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宗派に声は届くのか?〜数字から見る民意〜


これまでの経緯

当会ではこれまで数回のアンケート調査を行ってきました。昨年2月5日からインターネット上に「新しい領解文を考える会」のグループが開設されました。しかし、激しい憤りの声や、諌める方途の見つからない攻撃的な言動に運営能力の限界を感じ、やむを得なく6月に閉鎖しましたが、最終的な参加人数は1,821人でした。数回行ったアンケートは640人の回答者が得られる調査となりましたが、複数の宗会議員からは、「ネットの一部の声」と片付けられていました。他にも、クラウドファンディングには533人の方が支援してくださり、オンライン連続講座(計7回)ではアーカイブ視聴者を含めて各回300人以上、のべ2,100人以上の参加者がありました。

思えば、民意を中央に届けるという発想自体がこれまでにはあまりなかったのかもしれません。過去の様々な研修会や会議では、本山から出講してきた講師に意見を申し述べても、頭の片隅には「どうせ自分たちの声は届かない」と思い、宗派も既成事実づくりや、ガス抜きの場としてやっていると諸先輩たちから聞かされていました。2018年に制定された「私たちのちかい」が宗門校で唱和されることになった折にも今回のような息吹があったのですが、「門主にモノ申すと思われたら懲戒対象」と聞かされ、一部の宗会議員へ声を届けるまでで終わりました。その後、ネットを活用する年齢層の幅も広がり状況が変わりました。ほぼ全世代の人たちと情報を速やかに共有し、それなりに発信も出来る環境が整っています。

事態に変化が見られるようになったのは、宗派が主催する学習会でした。当会でも質疑応答をまとめており、その中で批判的な質問や意見が9割以上を占めています。最終的には質問数600件を超える見込みです。参加人数は50~180人ほどで、全教区合わせて推定2,480人(31教区✕80人)です。さらに、昨年2月から全国各地で自主的に開催された学習会は当会が把握しているだけでも87回あるので、推定4,350人(87講座✕50人)です。もちろん、無関心層が1番多いことは周知の事実でしょう。でも無関心層も様々で、始めから関心のない人もいれば、これまでの一連の流れを見て「何を言っても無駄」と失望して離れた人たちも多くいます。いずれにしても、無関心な方に寄せて唱和推進となるわけがなく、問題意識を持つ人たちがこれだけ多くある中で、宗会だけが、いまだ意見が半々だと言います。昨年の2割から考えればだいぶ変化したとも言えますが、あまりにも民意を汲み取れていない状況に愕然とします。

先月、中外日報が全国の組長を対象にアンケート調査を発表しました。本願寺派は全国31教区(+沖縄特区)、521組から組織化されています。組長は各地域の取りまとめ役でもあり、その半数が回答した結果は先の宗会議員の方々も無視できないでしょう。とてもバランスの取れたアンケートで、約8割の人たちが違和感を持ち、共感すると答えた人はわずか0.6%でした。これまで行ってきたアンケートとも合致する内容です。

各活動の参加者数を整理しますと、

・Facebookグループ 1,821人
・Facebookページ 948人
・ネットアンケート のべ1,067人
・クラウドファンディング 533人
・オンライン講座 のべ2,100人(300人✕7回)
・自主的な学習会 推定4,350人(50人✕87回)
・宗派主催の学習会 推定2,480人(80人✕31回)
・組長アンケート 260人
・署名活動 8,000人以上(2/16現在)

合計のべ人数 21,000人以上です。

宗会議員の方々へ

宗会議員の皆さまは「教区の僧侶・門信徒の声を中央に届けてくださる」という大切な役目を担っておられます。宗門内の多くの声は推進の方法を変えただけで解決する問題ではないというものです。宗門の英知を結集せず、勧学寮のチェックを必要としないご親教をご消息にスライドさせた制定方法にはじまり、申達した前総長の書籍に酷似した本文自体を問題とし、さらには発布直後から宗会を通さずに宗門校などで唱和推進をスタートしていたことなどに多くの人たちが強い不信感を持っています。

