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教える者のゴールとは

今回は教え方というテーマで書かせて頂きます。
最後のまとめでは「教える者のゴール」について解説しています。

皆さんは教え方には大きくティーチング(teaching)コーチング(coaching)の2種類に分けて考えられるという事をご存知でしょうか?
本書を最後まで読んで頂ければ、教える時の基礎知識として十分な理解を得ることができるようになります。
途中で自分の生徒やこどもを想像しながら読み進めていくことで、より具体的に理解を深めていく事ができるようになります。

本書では次のように順に書かせて頂きます。

・ティーチングとコーチングの違い
・ティーチングとコーチングのメリットとデメリット
・ティーチングとコーチングの使い分け
・教える時の注意点
・最後のまとめ

今後、先生やコーチ、親と呼ばれる立場になった時の基礎として活用される事を願っております。

それでは早速、いきましょう!

◯ティーチングとコーチングの違い

まず始めに理解する事は、ティーチングコーチング全く別のアプローチ方法だという事を覚えておきましょう。
簡単にいうと

・ティーチングとは教える側が一方的に内容を伝え理解させること

・コーチングとは教える対象の目的や目標を引き出し、その手助けをすること

ということになります。

もう少し具体的に説明していきましょう。

ティーチング(teaching)とはそのその名から想像する通り先生(teacher)を想像するとわかりやすいかと思います。先生は黒板の前に立ち大勢の生徒を前にして足し算や引き算、歴史や、文学を教えてくれる存在です。ティーチングとはこういった教え方であり皆が想像しやすく、教えている自分の姿を想像する時のイメージには1番近いものではないでしょうか。

それとは別にコーチング(coaching)とは教える側が生徒やこどものゴール設定をするのではなくて生徒やこどもがどんなゴールを描いているのかを対話によって引き出し、それを達成するために並走する存在です。これもコーチ(coach)と呼ばれる人を想像するとわかりやすいかと思います。例えば、テニスやフィギュアスケートのコーチを想像するといいでしょう。生徒の設定しているゴールに向かって一緒に試行錯誤しながら邁進する。そんな姿を想像する事ができるかと思います。

ここまででなんとなくイメージはできたのではないかと思います。
ティーチングとコーチングでは、ゴールを設定する人が違い、コミュニケーションの取り方も違う。という事が理解できたのではないでしょうか。

勘のいい人は次のメリットとデメリットについては想像がつくのではないかと思いますが、答え合わせの為にもそのまま読み進めてください!

◯ティーチングとコーチングのメリットとデメリット

この章のメリットとデメリットを把握しておくことで、これから生徒やこどもに教える時のミスマッチ(先生・コーチと生徒の認識の違い)を格段に減らす事ができるようになります。しっかりと理解しましょう。

ティーチングのメリット

・先生1人あたりの生徒数が無限である
学校の先生を想像してみてください。先生は黒板の前で多くの生徒に教える事ができます。校長先生は全校生徒の前で模範的生活について教える事ができます。セミナーや講演会などはもっと多くの人に教えを伝える事ができます。また本やこの記事に関しても同様に不特定多数の人に教えを届ける事ができます。

・規律やルールをはっきりと伝えられる
教えるという事の中には良い事も悪い事もあるかと思います。この悪い事、つまりはやってはいけない事を伝える際には生徒やこどもに口を挟ませるべきではないと考えます。人を傷つけてはいけない。物を盗んではいけない。などダメなものはダメだという事を一方的に伝える必要が時にはあります。

・教える時間をコントロールしやすい
生徒、こどもからの反応(レスポンス)を基本的には必要としない為、教えている側が時間配分を決めやすくテンポやリズムも作りやすい。
今流行りの動画スタイルの指導はこれが基本ですね。

ティーチングのデメリット

・生徒(こども)の理解度が低くなる教えを受けている側からすると、先生が言っている事は自分に対してダイレクトに伝えてきていると感じる事が難しく重要な事を聞き漏らしがちになる。つまり先生の発信に集中しづらい環境作りになりやすいという事でもあります。こどもの頃を思い出して朝礼や集会の際の校長先生の話を集中して理解しようと全力を尽くした記憶はあまりないのではないでしょうか。(私だけかもしれませんが。)

