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【ブルーマウンテンMBA戦記-2】▶管理系部門での統計学の活用について

MBAの前期が終わり、ひと段落…となったらダメな気がして、この余暇を使って統計系の資格の勉強をしています。(ひとまず統計検定2級まで+統計調査士、専門統計調査士あたりまでを)
その道の仕事に進めるほどのレベルではないものの、体系的・網羅的に知識が身につくという点で、自己研鑽での資格チャレンジは有用だと思っているタイプでして。
(資格取ると、ドラクエでイオナズン覚えたくらいの達成感はあるというのが個人的な感覚です。)
また、MBAの必修科目で統計分析というものがありましたが、非常に有用で気づきがありましたので書いておきます。
1. 実務における社内データ・会計データの分析
「データ分析」「社内データ活用」のようなタイトルの本の内容は、大きく2つに分けられるというのが私の見解です。
①会計データ分析を基本とした管理会計財務分析の色が強いもの
②統計学の領域に入りつつ、エクセル活用を基本にフレームワークを紹介するもの
①に関しては、管理系の部門でマジメに仕事していれば必要に迫られて自然と身につくものが多く、30歳も超えてくるとあまり読んで新鮮さが無くなってくるものが多いように思います。もっと言えば、会社ごとのクセがあるので、そのあたりは取捨選択して実務の中で編み出していく分析シートがあってしかるべきで、正直、優秀なコンサル系の人が「どやっ」って感じで書いただけのものも結構あります。
②に関しては、適用できるものが更に限られるきらいはありますが、じっくり学ぶとかなり有用なものがあることがありまして、最近はこのあたりに気づきがあったので、恥ずかしくないレベルには自分を叩き上げようとおもっているところです。
2. 実務家として統計学を学ぶ意味
これは私自身の話でもありますが、今までは社内向けの資料、投資家向けの資料とか作ったとき、「これは正しい資料ですか?」ともし聞かれたら、「資料の正しい正しくないってなんじゃ」ってことになってました。聞かれたことないけど、いま振り返ると、特にグラフとか視覚データ、説明資料に確たる根拠はありませんでした。
統計学を学んだことで一定の「正しさ」が分かるようになったのは大きな進化だと思います。
実務においては、他社の資料とかを見て「これいいじゃん」と思ったのをパクりまくって、自分のものにしていく、という作業も結構おおいと思います(そして、たぶんそれが早いですし。)
一流のコンサルとか、IRに熟達した大手の企業なんかだと、内部にパワポの審査する何らかの仕組みがあって、ノウハウを学べる、というようなことを聞き知ってはいますが、そういう恵まれた環境って中々ないですよね。
簡単なところでいうと、棒グラフ、ヒストグラム、折れ線、散布図など「なぜここで棒グラフじゃなくてヒストグラムなの?」「なぜこれは散布図がベストなの?」など、分かってしまえば当たり前でも、我流の修得だと「そういうものでしょ?わかりやすいし。」というレベルでとどまっている人も多いのではと。
また、会社が大きくなってくると下記のような状況が起こります。
・計測できるデータが増える
・何を計測すべきか?の取捨選択をする幅あ大きくなる
何も手を入れないと、せいぜい必要最低限の営業部門の活動数値と、ちょっと整理された会計データがたまっていくだけなのですが、それではもったいない。
KPIにしても、営業部門の教育にしても、もう感覚値で物事を決める時代はとうに終わっているわけで、ファクトで語ることを考えると、会社全体を見渡せて、ある程度数字とかデータの扱いに知見のある人間がこの辺りを主導するのが大事だなと思います。(つまり、管理部門、経営企画部門の登場!我々がやらねばならぬ!!ほかに誰がやる!!)
3. 回帰分析の有用性について
超有名な本ですが「統計学が最強の学問である」(西内啓さん)というのがありまして、2013年に初版が出版されており、そのころから統計学というものが一般的にも爆発的に注目されてきたように感じています。私も、これ初版の時に読んで影響を受けた覚えがありますが、今更ながら統計学の有用性を再認識しています。
この本の言葉を借りれば
『あえて断言しよう。あらゆる学問のなかで統計学が最強の学問であると。どんな権威やロジックも吹き飛ばして正解を導き出す統計学の影響は、現代社会で強まる一方である。』
まさにそうだと思います。
エアコンのリモコンの内部の仕組みを知らなくても、リモコンは使えばいいわけでして、ビッグデータ活用とまでいかなくとも、社内にあるローデータレベルでも十分、統計学が機能すると思うのです。
その中でも、例えばエクセルにも標準装備されている回帰分析は使わない手は無いと思っています。実際、分かっている人には基本のキなので、「は?いまさら」となるでしょうが、私はちゃんと使えていなかったので、ここ最近、それなりにこの機能の有用性には衝撃を受けたのです。
企画系の仕事していると
「うちの営業でどの活動数値が優秀な営業が見込みある?そして、どの数字を伸ばしていく研修、教育体制を敷いた方がいい?」
みたいな話って必ずあると思います。
そういうとき「これでしょ」というのがいくつか感覚値で出てきて、それは結構正しいのです。でもAかBか、、という話になって「どっちが正しいの?根拠は?」となるとこれはもう、何かファクトが必要なわけで、こういうときに理論と数式が推進力になります。(前は、「説得の準備なんて時間のロスだぜ。黙ってやらせろよ。」くらいに思っていましたがこれも大事なプロセスですよね。)
そこで、社内のデータを使ってこの回帰分析を行い、各変数に対する係数を確認して結論を補完していくというのはとても使える。スキルと言ってもいいと思います。
何より
・理屈が単純
・人に説明しやすい
・一般的
なのが良い。
それに、感覚値ではわからないことも「データからすると、意外とこれってマイナスに作用してる可能性あるのね」っていうのが見えます。
おそらく、この回帰分析(what ifとかにも当てはまると思うけど。)を使う場合の一番の障壁は、使う担当者のやる気(笑)…というのは半分冗談ですが、あとは社内で引っ張りたいデータが計測され、使える状態になっているか?っていうことだろうと思います。
その意味で
・解決したい課題は何か?
・それの解決へのフローチャートを何本か仮定する
・その仮定を検証すべきデータを測定する
という動きは呼吸するがごとくにサイクルさせないといけないな、というのが今のところ統計学の入り口を叩いてみた程度ですが、結論であります。
「別に統計学ばなくてもそれって当たり前の結論じゃんw」っていう突っ込みは自分で入れてますが、とりあえずもう少し統計学を楽しんでみようと思っています。

【前回】▶IPOを目指す企業の経営企画部門に求められるスキルについてhttps://note.com/ryuheimatsumura/n/n4f46683bcef0
【次回】▶MBAにおけるマーケティングの学び
https://note.com/ryuheimatsumura/n/n003f92035019

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