この度の定期宗会において、議員の皆さまお一人おひとりの動向に注目が集まっております。私たちの代表者として、今年度の総括ならびに次年度の方向をご法義大事という一点を据わりとしてご審議と決議をしてくださいますよう、よろしくお願い申しあげます。

改めて、これまでのアンケートをまとめました。本願寺派の民意はここにあります。どうぞご覧ください。

全国組長アンケート(中外日報)

調査対象:浄土真宗本願寺派の全教区・沖縄特区の組長521人
調査時期:2023年7~12月
調査方法:郵送と電話調査
回収率:50%
主催:中外日報

組内の寺院で従来の領解文を唱和する習慣はあるか
ある 33.5%
ない 42.3%
どちらともいえない 24.2%

新しい領解文に対する組内の反応は?
共感できる 0.4%
違和感がある 77.2%
どちらともいえない 16%
関心がない 6.4%

組で新しい領解文を唱和するか
する 0.8%
しない 68.2%
決めていない 31%

総局が進める新しい領解文の推進策への組内の反応は
進めるべき 2.5%
見直すべき 74.5%
反応がない 23%

どのような審議を経て同意に至ったのか、勧学寮に記事録や関係資料の公開、説明を求めるか
求める 79.3%
求めない 20.7%


インターネットアンケート

募集期間:2023年3月22日~26日までの5日間(第1期)
回答数:640人
回収方法:Googleフォーム
掲載場所:新しい領解文を考える会グループとページ(Facebook)
主催:「新しい領解文を考える会」運営チーム

新しい領解文が制定されたことについて
違和感がある 92.3%(590人)
どちらでもない 6.4%(41人)
好感がもてる 1.3%(9人)

新しい領解文を唱和する行事に参加した時にどうしますか?
黙っている 47%(301人)
お念仏や従来の領解文を出言する 18%(115人)
唱和する 8.2%(52人)
どうするか迷っている 7.5%(48人)
黙読する 7.3%(47人)
参加しない 5.3%(34人)
退席する 4.1%(26人)

今後どのように向き合いますか?
・従来の領解文と新しい領解文について学ぶ(260人)
・問題点があることを僧侶や門信徒へ伝える(248人)
・寺院、組、教区、各種団体、宗会議員などに唱和を強制しないようにはたらきかける(198人)
・なるべく関わらず触れない(183人)
・本山、宗派、勧学寮に唱和を強制しないようにはたらきかける(144人)
・本願寺や別院等で唱和する(24人)
・門徒さんと相談する(23人)
・習慣的に唱和する(14人)
・お寺の行事で新しい領解文を取り入れる(8人)


Facebookアンケート①

調査日時 2023年2月7日
参加人数 133人
調査方法 Facebookページアンケート
調査対象 Facebookプループ「新しい領解文を考える会」参加者
主催:「新しい領解文を考える会」運営チーム

Facebookアンケート②

調査期間 2023年2月10日~16日
参加人数 112人
調査方法 Googleフォーム
調査対象 Facebookプループ「新しい領解文を考える会」参加者
主催:「新しい領解文を考える会」運営チーム

新しい領解文が制定されたことについて
違和感がある 87.5%(98人)
好感がもてる 2.3%(3人)

[違和感がある人]どの部分に対して?
内容に関して 66.7%(67人)
制定された経緯 17.8%(18人)
唱和すること 8.9%(9人)

[好感がある]どの部分に対して?
内容に関して 40%(2人)
現代語になったこと 40%(2人)
わかりやすさ20%(1人)

Facebookアンケート③

調査日時 2023年3月6日
参加人数 182人
調査方法 Facebookページアンケート
調査対象 Facebookプループ「新しい領解文を考える会」参加者
主催:「新しい領解文を考える会」運営チーム



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