・先生の1人よがりな時間配分になりがち
時間やテンポ、リズムをコントロールできるという事は良くも悪くもその場を完全に支配するという事です。つまり生徒が知りたい事を教えるのではなく、先生が教えたい事を教える危険性が高くなる。ということに繋がりやすいのです。
今では少なくなったのではないかと思いますが、生徒の事を完全に無視して授業の内容を進めるおじさん先生みたいなことになってしまうかもしれません。

コーチングのメリット
・ティーチングよりも生徒(こども)の未来にコミットできる
生徒(こども)の望む未来により深く関わる事ができる。コーチと生徒は基本的にマンツーマンなので目的や目標の共有がしやすくその生徒(こども)に対して適切な指導を施す事ができる。

・生徒の理解度が高くなる
基本コーチと生徒がマンツーマンで行う為、コーチは生徒の理解度をその都度確認する事ができるので、生徒の理解度に合わせた進め方が可能になる。またコミュニケーションを多くとる事が重要な教え方なので生徒の信頼を得やすくなる。

コーチングのデメリット

・一度に教えられる人数に限りがある
ティーチングと違い、個々にゴールの設定をしなければならないので同時に複数の生徒に対する事が難しい。その為、優秀なコーチほどマンツーマンで時間を共にする事が多くなる。

・結果への責任が大きい
ティーチングと違い結果にコミットする必要がコーチングにおいて重要な要素になるので個々の目標に到達できない事はコーチとしての責任を果たせない事になってしまいます。

・時間配分が難しい(ゴールまでの期間)
生徒(こども)が目指すゴールを設定し、コーチはそのゴールまでの道筋を計画する事も重要になるが、進捗度によってやり方をその都度工夫する必要がある。その為、ゴールまでの時間配分を進みながら修正するスキルが求められます。

◯ティーチングとコーチングの使い分け

ここまででティーチングとコーチングの違いについて理解して頂けたでしょう。

自分がティーチャーであるのかコーチであるのか。と想像しながら読み進めてきたのではないでしょうか。もしかしたら今、教えるという立場において本書をお読み頂いている方には自分がどちらに属するのかを想像した方もいらっしゃるでしょう。

ビジネスとして考えるのであればティーチング形式は薄利多売が基本になりコーチングであれば客単価は最大で人数を絞る少数精鋭のような形式になっていくでしょう。

しかし教える期間が長期になる場合(例えば習い事や親という立場)、私が考えるにどちらの良いところも悪いところも理解して場面によって使い分ける。という考え方が1番良いのではないかと思っています。

「そんな事ができれば苦労はないよ」

と思われるかもしれませんね。

実際に完璧に融合させる事は難しいかもしれませんが、時間軸で考えてみると両方を意識して使う事が可能であると理解して頂けるでしょう。

実際に私の体験談を元に説明していきます。
私が現在インストラクターとして活動している中で1番長く関わった生徒で10年になる生徒がいます。小学生で教室に通い始めて今では就職に関わるような年代になってきました。

そこで生徒が子供から大人へと成長していく段階でティーチングとコーチングには切り替える時期があることに気がつきました。

幼少期〜小学生の高学年になる前くらいと小学校高学年〜青年期まででティーチングからコーチングを切り替えていく必要がある。と感じています。(多少の個人差はありますので、生徒(こども)を良く観察してください。)

なぜ小学校高学年で教え方を切り替えるべきなのかというと、この頃を境に思春期を経て考え方やモノの見方がガラリと変わるからです。

そのことに気がつかず、いつまでもティーチングばかりしていると反感を買い、本当に伝えたい大切なことすらも聞いてはくれないことになってしまいます。

逆に幼少の頃にコーチングから始めてしまうと自分の言ったことはなんでも実現すると、間違った価値観を与えてしまうことにもなりかねません。

だから思春期の前まではティーチングで規律やルールを守れるようにしっかりと指導し、思春期に入り自分なりの価値観でモノが考えられるようになってくる瞬間を見逃さず、一緒に並走してあげる為にコーチングをしていく事が大切なのです。

