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インストラクショナルデザイン 伝わる・身につく“教え方”

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2017年10月の記事一覧

ナースのための“教える技術” 研修の改善に役立つ理論(1)

ナースのための“教える技術” 研修の改善に役立つ理論(1)

これまで「研修の設計に役立つ理論」として,ロバート・ガニエの“9教授事象”についてご紹介してきました。しかしながら,研修の企画・運営は簡単なものではありません。研修が終わったあとで「ああすればよかった」「こうすればよかった」と思うことがありますよね。せっかく頑張って企画したのに,研修生の反応が違ったり,時間配分がうまくいかなかったり…。
でも,どこがよくなかったのか,いま一つ理由がわからないという

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ナースのための“教える技術” 研修の設計に役立つ理論(2)

ナースのための“教える技術” 研修の設計に役立つ理論(2)

前回のトピックでは,ロバート・ガニエの「9教授事象」についてご紹介しました。これは9つのステップで研修を組み立てるというものです。

研修を組み立てる9つのステップ

①研修生の注意を引く
 「みなさん,ちょっとこれに注目してください」

②研修の目標を知らせる
 「これができるようになることが今日の目標です」

③すでに学んだことを思い出させる
 「前回の研修でこれについて学びましたね」

④新

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ナースのための“教える技術” 研修の設計に役立つ理論(1)

ナースのための“教える技術” 研修の設計に役立つ理論(1)

看護師は,キャリアアップをするために学び続けていく必要があります。そのため,多くの病院では,看護部の教育委員会などが中心となって,集合教育の企画・運営をしているのではないでしょうか。このような中,研修を受ける看護師のレベルはさまざまであり,ニーズに応じた研修を企画・運営しなければなりません。

しかし,一生懸命考えて研修を企画したのに,こんな経験をしたことはありませんか?

・研修生の反応がいま一

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ナースのための“教える技術” 効果的なOJTを実施するために知っておくとよい理論

ナースのための“教える技術” 効果的なOJTを実施するために知っておくとよい理論

一生懸命教えているのになかなかできるようにならない,いつになったら一人で任せられるようになるのだろう…と悩むことがあるのではないでしょうか。これから具体的な「教え方」についてご紹介する前に,指導者が知っておくとよい学習の法則についてお伝えします。

5,000時間仮説

私たちが,ピアノを弾けるようになったり,英語が話せるようになったり,テニスがうまくできるようになったりするには,大体どれくらいの

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ナースのための“教える技術” 誰でも教え上手になれる?

ナースのための“教える技術” 誰でも教え上手になれる?

中堅看護師は,部署における中心的存在であり,質の高い看護実践とともに教育的役割が求められます。そのため,部署では中堅看護師が「新人教育」「現任教育」「学生指導」などの役割を担っているのではないでしょうか。

しかし,高い看護実践能力をもっている中堅看護師が,必ずしも教え上手とは限りません。マニュアル通りのことをしゃべって満足し,教えたつもりになっている人も見かけます。

なぜ指導者が必要なのか

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ナースのための“教える技術” 教えることに理論や技術はある?

ナースのための“教える技術” 教えることに理論や技術はある?

看護師は,誰かに何かを教える場面がたくさんあります。

まず,看護師に対してであれば,新人看護師に与薬,排泄援助技術,創傷処置など,たくさんの基礎看護技術を教えるでしょう。さらに,電子カルテの使い方,バイタルサインや看護記録,あらゆるシートの入力方法などを教えることもあるかと思います。また,違う部署へ異動するときには,引き継ぎをするために,これまで行ってきた業務内容や教育方法などについて教える必要

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