところだ。

「はあー?」爺さんは聞こえないふりする。

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