嵐ファンじゃないのに『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM "Record of Memories"』を観て泣いてしまった
今年初めて観た映画は、『ARASHI Anniversary Tour 5×20 FILM "Record of Memories"』だった。
本作は、嵐の20周年記念ツアー中に1日限りで開催された「映画を撮影するためのライブ」の映像をまとめたもの。
嵐ファンというわけでもなければ、音楽好きというわけでもなく、ライブに良く行くタイプでもない私。日頃は二次元の推しを追いかけていますが、映画館で何度も予告をみるうちに「あの嵐のライブが映画館でみれるなら、みてみたいな」と思いまして。
なにしろチケットはファンでも入手困難。何十万円という高額で転売されていて、それでも買う人がいるという。以前とある学会が嵐のライブと被ってしまい、飛行機や宿が取れなくて大変だった、という話も耳にしたことがあります。
これほどまでに人々を熱中させ、国民的アイドルと言われる彼らのステージはどういうものなんだろう。
で、観てみて。
アイドルっていいもんだなぁと。
生身の人間が、歌って踊って動き回って、何万人という人々を歓喜させる。しあわせにする。
こんなことがあるんだろうか。魔法か?
湧き上がるファンの歓声に、笑顔に、涙に、私も心がほくほくしてしまいました。
楽しませようという意気込みがすごい
「えっ、ライブなのに発声してる」というのが最初の驚き。ギリギリコロナ前に撮影されたため、東京ドームはぎちぎちの満員で、沸き起こる歓声の迫力たるや、まるで地鳴りのよう。満員で、歓声もあげられ、コールアンドレスポンスも、なんなら合唱もあるという、もはや懐かしさすら感じるライブ。
さらに驚いたのは、嵐と観客の距離が近いこと。
移動ステージに乗って歌うのだが、なんと柵が一切なかったりする。ファンは全方位からみられるし、隔てるものがない、というのはとても嬉しいことだろう。
でも乗ってる方は怖くないのだろうか。何てことなさそうに、普通に歌ってファンサービスをしているのにびっくり。
松潤さんにいたっては、移動ステージの端っこに腰かけていたりする。そりゃあ少しでも近い方が嬉しいけれど、スタッフさんとかひやひやなのでは。とにかく楽しませようという心意気がすごい。
調べたら、あれ「ムービングステージ」というんですね。松潤さんが日本では最初に取り入れ、今では色々な方のライブで使われているとか。
無知で恥ずかしい限りですが、令和の世でもあれを初めてみた人間は感動するのだということです。
嵐の皆さんはバラエティーでも活躍しているから、てっきりMCも多いのかなと思っていたら、ほとんど歌いっぱなしだったのも印象的。
移動する際の乗り物も色々あって、今度は壁のあるゴンドラっぽいやつだ、と思ったら、ジャニーズJr.の紹介の際に、彼らが隠れるのに使っていた。
もちろん安全上の理由もあるだろうが、なるべく観客の視線がJr.に集まるようにという配慮なのだろう。すごい気遣い。そもそもJr.を紹介する場面があることにも驚いた。
5人ともすごい
5人の名前はさすがに知っていて、全員にいい印象を持ってはいたが、ライブを見てかなり発見があった。
①松潤さん
まず松潤さん。前から華がある方だなと感じていたけれど、ひらひらした衣装が死ぬほど似合う。カジュアルでも、フォーマルでも、服をたなびかせるのが最高にかっこいい。こんなにひらひらが似合う人いる? アイドルかよと思ったらアイドルだった。ステージに立つべくして立っている人、という感じがする。
松潤さんがピンクを着ているのが好きなので、スカジャン風衣装好きでした。もちろん白の燕尾服も。
②大野さん
大野さんの声は、一番安心して聴いていられる。安定していて、真っ直ぐ飛んでくる感じ。
あの独特の佇まいが素敵ですよね。観客を煽るときも、ひとりテンションまったりめでときめきました。
嵐にもメンバー紹介ソングあるんだ、気分上がるよねと聴いていたら「この仕事していなきゃプータロー」で笑ってしまった。ソロのダンスもかっこいい。釣り好きだとは聞いていたけれど、釣られる仕草、うますぎない?
