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【ブルーマウンテンMBA戦記-3】▶MBAにおけるマーケティングの学び

MBAに来て最初の4か月でマーケティングの基礎的なところを学びました。
当然、自社にとっての新規事業について考えたり、「新規上場時における成長可能性に関する資料」の作成とかでそれなりにフレームワーク使ってみたりとかは当然ありましたが、振り返ってみると「実務への生かし方」について思うところがあるので書いておきます。

1.ケーススタディをやってみての感想
まず結論からすると、マーケティングに関して言えば、MBA来てよかったなと凄く思っています。本気で具体的事例に関するケーススタディをやる機会が与えられることの効用というのは非常に大きいものでした。「やる気になれば自分でも独自に企業分析はできる」というのは限界があるなと思います。
新たな分野を学ぶとき、実務感覚が無いor土地勘のない話になると、どこか空回りというか、字面だけ追ってしまって地にも肉にもなってない感じって、誰でも経験あると思います。(興味本位でリヴァイアサンとかエミールとか、古典文学の名著読んでみてる時の感覚?※例え悪くてすみません。)
正直、マーケティングの本読んでるとそういう感覚がありましたが、ケーススタディを複数本やってみると、ちょっとそのあたりの感覚が変わってきたように思います。
ケーススタディとして正面から取り組み、その会社の数字も見てみたり時間かけてビジネスを理解してみると、フレームワークも地に足の着いた分析ができているような感覚も少しは持てるし、マーケティングの本の内容も「ああそういうこと」という感じになりました。
私なんかだと会計とかは実務でやってるし好きなので、それ系の本を読むと実際にエクセル表と仕訳が頭の中で動いてかなり濃い読書になる、ということ考えると、やっぱり具体的な仕事、取組みをしたことが無いと、まさに「机上の」学びになってしまうのだな、ということを改めて感じました。
また、ケースをやってみると、他業界の事業上の課題を理解でき、それは業界業種違えど非常に有益でした。本質的な問題を特定するための整理整頓や、経験から来る勘とは違う合理的な結論を導く考え方というのは、思考方法の学びであるからです。


2.フレームワークの活用
フレームワークについては一通りそれぞれの関連性、意味を理解することが出来、課題・レポートを通じて身に着けることができ、ひとまず「この自転車には乗れるようになったな」という感覚です。
しかし、あえて言うと「たかが」フレームワークであって、使わくたっていいわけです。なぜこう思うかというと、ビジネスにおいて素晴らしい力を持った先達の方と話をすると、自分の方が200%詳しい分野のはずなのに、話をしているうちに、全く自分の出す結論を一瞬にして凌駕していく話が展開される経験を何度もしているからです。
経験と思考力って偉大だなと思います。
限られた情報から周辺事情や自分の持っている知識をつなぎ合わせ、その時点でしうる最善の結論へ一直線に走っていく思考回路、その切れ味とスピード。
でもやっぱりそういう人も最初はフレームワークなんかもゴリゴリ使ったうえで、血肉になっているハズなわけなので、ビジネスにおけるある一定以上の思考力が見につくまではフレームワークの力を借りて熟達したいと思うに至っています。自分のダメさが情けない!


3.過去を分析することと戦略を立てること
マーケティングの授業を通じて「過去の企業のマーケティング戦略を評価すること」「マーケティング戦略を考えること」の2種類の課題に取り組みましたが、似たように見えてこれは全く別の思考活動だと気づきました。
前者については、究極、だれがやってもある程度までは同じ結論になるものだと思います。ディテールの部分になると、本質をつかむ力に差は出ると思いますが。
最も重要なのは、この作業の意味は何か?というと、その過去の例を未来にどう生かすか?なので、その過去の分析から公約数を抽出し、自分なりに一般化し、類似性を見つけて自社の運営に役立てることだと思います。
後者について課題に取り組んだときもフレームワークを使ってはみたのですが、正直あまり実のあるものではなかった(フレームワークの練習程度)と思います。未来のことについて考える場合、重要なのは将来の事業環境における前提条件の設定だと思っているので、思考力の高さ×経験×センスという、基礎能力(ビジネス筋力?)によるところがぶっちゃけ大きいなと思っています。

4.実務への生かし方
例えばPEST→3C→SWOT→STP→4Pマーケティングミックス、あとバリューチェーンという一連のフレームワークを自社のビジネスに当てはめてみると、すぐに新しい結果が生まれるような魔法の杖では当然ないものの、「この部分の検討は今まで浅かったな」とか「ここは何だかロジックが弱いな」ということには気づきました。
フレームワークで出た結論というのは、議論のたたき台としてそれなりのものを作るという意味合いでとらえた方が良いなと思います。なので、戦略コンサルなんかで、最初にその事業会社の人と話すうえで「原則としたらこうなると思いますけど、なぜ御社はこうしているのですか?」みたいな切り口にはいいのだろうかな?と思ったりしました。


ところで、最初は「戦略上の問題か」と思っていたものが結論は社内の営業体制の問題に帰着したり、営業力アップの課題がKPI設定の話にで解決の糸口に近づくようなこともあり、高い視点と広範な思考回路、そして柔軟で合理的な発想というものの重要性を再認識しています。

【前回】▶管理系部門での統計学の活用について
https://note.com/ryuheimatsumura/n/n2c5e332d31c9
【次回】▶組織行動論について
https://note.com/ryuheimatsumura/n/ne7a12496ea35

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