このタイミングの見極めを間違えると今後の関わり方に影響が出てくるので注意深く生徒(こども)を観察しましょう。

よくドラマや映画で愛想をつかれた父親が演出されたりしていますが、これもティーチングとコーチングのタイミングを間違えた結果だと言えます。

年齢の低いうちからこどもの言う事を聞いて実現してあげるから親は自分の要望を叶えるものと勘違いをする。(間違ったコーチングの使い方ですが。)

思春期に入り「〇〇をしなさい」「〇〇をしなければならない」などと言われては伝わるどころか、反抗したくなる原因にすらなります。

そして一度、タイミングを逃すと信頼を回復する為には相当な時間と労力が必要となります。

教える立場とは本当に頭を悩ませるものですね。

次にこれは家庭内に限った話になりますが、父親と母親でティーチングとコーチングを分けるという方法もあります。
役割をわける事でこどもにとってはアメとムチのように感じますが、教えるという観点に立って考えればアリな方法です。the昭和な家族構成ですね。

ビジネスシーンにおいても同じことが言えます。新入社員が入社し、どのように教えるべきかについては多くの人が悩まれているのではないでしょうか。どのように教えていくか。と考える事はどのくらいで新人が収益化できるのかという話と直結していきます。つまり一人前になるまでの時間が短ければ短いほど、会社にとっては有益だと言えます。

まず新入社員には最初の数ヶ月はティーチングの姿勢で教えていく事がベストです。なぜならば新人はビジネスについて考える前に何をすれば良いのかさえわからない状態です。また吸収するための心構えをしているのでこの時期はティーチングでどんどん知識を詰め込んであげましょう。
そして仕事を少しずつ任されるようになると自分なりの考えが浮かぶようになります。それを発信するような社員であれば問題ないのですが、大概が考えていても発信しないもしくは考えていることに気がついていない。という事が考えられます。そんな新人に教育者はコーチングをして考えを引き出し形にしてあげるように導いてあげる。そこに新人はやりがいや生きること目的を見つけていく。

これが新入社員へのベストな導き方だと考えています。

◯教える時の注意点

教える側に立つ時に最も注意しなければならない事は

“教える人間の日々の行いや言動など生き方が教えに映し出される。“

という事です。
「一生懸命、努力しなさい」と言っている本人が普段の生活で自堕落な生活をしている。
「靴を揃えなさい」と言っている先生の靴が揃っていない。

これは肝に銘じておくべきです。
確実に生徒(こども)に伝わってしまいます。

教える立場に立って生徒(こども)に伝わっていないな。と感じる時には生徒(こども)を指摘する前に自分の日々の生活や行いを見直す事が重要です。

“確実に生徒(こども)には見抜かれてしまいますよ。“

◯最後のまとめ

“教える側が考える最大のゴールはその生徒(こども)が自分の教えを必要としなくなること“これに尽きると思います。

いつまでも手がかかるような生徒やこどもに育てるという事は教える側に問題があります。
いつか自分の手を離れ力強く生きていけるようなたくましさを身につけさせる事。
さらには自分よりも優秀な人に導いてあげる事

これこそが指導者や先生、コーチ、親のゴールです。このゴールにたどり着く為には教える側がたくさんの努力をし、努力する姿を見せながら一緒に成長していく事が重要です。

教える側ほどより多くの事を勉強しなければなりませんね。
私もより一層、勉強し、努力を重ねていきます。

また、一つ前の記事で“褒め方“についても解説していますので合わせて読んで頂ければ理解がより深まりますので、ぜひ読んでみてください!

さあ、一緒に始めましょう!

〜最後まで読んでくださった皆様へ〜

こちらの記事を最後までご拝読頂き誠にありがとうございました。
僕の書く文章は妻やこども達に届く事を夢見て執筆させて頂いております。
僕から発信したことがまだ見ぬどなたかの役に立ち、そこから輪が広がり、最終的には私の家族の手元に届く事を夢見ております。今の段階ではまだ小さな一歩ではありますが、これから歩き続ける事でゴールに辿り着く日が必ず来る。と信じております。皆様のお力添えをどうか宜しくお願い致します。
またこちらの記事に関しまして、ご意見や改善点などありましたら勉強させて頂きたく存じますので、遠慮無くお願い致します。
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