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山羊シリーズ。

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様々な山羊が蔓延る世界での、奇妙奇天烈な出来事を書くシリーズ。
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#山羊山山羊之山羊

山羊山羊に対する、とある教授の見解。

「『めえー』なんてもう古い! 時代は『山羊山羊』だ」
 そう言いながら、組織大学が使いだした、あの『山羊山羊』という合言葉。
「でもそれを使い始めた、大学信者である教授や教授ですらない教員である山羊達から、簡単に死んでいったんだ」
 眠そうな目をしている教授は、自身の専用机に両手をだらしなく置きつつ言った。
 専門家はいつだって正しかった。しかしその正しさを、思考の地盤が出来ていない若者達は無視を

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二頭の山羊の、よくわからない言い合い。

「『肉か魚かって言うけれど、魚も肉だよな』って言った君は、いつだって青空の先に夕焼けを見ていたよね」
 吐き捨てるような気持ちの夕暮れ山羊は、近くでなるべく煙を出さないように工夫をしながら煙草を吸ってる山羊山山羊之山羊(やぎやまやぎのやぎ)に言いました。
「だって、昨日も柿を投げていただろう?」夕暮れ山羊はさらに言います。自慢げな顔をしている夕暮れ山羊に、その横から、とても早い拳が飛んできました。

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山羊山山羊之山羊という山羊。

 大学に務める教授のデザイナ、山羊山山羊之山羊(やぎやまやぎのやぎ)が街のガムレベル粘着痰がハニカム構造の如くへばり付いている道を、トコトコと小さく歩いている時、その災害は発生しました。
「ぬほおおおおおっ、着火!」田舎気味な土地にある公園に置いてある、便所のような声。
 その、肥満体型を連想してしまうような野太い声に、山羊之山羊を含めた街を歩いている周辺の全ての生命体はしっかりと反応をしました。

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