新しい領解文を考えてみよう

2023年に浄土真宗本願寺派のご門主より発布された「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」…

新しい領解文を考えてみよう

2023年に浄土真宗本願寺派のご門主より発布された「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」について、その情報をまとめるサイトです。「新しい領解文を考える会」の運営チームが担当しています。 ✉ thinkout.ryouge@gmail.com

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オンライン連続講座の動画公開

昨年7月から10月に新領解文の問題と合わせて従来の「領解文」を学ぶオンライン連続講座を開催しました。「領解文とは何か?」から始まり、安心(あんじん)、報謝(ほうしゃ)、師徳(しとく)、法度(はっと)の4段に別けられる領解文の内容を各講師に担当していただき、浄土真宗の教えを基礎から学ぶ講座です。 このたび、その講座の動画を以下の予定で一般公開することになりました。8/19より毎週月曜日午後7時です。まずはYOUTUBEチャンネルへのご登録をよろしくお願いいたします。また、今回

    • 「新しい領解文」の現在

      2023年に発布されたご消息「新しい領解文」は、全寺院100%の推進を掲げていましたが、この1年の騒動を受けて、総局は2024年の基本方針から100%唱和を撤回しました。それによって、この問題が終わったとみる人たちがいます。当会へも、「100%唱和推進が取り下げられたのに、どうしてまだ批判してるの?」という声が入ってきます。そこで、改めて「新しい領解文」の現在と、この問題の根深さを共有します。こちらで把握している限りになりますので、他に詳しくご存じの方や体験談がありましたら情

      • 混乱の原因

        総局をはじめ、「八五倶楽部」と「誓真会」の方々に、一部事実誤認しているという情報が入ってきます。 いわく、現在の混乱の原因は、「勧学・司教有志の会」が声明を出したことによって各地に広がっていったという認識です。情報提供をいただいた組報で某議員はこのように記されていました。 有志の会が扇動したごとくの表現になっていますが、実際はどうであったのか改めて発布当時の出来事を時系列で確認します。 1/16 ご消息発布 1/17 [宗派]宗務所の朝礼で唱和がスタート 1/23 [宗

        • 総局は唱和しているのか

          各教区の学習会において様々な質問が飛び交った中、推進している総局自体は、自分のお寺で唱和を実践されているのかを問われる質問がいくつもありました。先頭にたって推進していく立場の人の行動は、勧められる側にとっても本気度をはかる目安となるため注目されました。 結論から言うと、学習会に参加した総局側5名のうち、自坊で唱和しているのは荻野昭裕議員(和歌山教区)ひとりでした。2023年8月30日北豊教区のおりに、「晨朝で唱和している」と答えられ、12月12日石川教区においても、唱和して

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        • 新しい領解文を考える会
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        • 勧学寮
          9本

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          宗会傍聴のすすめ-3時間20分の審議中断が示唆するもの-

          実際に宗会の本議会を傍聴した経験のある方はあまり多くないのではないかと思います。しかし考えて見ると本願寺派の最高議決機関である宗会は、現在の宗派の方向性や実情を如実に反映しているはずで、宗会を知らずして宗派を語ることはできないでしょう。当会では、令和6年春の定期宗会を手分けして傍聴しました。その記録の中から、今回の宗会の印象的な部分をみなさんに読んでいただこうと思います。なお、宗会の傍聴席では録音は禁止されていますので、元になったのは傍聴者のノートだけです。発言の詳細や発言者

          宗会傍聴のすすめ-3時間20分の審議中断が示唆するもの-

          【重要】宗門を正常化する推進協議会より

          これまでお聴聞してきた親鸞聖人のみ教えとは違うのでは? 新しい「領解文」(浄土真宗のみ教え)の根本問題  総局の申達によって令和5年1月16日に発布されたご消息の文章には、「領解文」という名称が用いられています。「領解」とは信心のありようであり、領解の本質的な異なりは、信心の異なりにほかなりません。しかし申達されたものは宗祖親鸞聖人と同じ「領解」ではありません。『歎異抄』後序に、 という法然聖人(源空聖人)のお言葉が伝わっておりますように、もし信心が異なるならば、私と私

          【重要】宗門を正常化する推進協議会より

          ご消息発布時の宗会だより

          第6号宗会だより(2023年3月発行)によると、ご消息発布の年に「新しい領解文」に関する通告質問をしたのは7名でした。翌2024年の宗会ではそれに関する質問は13名です。今年の宗会だよりはこちらをご覧ください。 本来、「宗会会議規則」の第79条の3「議事録は、印刷して、議員及び関係者に配布し、一般に公開する。」とあるとおり、議事録を公開・共有されていれば宗会の様子は伺えるのですが、いまだ2023年の宗会議事録は各別院等に届いておらず、それどころか、某別院に問い合わせたところ

          ご消息発布時の宗会だより

          「新しい領解文」に対する宗会議員の反応

          今年、任期満了に伴い年内に宗会議員選挙が行われます。改めて、本願寺派の宗務を担う宗会議員の「新しい領解文」に対する反応を振り返ります。 唱和推進の慎重性を求める請願書「新しい領解文」に対する各議員の対応の有り様が見られるようになったのは、2023年3月において「唱和推進の慎重性を求める請願書」を採択するか否かの採決がなされた時です。この時、請願書に賛成したのは、僧侶議員14名、門徒議員3名の計17名。反対は僧侶議員30名、門徒議員27名の計57名。圧倒的多数で請願書は否決さ

