くちばしの折れたカラスの夢と変容

眠っている間に見る夢を観察していると、夢の世界でも起きている間の現実と同様に継続している流れがあることがわかる。
それは長期に渡るものも、短期のものもあるが、気をつけて見ていれば日常の現実と連動している。どちらも、あなたの意識の産物だからだ。
ただし多くの場合、眠っている間に見ている夢の方が自由度が高い分、より真実のあり方に近い。

私のほとんどの夢には人間以外の生き物たちが出てくる。夢の中では、彼らは人間同士で話すときのように話をしてくれることもある。

現在私は個人セッションを閉じているものの、アニマルコミュニケーターとして今後何ができるかを構想中の身だ。
そのような状況にいた2020年の終わり、12月31日の朝方にカラスが出てくる夢を見た。

カラスが出てくること自体は、私がカラスを好きなので珍しくない。この夢が特殊だったのは、そのカラスが「くちばしが折れたカラス」だったことである。

私は鳥を飼ったことがないけれど、鳥のくちばしは爪のように先端が伸びるということは知っていた。ただ、折れてしまうことがあるというのは自分の発想になかった。
だから、この夢は私が経験したこと、見たことのあるものからのイメージではない。

さらに言えば、気になる夢だったのでいつか記事にしようと内容を書き留めはしたが、鳥のくちばしが実際に折れることがあるのかどうかについてその時点では調べてみることをしなかった。
ところが、なんと日をあけてからもう一度、2021年1月13日の朝にくちばしが折れたカラスの夢を見て、ストーリーとしてつづきがあったという体験をして初めて、鳥のくちばしの情報を調べ確認した次第だ。

これからその夢2本の内容と、それによって私が何を理解したかを語る。

ちなみにこの時期、同時進行で◆「芸術と創造へのパッション【あなた自身の表現を拡大する】」に書いた内容も夢に見ていた。興味のある方はそちらも読んでいただくと夢への理解が深まり、繋がりがわかるだろう。
夢は、大別すると同じテーマに沿った色々な内容のものを一度に複数見る。
その全部を覚えている人は少ないだろうが、あなたが夢を思い出したいのであれば、一度に複数の夢を見ていること、それらが違うストーリーに感じられても関連性があるという点に着目すると、それぞれの夢が互いのヒントとなることもあって総合的な理解に役立つはずだ。

以下の話は、夢を理解することに関心がある方のほかに、動物、人間以外の生き物との双方向のコミュニケーションを身近に感じたい方に捧げる。

一度目の夢:くちばしの折れたカラスと出会って会話する

まず、2020年12月31日朝の夢。
(以下、夢の内容)

私は体育館のような屋根のある広い敷地内にいて、目線は床から少し上程度に低かった。なぜそれがわかるかというと、床に近い位置に換気口のような横に細長い小窓があって、そこから外の景色が見えていたからだ。

同じ場所に、私のほかに茶色いニワトリが何羽かと、カラスが一羽いた。
ニワトリたちは低い位置にある小窓から外の景色を覗き見ていた。出ようと思えばそこから出られる、自由に放されている状態だ。

カラスは、黒くてつやつやした羽毛の、くちばしの折れたカラスだった。
折れている位置はくちばし全体の中ほどからで、上下とも同じ位置で折れている。しかし健康そうで目がいきいきとしており、ほがらかな感じもある。そのときのうずくまっている姿勢のせいか、丸っこい体に見えた。

カラスは床の上にいたので、私も低い位置にかがんでカラスのそばへ行き、隣で肩を寄せるようにした。
私は、このカラスの通訳をするのだ。カラスの語る言葉を書き留めようと、メモとペンのようなものを持っていたかもしれない。

私が耳をすませると、きょとんとした瞳で、カラスはこう私に尋ねた。

「どうして人間は飛べないの?」

思いがけない、無邪気とも言える質問に、私はなんと答えていいのかわからなかった。
(夢の内容、ここまで)

起きた後に私は、カラスからのこの質問には象徴的な意味もあるのかもしれないと思った。
「どうして人間は飛べないの?」
この「飛ぶ」という言葉は、メタファーともとれるなと思ったのである。
夢は、ひとつのシンボルに多重の意味を持つことがある。

また、「くちばしが折れている」ということも意味があるが、この時点では軽く検討をつけた程度でしばらくすると忘れていた。

二度目の夢:くちばしの折れたカラスと再び出会う。夢の中の自分の行動で変容の意味を知る

次に、2021年1月13日朝の夢。
(以下、夢の内容)

他の夢から続く形で、いつのまにか私は鳩などもいる街の中の野外におり、そこで再びくちばしの折れたカラスに出会った。
しかもその姿にはこの前とひとつ、明らかに違っている点があった。

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