[2023年版]無名の日本人ActorがアメリカでアーティストVISAを取得するまで③
さてその③までやってきました。もうその①その②は読みましたか?まだなら③の前に読んどいた方がいいです。
さてこの③では前回のその②を深掘りし、具体的に何をしなければならないのかお話していきたいと思います。
1. 経歴を作る
大前提としてアメリカでVISAを取るにはそのジャンルでの経歴がアメリカでの活動に値しなければ話になりません。
僕から出来るアドバイスはただ一つ。
ひたすら出るしかないです。
けど少しだけ注意点があります。 VISAの申請には必ず
申請者がどのジャンルで活動したいのか具体的に書かなければなりません。
どう言うことかと言うと、アクターでも色んなアクターがいますよね。
映画俳優、舞台俳優、ミュージカル俳優、なんちゃって俳優
もし全てのジャンルで活動したいならあなたのジャンルは「Actor」になります。
ただその場合過去の経歴は全てを網羅していて、且つ全てのジャンルにおいての実績を証明出来なければなりません。
つまり「Actor」として申請するのは一番ハードルが高くなるわけです。
けどもし舞台だけ、ミュージカルだけで勝負したいと言うのであれば映画やTVの経歴は必要はありません。ブロードウェイのミュージカルだけに挑戦したいのであれば自分の経歴に舞台以外の経歴はなくても大丈夫なんです。
僕の知っている限りActorには「Actor」と「Stage Actor」という2つのジャンルで審査基準が違うことは分かっています(他にもあるかもしれません)。おそらくミュージカルは後者のジャンルに分類されます。
そして厳密にいうと申請したジャンル以外ではVISAを取得後も仕事が出来ないことになっているんです。
「Stage Actor」は基本、映画やTVの仕事は出来ません。モデルも同じ。
けど大丈夫。まずはどのジャンルであれVISAを取ることが第一歩。Stage ActorとしてVISAを持っていれば他の仕事ができる方法はいくらでもあります。
なので自分がどのジャンルで申請するのが最も近道なのか。過去の経歴を120%活かすには今後どこの経歴を増やす事が近道なのか見据えて行動した方がいいと思います。
もちろん僕は舞台、映画、TVと全ての経験があって実績も証明出来たの
「Actor」としてVISAを取得出来ました。
2.パブリシティ
VISA申請の中でも重要な位置をしめ、自分一人の行動ではどうにもならないのが新聞、雑誌、web上の記事です。
普通は何かの媒体で記事になるというのは自分が何か大きな業績を残したとか、人気が出て取材されたりしなければ雑誌に載る事もスポーツ新聞に書かれることもないでしょう。
尚且つ記事の媒体が大きければ大きほど資料としてポイントが高くなるわけですからさらにハードルは上がります。
そして最低でも5つ以上の記事が必要。
この時点で無名俳優の場合もう絶望的で泡を吹いて気絶するしかありません。
僕も弁護士からそれを言われた時には、あ〜無理だと思いました。
だって面接の時点で僕が持っていた自分の記事はNYの日系新聞で取り上げられた記事たった1つだけだったからです。
けど①を思い出してください。
弁護士はそんな僕でも「これなら受かるだろう」と僕の経歴を見て言ってくれたんです。しかも5人とも。
その種明かします。
いいんですか?
いいんです!!
方法は2つ。
まず1つ目はググる。とにかく自分の事をググる。
(ヤフーを使うときはヤフるっていうのかな?)
僕はググったおかげで、NYでストリートパフォーマンスをやっていた事がNYでそこそこ有名なフォトグラファーのweb pageに取り上げられている事を見つけ、名前も載っていたのでそれが一つの資料として使う事ができました。
Google様様です。
これは棚ぼただったかもしれませんが、もし本気でVISAを取ろうと思っていて日々努力し行動していれば今までやってきた事は必ず一つの線で繋がっています。
自分で言うのもあれですが、渡米2年目の夏にNYのワシントンスクエアで行ったこのチャンバラパフォーマンスはあまりの暑さと、公園では大きな音を出せない事が後から分かり5回ぐらいしかできませんでしたが、本気でアメリカ人を笑かそうと考えて稽古も何度もして挑んだのできっとこの瞬間僕たちは輝いていたんだと思います。
その瞬間をフォトグラファーが見ていてくれた。
見ていてくれている人は必ずいます!!
そして2つ目は
記事を自分で作るんです。
???