          「新しい領解文」に対する宗会議員の反応

          御消息「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」発布についての疑義

          下川弘暎(宗会議員) 今年は浄土真宗立教開宗800年の御正当にあたります。昨年厳修された立教開宗800年法要における「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」の唱和は、立教開宗の法要を変質させた御開山様に申し訳のない許されざることでした。宗政に関わる一人として、その責任の重大さを思い、宗門正常化に向けた取り組みを急ぎ、もって師主知識のご恩に報いなければならないと思います。そのような思いから「新しい領解文」問題の経緯をたどり問題点を連続投稿し宗門正常化の一助になればと願うものです。

          御消息「新しい領解文(浄土真宗のみ教え)」発布についての疑義

          学習会の動画公開にあたって

          「新しい領解文」の問題に関して、「まだやってるのか」「いつまで続くの?」「もっと大事なことがあるだろ」等の声を聞きます。本願寺派では今年度から宗務の基本方針に「新しい領解文」の全寺院100%唱和を取下げ、現場の判断になったため、各寺院においては自分が所属するお寺には直接影響がないからと、問題に対する関心が低下傾向にあります。 しかし、得度をはじめ、宗務所、宗門校、宗派の出版物、宗派主催の行事などでは昨年同様に「新しい領解文」を進め、内部の方向性に変わりはありません。「ご縁の

          学習会の動画公開にあたって

          国府教区学習会、質疑応答

          昨年度3月11日に開催を予定していた国府教区は、急遽延期となっていましたが、7月10日に開催されました。 「ありがとう」 という言葉のイメージ Q 「おかげさま」「ありがとう」という言葉。立ち上がろうという気持ちを抑えられているように感じる。社会、世の中に立ち向かおうとする気持ちに対して「まあまあ」と言われているような思いがある。そこから先に進まないというイメージ。 Q 門主制度と住職の世襲制に何か問題があるように思う。 ご消息を依用しない事はできるのか Q なぜわ

          国府教区学習会、質疑応答

          宗門最高の講会「安居」のゆくえ

          以前の記事にも触れたとおり、浄土真宗本願寺派では、真宗学・仏教学に通じた者に与えられる学階が5段階あり、最高位の勧学(かんがく)と司教(しきょう)が宗門最高の講会「安居(あんご)」において講義を担当します。学階について詳しくはこちらをご覧ください。 その学階と「安居(あんご)」が今、揺れています。通常、安居の最終日に次年度の予定(本講師、副講者、典議、会読論題)が発表されますが、昨年(2023年)は詳細が発表されないままに終了しました。「新しい領解文」を発端にして次年度の予

          宗門最高の講会「安居」のゆくえ

          組織内の見えない悲痛

          当会には、本願寺につとめる職員(宗務員)や宗門校の関係者などから時折り匿名のメールが届きます。中でも、宗務員からは職場の環境悪化に対する嘆きの声が絶えず、様々な問題のしわ寄せに苦しんでいる様子が伺えます。 昨年度の宗会では、松野尾議員がこのような通告質問をされています。 宗務所の労働環境悪化について/松野尾慈音議員 令和2年度から持続可能な組織として、5年間で90人の宗務所員削減は順調ですが、令和4年8月労働基準監督署の査察で、残業手当未払いの指摘があり、3千万円余の人

          冊子の言及(宮崎教区学習会③)

          Q 私は桂紹隆先生に中論を習っていた。冊子では不思議という言葉を説明したい為に、空の思想を使ったのかなと思った。「義なきを義とす」という言葉があるように、「不可思議」だったら「不可思議」のままで良いと思う。それをわざわざ空の思想を使って、何を急に説明しようと思っているのかと思っていた。それと、桂先生を出されて中論の話が急に出てきたのでびっくりした。はたして一般の方がわかるのかと。満井和上は、「空」もしくは「中観」について、全くわかっていらっしゃらないのではないかと思う。「空」

          冊子の言及(宮崎教区学習会③)

          冊子は誰が書いたのか(宮崎教区学習会②)

          領解出言(りょうげしゅつごん) Q 昨年の6月、うちの坊守が得度習礼を受けた。行くにあたって領解文の問題が取りざたされていたので、僧侶養成部に「新しい領解文」の出言はあるのかと尋ねたら、「出言はありません。唱和です」という回答だった。ところが習礼に行ってみると「領解出言」と指導されたそうだ。それが今も続いている。教師教修も同じ。どうも内局の執行長の先導でされているのではないかとちらほら聞いている。領解文というのは、自分の信心の受け取りを口に出して領解する事。私は、「新しい領

          冊子は誰が書いたのか(宮崎教区学習会②)

          冊子の責任(宮崎教区学習会①)

          昨年度開催が未定となっていた宮崎教区の学習会は、6月11日に開催されました。質疑応答を数回に別けて掲載します。 約仏と約生の誤用Q 寺本副所長の説明は、説明になっていないように思う。今までは満井和上がしていたのに宮崎教区ではそうでない。宮崎教区をなめているのか。 Q 約仏の視点という言葉と、仏の視点という言葉の違いを教えていただきたい。 Q 同じでよいのか? Q 「約仏の視点」という言葉自体が本来は間違えている。約仏というのは同一に成立していることがらについて、仏の側

          冊子の責任(宮崎教区学習会①)