なんとなく、嵐の中では松潤さんと大野さんを好ましく思っていたので、この2人が近距離で歌っているのを観ると、心臓に負荷がかかり、息苦しく、頭がくらくらして、寿命が縮まりそうな、それでいて魂の奥底から潤うような心地。
そんなわけで最初は松潤さんと大野さんを目で追っていたのですが、最終的にこれは箱推しにならざるを得ないッ……!!!という境地に。
③相葉さん
相葉さん。相葉さんは、明るくて朗らかで親しみやすいイメージだったけれどたまにすごく雄の顔をする。ギョッとした。いや、ときめいた。すごい振れ幅。私は彼について何も知らなかったのだ。
そしてスタイルがすこぶる良い。手足が長くすらっとしていて、まるで昔の少女漫画から出てきたかのよう。スニーカーとジーンズを身につけただけで、くらくらするほどかっこよく爽やか。どこにでもいそうでどこにもいない、理想の男の子。それでいて、首も細く長くとても綺麗で、時折ゾッとするような色気を放つ。
でもやっぱり明るくて朗らかでくったくなく笑うんだ。
④二宮さん
二宮さんは、飄々としたイメージで、一歩引いたところから全体を眺めて援護射撃する感じの方かと思っていたので、「えっ、こんなに熱く歌うの」とびっくりした。
もう、見るからに、熱い。熱を込めて、気持ちを込めて、歌っていた。しかも声が、甘い。普段クールな人のこんな姿見たら誰だってときめいてしまうのでは。あと髪型最高。ちょっと勘弁してドキドキするからってレベル。MOREの連載は独特の視点が面白くて好きでしたと思いながら、知らなかった姿に魅入りました。
⑤櫻井さん
櫻井さんは多方面で活躍していらっしゃるので、もはや見慣れたイケメンという感じですけれども、いやこれは街中で出会ったら逃げ出すな。なんか色々整いすぎて……と思いました。
眩しすぎる。
ラップ担当とは聞いていたけれど本当にラップ担当なんですね。熱く煽りまくるから普段のイメージと違って新鮮でした。
満員の観客の視線を一身に浴びながらグランドピアノの前へ無言で歩いて行き、シンと静まり返った中で弾き始める度胸がすごい。
どういう経験を積めばあのプレッシャーに耐えられるのか。嵐だからか。すごいな嵐。
そうして知らなかった彼らの姿をみているうちに、満遍なく全員を好きになっていたのでした。
すごいのに、身近
東京ドームを満員にして、これだけの人を歓喜させるすごい人たちなのに、休み時間に教室の後ろの方でふざけてる男子みがあるのは何なのだろう。
下手すりゃ同じクラスだったような気すらしてくる。
気負ったところがあまりなくて、それぞれ得意分野が異なり、フラットに5人が並び立ってるからだろうか。「恋愛対象というよりは友達」みたいな空気感なのに、実は魅力的でドキドキさせてくれる。
これ一周まわって恋に落ちるやつじゃんな。
気づいたら泣いてた
ここまで書いてきたけれども、ほんとうに嵐について知らない人間なので盛大な間違いやお門違いな点があったらごめんなさい。
曲についてなにも語ってないのは大して曲を知らないからなのですが、大変失礼ながら、嵐の曲って「当たり障りのない歌詞してるなぁ」って思ってたんです。
個人的にはあまり刺さらなかった。
ところがライブをみているうちに、次第に「これ推しカプソングじゃん」(私が好きな二次元キャラクターのカップルをまるで歌ったかのよう)と全ての曲で感じる病にかかり、「サクラ咲ケ」あたりではもう自分ごととしてニッコニコで鑑賞するようになっていました。
あれはむしろ普遍的な歌詞だったのですね。
あと嵐の曲って歌詞が聞き取りやすいよね。
個人的に好きで唯一タイトルもわかる「Monster」かっこよかったです。大きな移動はないけれど、MV撮影ですか?ってくらい炎とか出まくってた。すごい。
ああ、嵐ってすごいなぁ。アイドルっていいなぁと思っているうちにフィナーレへ。
「5×20」を聴いているうちに、いつのまにか涙があふれてきました。
いやほんとそう。
生身の人間が20年も同じことを、同じメンバーで、1人も欠けることなく続けられるって、すごい。
私なんて長く同じ場所に住んでいられないたちだし、10年務めた職場にもちょっと飽き始めてる。
嵐だって人間だから、朝起きたら寝起きなのに既にだるい日とか、お腹がいたい日とか、人の態度に傷ついたり、なにもかも嫌になっちゃう日も、あると思う。
それでも人前に立つ仕事を続けてきたのだ。
そしてみんなを笑顔にしてきた。
すごい。尊敬せざるを得ない。
つい2時間ちょっと前まで嵐のファンでもなんでもなく、軽い気持ちで映画館に来た私が、静かに泣いている。
画面の向こうの、ファンの方も泣いている。
嵐もちょっと、涙目。
嵐のファンはしあわせだなと思った。
私もちょっとしあわせになった。
まさか泣くとは思っていなかったので、すごいなぁと思いつつも、ちょっと怖いくらいだった。
ライブに飢えていたり、キラキラを浴びたい方は、ぜひ映画館へ。
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