記者になれと言うことではありませんし、学級新聞みたいなものを作れと言う意味でもありません。
まず大事なのは自分が記事に取り上げてもらえるような結果・実績、活動をしているか、または記事になるような存在かどうか。
なんでもいいんです。
何もなければ今からでも遅くないです何か行動を起こして記事になるようなことを作ってしませばいいんです。
事件以外は。
なければ作る。
至ってシンプル。
やれる事は全部やるんです。あとは売り込むだけ。
そうは言われても…
3.recommend letter
②でも書きましたがあなたが何者であるかを
同じ業界にいる著名な方、権威のある方から「この申請者は本当に優秀で凄いんだよ!」っていうお墨付きをもらう作業がこのrecommend letter(推薦状)というやつです。
僕は合計で9人の方からこの推薦状をいただく事が出来ました。
うち7人は日本で大活躍されている監督、プロデューサー、俳優、そして演技指導者の方々です。もうお二人は僕が通っていたNYのアクティングスクールの先生でした。
日本では誰でも知ってるような方でも移民局(USCIS)の方は全く知りません。
黒澤明監督も知らないと思ってください。
審査する相手はドーナツ好きのアメリカの普通のおっちゃんかおばちゃんなんです。
なので推薦状を書いてくれる方がどんな人なのかの証明も必要になってきます。
その方が日本においてどれだけの功績を残してきたか。新聞記事、webの記事などから過去の実績を証明する資料を作る必要があります。
安心してください。その方々の資料はいくらでも出てきます。日本アカデミー賞を獲ったとか、アメリカのアカデミー賞の候補になったとか。
そういう記事がすぐに見つからない方は正直推薦状をお願いする人には向いてないかもしれません。
ここで一つポイント!
記事を見つけるときですがもしあるのであれば英語で書かれている記事を最初から探すと後々楽です。
というのも日本語は後で全て翻訳しなければなりません。
この作業はかなり大変です。なのでもし英語で書かれた記事があればそれをそのままスクショすれば翻訳の手間は省けます。
僕の推薦者の方々は海外での実績があったので、日本での記事はあえて使わず海外のサイトで見つけた記事を使いました。
この推薦状もすごく重要なので、書いていただく方がどんな方かは本当に重要です。
もしあなたの推薦状をクリントイーストウッドが書いてくれればおそらくそれだけでVISA取得は濃厚になるでしょう。
それぐらいこの推薦状の力も大きいと思ってください。
さてじゃどんな内容の推薦状がいいのか?
ただ「この人推薦します!」だけじゃダメなんです。
この推薦状の内容も凄く重要なんです。
5.スポンサーのサイン
これに関してはあまりアドバイスできることは正直ありません。
というのもコネクション。
あなた自身の人脈しかない。
スポンサーになれる条件は
米国市民(シチズン)または団体(企業または納税者番号を持つ組織)
そして自分と同じ業界にいる人が好ましい。
じゃ僕自身コネクションが最初からあったかというとありませんでした。
NYに来て3年目ぐらいからスポンサーになってくれそうな人を探していましたが、なってくれるかなと思ったアメリカ人には断られたし、同じ業界には正直いませんでした。
でも見つかったんです。
その人は僕が23歳の頃に日本にアート作品の撮影のために来ていたアメリカ人の監督です。オーディションを受け勝ち取った役だったのですが、役の条件がモヒカンになること。おそらく勝ち取ったというかモヒカンにできる人があまり居なかったのでしょうw。
下のモヒカン野郎の写真は僕が出演したワンシーンから抜粋。この役は実在する現代芸術家の篠原 有司男さんという70年代からNYでアート活動をされている方です。
NY繋がり。面白いものです。
でこの監督のデイヴィッドのことを思い出し、連絡先は知りませんでしたが自分が出た作品名と彼の名前でググり、彼のHPを見つけてそこに連絡したんです。
Hey! Long time no see!!ってな感じで。
そしたら連絡が返ってきてスポンサーになってくれないかと交渉し、数ヶ月かかりましたが無事なってくれることになったんです!
そして無事資料が全て揃い(スポンサーサインは一番最後になってしまった)
弁護士と初めて会った時から丁度1年後の2019年1月に申請。
3月に結果が来て、落ちたという連絡を貰いました。
???
えっ落ちたの??
はい。僕一回落ちたんです。
けどその2ヶ月後の5月に再申請して2回目は一発合格!
いますか周りに1回落ちて2か月後に再申請して受かった人。
僕は落ちたことも経験してるんです。
なので落ちない為のVISAの作り方も、他の人より知っていると思います。
この落ちた時の話も今度しましょう。
ちなみに2回目の申請ではスポンサーを変えました。
その2回目のスポンサーが①でもお話したブロードウェイでプロデューサーをやられている方です。
どうやってコネもない僕が、たった2か月でそのスポンサーと出会ったのでしょうか?
4.VISA取得後の3年間の仕事のスケジュールと6.support letterに関しては弁護士と資料作りをしていく段階でどういう内容が必要になってくるのか決まってくるので今回は説明は省きたいと思います。
どうでしたかなんとなく今何が自分に足りていないのか分かりましたか?
最終章[2023年]無名の日本人ActorがアメリカでアーティストVISAを取得するまで④では実際に僕が作った資料、掲載された記事、そしてアクターであれば作ったほうがいいアルモノに関してお伝えします。
アクターでない方もほぼ同じことが必要になってくると思うので必見です。
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