小学校2、3年生くらいの時から、「少し違う子」と指摘され始めました。親としては認めたくありませんでした。

元気で明るく、友達がたくさんいる学校生活を送ってほしいというのは、どんな親でも思うことです。家では活発で笑顔いっぱいのおしゃべりな子が、学校に着いた途端、顔色が変わり、声も笑顔も消えてしまいます。

日本にいるときは、どうしたらいいのかと思いながらも、「大丈夫」と現実を直視したくありませんでした。家では普通で、何もおかしいところはない。それでも、このままでは将来困るのは本人。就職が難しくなったり、友達ができなくて一人でランチを食べることになったらどうしようと考えると、ネガティブな気持ちになってしまいました。

子供から言われた一言。「ママは保護者会から帰ってくると、いつも怒ってる。先生は何を言っているの?そんなに自分は悪い子なの?」

「いや、全然悪い子なんかじゃない。先生も真剣に仕事をしているからなんだよ。」先生からの指摘が多く、不安になるのです。

日本の教育もとても良いと思いますが、うちの子にはアメリカの教育の方が今のところ合っていると感じます。

アメリカでも5年生になり、先生と話ができない、目を見ない、質問しても紙に書いて答える、強めに聞くと返ってくるのは1〜3語くらい。最初は友達もできず、先生から「お話しましょう」と連絡がきました。

先生からは「もしかすると何かの発達障害かもしれないので、外部のセラピーを受けることをお勧めします」と言われました。息子が楽しい学校生活を送れるように環境を整えるのが私たちの役目です。専門家に見てもらい、彼の今の生活や将来が良くなるように努力しましょう、と。

それでも現実を直視したくありませんでした。しかし、旦那とアメリカ人の義理の母は、「彼が過ごしやすい環境を見つけ、彼の人生をより良くするサポートをするのが親の役目。出来ないことを指摘するのではなく、どうしたら出来るのか、どうしたら幸せなのかを一緒に追及し、寄り添ってあげることが大事。みんなそれぞれ違うんだから」と言ってくれました。

外部のセラピーは高額ですが、アメリカでは多くの大人もセラピーを受けています。保険が適応されれば費用の80%がカバーされ、経済的負担はかなり軽減されます。息子のセラピーは2週間に1回で180ドル(約27900円)。保険が適応されるかドキドキしましたが、SuperBillというもので保険適応になり、月5000円ほどで1対1の行動療法のセラピーを受けられることになりました。セラピーだけではなく、学校も公立の学校とは思えないくらいのサポート体制を整えてくれました。

Super Bill Insurance 
(スーパービル保険)は、医療機関が保険会社に提出する詳細な請求書を指します。この請求書には、患者が受けた診療内容や治療の種類、提供された医療サービスの詳細、およびその料金が詳しく記載されています。患者が医療サービスを受けた後、医療機関はこのSuper billを保険会社に提出し、保険会社はその情報に基づいて適切な保険金を支払います。患者が受けられるネットワーク外の医療サービスを受けた場合など、保険会社に対して詳細な情報を提供するためにこのSuper billが利用されることがあります。
アメリカの保険は通常、保険のネットワーク内のクリニックや医者にしかかかれない。日本みたいにどのクリニックや病院に行っても保険が適応するというシステムにはなっていない。

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