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大丈夫だよ、大丈夫

あれからちょうど、1週間が経った。


ちょっとした燃え尽き症候群になっているのか
あるいはただ、それに怯えているだけなのか
わからないけれど、ずっとフワフワした感覚がある。

あの嬉しかった「本を手渡した」瞬間や
ドキドキしていた「自分の本が立ち読みされている」瞬間は
本当に現実に起こった出来事だったんだろうかと
少し不安になるほど、遠い昔に感じてしまう。

あなたからいただいた感想を何度も読み返して
自分に言い聞かせている。

「大丈夫だよ、僕は、大丈夫なんだよ」と。

ちゃんと意味はあった。
意味のある本を作ることができた。
自分にしかできない表現をすることができた。

「大丈夫だよ、大丈夫」

ずっとずっと、言い聞かせている。
まるで子どもを寝かしつける、眠る前のお布団の上の出来事のように。

また繰り返されるのは
以前と変わらないように見える日常。

でも、確かにその景色は変化していて
僕はまた次の自分だけのストーリーを描こうとしていて
進みながら、また、進み続けようと思っている。

どう受け取るかは、自分の自由。
どう感じ取るかは、すべて自分の自由。

であれば、自分が思い描きたいように
次の一歩を描いていきたい。

自分らしく、自分をまた表現していきたい。

今を全力で生きた先にしか、明日はないから
自分だけの「いま」をまた、色濃く描いていければ。


文学フリマから1週間後、都内某所。

とある友人たちとの企画の中で
僕はその友人にインタビューをされていた。

インタビューする側ではなくて
インタビューされる側。

まともにちゃんと話せているのか
独特の緊張感と、これまたフワフワした浮遊感。
自分ひとりで自分の世界観に入り込んでいる時にしか出てこない言葉もあるから、なかなか「自分の言葉」を取り出すのは難しいなと思ったけれど、その瞬間に思ったことを、素直に言葉にし続けた。

でも、最終的にはとても面白い着地点になった。

"終わりは、次の始まり"

永遠に終わらないのって、なんかいいなと思う。
それが楽しかったり、心地良かったり、夢中になれるものなら、なおさら。

僕はきっと、また今までやったことのないことにチャレンジすることになるだろう。言葉を扱うものなのか、あるいはそれ以外なのか、いろいろあるけれど、とにかく「やってみたい」に素直になること。

「できる、できない」じゃなくて、「やってみたい」

相変わらず足は震えている。
手も震えていて、声も震えてる。
それでも「表現したい」から始まった本づくり。

終わらない物語は、次のストーリーを紡いでいく。

どうなるかなんて、誰にもわからない。
わからないから、面白い。
やってみるから、楽しい。
次の出会いを求めて、また、表現していこう。


そういえばインタビューされる前に、僕が作った本を2冊その友人に贈った。
その場で読んでもらえて、感じたことをすぐ目の前で言葉にしてくれて。

「読む場所にこだわって読みたいです。目の前の風景によって、きっと感じ方が変わるから。電車の中で読むことと、家で1人で読むのとでは、きっと違う。本として読むだけではもったいないです」

「この本で何かやりたいですね」と、言ってもらえた。

これから少しずつ、1冊ずつ本を誰かの手に届けた先に、また何かが待っているんだろうか。自分の想像を超えた何かが。

まだ何もわからないけれど、その可能性を信じてみたい。
自分が表現して、編んだ本の可能性を。

また「次の本を作ってみたい」が
どうか自分の内側に生まれますように。

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