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海外版権売上伸長|海外版権の”常識”にメスを入れた私がやったこと①

2022年2月の新文化の記事にも出しましたが、ここで改めて書いてみます。

同時に、当時取材してくれた杉本さんに大感謝です。自分が長々伝えようとしたことをすべて漏れなく、そして限られた文字数でよくまとめていただきました。

新聞紙を取った瞬間に、一緒に取材を受けた私の上長と私は、ものすごく、杉本さんの言葉の力に感心しました。本当にありがとうございました。

2022年2月17日の新文化誌から

さて、海外版権の売上を上げるためにやったことを改めて公開します。
今回はそのうちの1つ目、「中国人にささる「キーワード」を選ぶこと」について。

日本人向けにアピールする時の内容をそのまま外国語に訳すと、伝わらない場合もあります。それは、言語の表現にかかわる習慣、文化性のものもあれば、読者にささる「キーワード」が違うというのもあります。

なので、ライツガイドを作成するときや、ライツガイドを案内するときのメールタイトルに、意識的に海外の読者にささる「キーワード」を入れるようにしています。

例えば、「先生!毎日けっこうしんどいです。元サラリーマン精神科医がみんなのモヤモヤに答えてみた」という本があります。アマゾンの日本語の書誌紹介文は、「こんな悩みがある人は、ぜひ読んでみてください」という感じで紹介されています。このような紹介文をそのまま中国語とかにやくして紹介しても、物足りないのです。なので、私は中国語のライツガイドを作る時に、最初の1行に「3万人を診断してきた精神科医が「打工人」に答えた50個の精神的な悩み」を書きました。

この最初の1行にいくつかの狙いとインパクトを与えたいのです。まず、「打工人」という中国で流行語を使って編集者にまず注目させる。

「打工人」とは、「打工」という中国語は雇われて働く、またはアルバイトするという意味。一方で経済が発展し、競争が激化していくのにつれて、働く中国人たちを取り巻く状況もますますハードになっていき、人々のストレスも増している。それに伴い、働くことにまつわる自虐的な呼び名も使われ始めるようになった。その代表的なものとしては、日本語からそのまま使われるようになった「社畜」がいい例かもしれない。


画像:http://j.people.com.cn/n3/2020/1123/c206603-9786173.html

この本は職場で悩んでいることを回答するという位置づけなので、自虐的な呼び名として使われている「打工人」にピッタリです。

このような中国人にささる言葉を使うことによって、編集者に注目されやすいので、結果的には、出版社からリクエスト率が高くなるのです。

あと、「3万人」、「50個」という数字を最初に一行に入れることで、経験が豊富な著者で説得力がある、また、50個の回答があって、ボリュームがしっかりしていることを伝えようとしています。

中国の人の性格は、日本の人のようにじっくり読む習慣がなく、ピンポイントで要点をすぐ掴みたい傾向があります。最初の一行にどのような役立つ本、価値のある本を伝えるのは非常に重要です。そういう意味では、現地の文化、習慣に合わせてライツガイドを作っていることも言えるでしょう。

例にあった「先生!毎日けっこうしんどいです。元サラリーマン精神科医がみんなのモヤモヤに答えてみた」は結果、中国から3桁の金額で受注。代理店の話を伺うと、やはり、中国の出版社の編集者はこの「打工人」のキーワードに深く刺さられたそうです。

下記のキャプチャは自分が書いたこの本のライツガイドです。バーコードをかざすと、この本の動画がご覧になれます。



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