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大学生が、話題の『移動する人はうまくいく』を読んだ感想

行動力がないことが、私の悩みだ。

来年には社会人になるため、残りの学生時代を有意義にしなければならない時期なのに、
私の手は、気付けばスマホを握ってYouTubeを起動させている。

そこで、
「流石にこのままではいかん」
と考えた私は、たまたま書店で見かけたとある話題書を購入した。

それが今回紹介する
『移動する人はうまくいく』
である。

帯の宣伝文句いわく、
「考えてばかりで動けない」が消えてなくなる方法
が書かれているらしい。

この文言には正直半信半疑だったが、
「家よりも外出先の方が頭の回転がよくなる」という感覚には身に覚えがあったので、
それが購入の決め手となった。

前置きはこのくらいにして、以下、この本を読んでみた感想を書いていきたいと思う。
(需要があるかは知らない)


ざっくり感想

新しい切り口で成功の秘訣が説かれており、かつ著者の熱量が感じられる文章であったため、

帯の宣伝文句ほど有用かどうかはともかく、とても読み応えのある内容であった。
(ビジネス書の感想としてはアレだが)

この本は
「今の人生をガラリと変えたいけど、行動できない…」
という悩みを持つ人に向けて書かれており、

ぶっちゃけ人によって相性の良し悪しがはっきり分かれそうな方法論が書かれている。

しかし内容自体は
「確かにこういう考え方もあるな」

と納得できるものなので、

人生のヒントの一つとして「移動のメリット」を頭に入れておくことは、
後の人生で役に立つのではないかと感じた。

一言でまとめるなら、
「万人向けじゃなかったけど、読んで後悔はない」
といった所。

ここからは、本書で特に印象に残ったポイントをいくつか挙げていく。


「定住」「安定」は果たして幸せなのか?

本書では、「定住」や「安定」を推奨する日本の社会システムを、
「支配者にとって都合がいいだけ」
と一刀両断しており、ボッコボコに叩いている。
(この辺りの話は強引に納得させようとしている部分もいくつかあったが、概ね納得できる内容だった)

その上で著者は、
「移動」を繰り返し自らを「不安定」な状況下に置くことで感覚を研ぎ澄まし、才能や能力を発揮させること
を説いている。

この主張は、心理学における「コンフォートゾーン」の概念に通じるものがあると感じた。

著者が主張するのは、いわば「常にコンフォートゾーンの外にいる」生き方。

非常にストレスフルであろうが、その分得られるものは大きいのではないかと思う。

確かにこの世界は資本主義である以上、ある程度支配者層にとって都合がいいようにシステムが構築されているのは間違いないので、

「定住」「安定」は果たして幸せの条件なのか、我々は今一度考え直す必要があるのではないかと感じた。
(とはいえ「今すぐ会社やめろ」は少し極端な気もするが…)


選択肢を増やすこと

本書で繰り返し強調されているアドバイスが、
「選択肢を増やそう」
というもの。

著者曰く、
「絶対的に価値あるものなど存在しないから、代わりに選択肢の多さを人生の指標にしろ!」
ということらしい。非常にニヒリズム的な発想だ。

この考えを支持するかどうかは読者次第だが、選択肢が少ないと窮屈さを感じる、という意味ではあながち間違いではないのではなかろうか。

少なくとも、一つの場所に囚われずに転々とすることで得られるであろう、
何にも縛られない解放感・万能感
は、一つの「豊かさ」の在り方として魅力的に感じた。


現代の移動のしやすさ

本書はただ定住のデメリット、移動のメリットを語るばかりではなく、具体的な移動の手段についても色々と紹介してくれている。

これらの内容を読んでいて感じたのは、
「『移動』のハードルは案外高くはない」
ということ。

  • 日本のパスポートならビザなしで194の国に行くことができる

  • 海外のホテル予約サイトも、日本語で利用できる

  • 新幹線の予約はスマホ一つで簡単にできるし、なんならスマホでそのまま改札を通れる

  • 日本には「地方創生」の名の下に支援制度が整っている地方都市もある
    (よって多地域居住も不可能ではない)

などの情報は、知っておいて損はないと思った。
(自分があまりにも無知だったのもあるが…)

自分の中で、旅行のハードルがかなり下がった気がする。

現在の私はひとり旅をしたいと思いつつ結局一度もできていないという体たらくなので、

とりあえず一度、見切り発車で旅に出かける経験をしてみたいと思う。


おわりに

記事の長さの都合上割愛したが、今回紹介した内容の他にも、

  • 移動時間の活用法

  • 環境が意思を決める

あたりの話は興味深かった。気になる方は実際に読んで確かめてみてほしい。

「ざっくり感想」でも書いたように、多少強引な論理展開はあるものの、
ユニークな移動人生を過ごした著者ならではの視点は、これからの人生を考える際に示唆を与えてくれるものであった。

今後の人生について見直したいという人には、ぜひ一読してほしい一冊だ。


ここまで読んでいただきありがとうございました。 寂しがりぼっちなのでスキを頂けると大変励みになります。モチベ爆上がりします!