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【読書感想】 『自分とか、ないから。』 を読んで知った仏教思想は奥深い…

こんにちは。すうちです。

今回は、初体験の哲学書(エッセイ)を読んだ感想です。

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※タイトル画像:今井 雄仁さん



はじめに

しんめいP (著), 鎌田東二 (監修)

突然ですが、皆さんは哲学書を読んだことあるでしょうか? 

私はないです…

過去何度か手に取ったことはありますが、答えのない話を永遠と繰り返す問答や難しいことをあえて難しく伝える印象(個人の勝手なイメージです…汗)があって、今までは数ページ読んで挫折していました。

本書は著者本人も語られている「哲学書エッセイ」にあたり、哲学書にありがちな難しいことを現代的な解釈と例えでわかりやすく説明してくれます。

また、言葉選びや例えのセンスも重なって、とても読みやすく面白かったです。

たまたま電車の広告で目にして読み始めたところ、結構ぶ厚い本ですが、通勤時間の5日程度で読めました。

本書では、仏教の教えにあるくう」「たお」「ぜんさとり」の概念も出てきますが、何となくわかる部分もあれば、全然理解できない所もありました。

以降、そんな悟りの境地には程遠い、、、だだの凡人の感想です。


仏教の歴史に関わった偉人(聖人)たち

仏教の創始者であるブッダからはじまり、老子ろうし荘子そうし親鸞しんらん空海くうかいに至るまで、歴史で一度は耳にした偉人(聖人)たちの人物像やその教えなど、仏教の歴史もたどれる構成になっています。

龍樹りゅうじゅ「空」の思想を広めたり、よく耳にする「禅」は、達磨だるま(あのダルマさん)から生まれたと私は初めて知りました。

ちなみに、龍樹は若い頃にとんでもない悪行をしたことがきっかけで改心したり、親鸞がダメ人間だった(演じていた)エピソードなど、生まれてから死ぬまでずっと聖人という訳ではなかったんだなというのも興味深かったです。


自分とか、ない。 

本のタイトルにもなっているキーワードです。

本書を読んで一番感じたのは、この世の苦しみや悩みのほとんどは、結局「じぶんという枠があるからなんだ…」と思いました。

振り返ると、若い頃思い悩んでた時期は、自分にないものを持っている他者に対する劣等感だったり、容姿だったり、所有物だったり、「無いを有る」にしたい考えが根本にあった気がします。

対じぶんと他者の枠があるからで、そこに向かうと苦しくなるというのは「経験的にそうだ」と思いました。

そして、それらのほとんどの根源は、自分や(社会が勝手に作った)価値観だったり、妄想だというのも何となく理解できます。

「無いを有る」とした苦しみ!?の例として、リモコンの話が本に出てきますが、それが超絶面白く、とてもわかりやすかったです。


ただ、今わからないことも一部ある

仏教の本質は、概念が抽象的だったり一般人の常識をこえているので、当然理解できない部分もありました(ただ、難しい教えもわかりやすく伝えようとする著者の姿勢に好感を持ちました)。

たとえば「あなたは私であり私はあなたである」「私は宇宙と同じ」など…聞くと「えっ」てなりませんか?(私はなりました…汗)

これは前述の「じぶん」の枠がなくなると見えてくる景色かもしれませんが、極論すると、自分が憧れる「あの人」も大嫌いな「あの人」となり、枠を取り除けない私には「う〜ん」と頷けなかったりします。。。

少し脱線しますが、旧エヴァンゲリオンに登場した「人類補完計画」は、この辺の仏教思想から来ているのか?とふと思いました。

じぶんの枠がない悟りには至れてませんが、本で触れられていた「宇宙や地球、他者と自分は全部つながっている」を、私なりに解釈するとギリギリ理解できるところもあります。

確かに人間がエネルギーとする食料は生産者がいたり、自然の恵みだったり、もっと言うと、仮に太陽が存在しなければ、地球もないし人間は生きてません。

物質的な話以外も、普段の生活で他者の行動を自分の鏡として捉えたり、noteのようなSNSも間接的に誰かの文章に励まされたり、良い意味でも悪い意味でも感情が動くことがあります。そこから、少なからず影響されることもあると思います(今の最大限の理解…)。

今まで「哲学書」は敬遠してましたが、仏教の思想も少し興味が湧いてきました。どんな分野も学んでいくと、とても奥が深いですね。。。


最後に

著者の経歴を読むと、

・東大卒で大手IT企業入社、仕事ができず退職
・教育事業で起業するも人間関係の問題で撤退
・芸人となりR-1出場し、1回戦敗退で引退
・その後、離婚、無職となる…

しんめいPさんの経歴から一部抜粋

見方によっては浮き沈みが激しい大変な人生にも思えますが、無職となり時間ができたことで東洋哲学に目覚め、あるSNSの投稿がバズったことがきっかけで、本を書くことになったそうです。

その意味では、切り取った瞬間はツライ出来事も何をきっかけに先の人生がつながっていくかわからないと思いました。

哲学書を敬遠してた方、人生や人間関係に思い悩む方、「空」や「道」の概念を知りたい方など、本書の内容が参考になるかもしれません。


ちなみに、前述の本を出すきっかけになったSNSは…noteだそうです!!

巻末の経歴を読んで知りました…笑
先ほどその記事も見つけて読みました。

一瞬リンクを貼ろうと思ったのですが、本人に通知が行ってしまうのに気後れしたのでやめておきます…笑 もし興味がある方は、

『東洋哲学本50冊よんだら「本当の自分」とかどうでもよくなった話』

で検索してみて下さい。本のエッセンスが詰まっています。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。


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