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【洋書】Interpreter of Maladies/停電の夜に〜切り上げ方に思わず唸った美しい作品〜

邦題: 停電の夜に
著者: ジュンパ・ラヒリ

ジュンパ・ラヒリのデビュー作でピューリッツァー賞受賞作品。9つのストーリーが収められた短編集。

ラヒリの文章は毎回惚れ惚れします。まるで川の流れのように心地よくて、終わってしまうのがもったいくらい。しばらく余韻に浸りたい気持ちになります。

心に沁みる表現で溢れていて、この作品ではとくにキャラクターの心情描写が秀逸です。人間の繊細な気持ちが、静かに、でも確実に、心に響いてきます。各ストーリーの切り上げ方も見事。含みをもたせたり、何かをほのめかしたりしながら終わっていく感じが素晴らしく、何日経っても「あれはどういう意味だろう?」「あれから結局どうしただろう?」と思いを巡らせました。

期間を置いて、再読してみたいです。


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