コラム) 最近の企業の賃上げ動向を見て、思うこと、考えること

今回の記事は、ちょっと趣向を変えて、コラム的に思っていることを書いていこうかなと思います。
今までと何か大きく変わるわけではありませんが、「こうなる!」、「こうしたほうがいい!」ということではないので、書く側としては少しラフな気分です。

どんどんと賃上げする企業が増えていますね

さて、賃上げ報道がまだまだ止まりません。
最近だと、小田急電鉄が10%~13%程度、賃金を引き上げるとの報道がありました。

ユニクロなどを展開するファーストリテイリングから始まった、今回の大幅賃上げの流れ。最初は懐疑的な声もありましたが、結果的には一大潮流になりました。
採用の現場にいるとわかるのですが、それだけ人の確保が難しくなっているということでもあります。

賃上げは、どこまで広がり、どこまで上がるか

個人的には、思ったより広がってないですが、思ったより上がり始めてる感覚です。

日本企業を分類すると、以下のようになります。
①賃上げを行う余裕があり、拡大意識のある企業
②賃上げをする余裕があるが、現状維持でもいいかなと考えてる企業
③賃上げをすると、何らかのリスクが発生する企業
④賃上げをする余裕のない企業(万年赤字の企業など)

ちなみに、日本の多くの企業は②か③です。
③は、賃上げするためには、人の整理や、優秀な人にだけ賃上げする、役員報酬を下げるなどが必要になる会社です。

個人的には、多くの企業は様子見がてら、2万くらい引き上げて、それが右倣えで全体に広がって、あとは2~3年おきくらいで、ちょこちょこと引きあがっていくかなぁと思っていました。

現状は、思ったより右倣えではないですが、反面、10%程度の大幅引き上げを行うところが思ったより出てきているなという印象です。

つまり、「みんな上げてるし、横並びにある程度上げるか」、というよりも「せっかくの機会だから、ここで他社出し抜いて人材一気に確保するか」という感じになってきたなと思います。

経営者は本気になれるか

大手企業を中心に本気になってきたわけですね。言ってしまえば、他の会社を潰してでも人を確保する、と本腰になったわけです。

逆に、日本の多くの労働者が働く、中小企業の経営者は本気になれるかが気になるところです。
こうなってくると、取る道は限られてきます。
結論的には、最終的に大手の傘下に下るか、中小企業同士で経営統合、資本提携、開発協力などを行い、大手に立ち向かうかの2択です。

ただ、どちらにしても日本の中小企業の経営者がこれまで固執してきた経営権を手放さないといけません。

しかし、これはなかなか難しいですね。
自分の子供に会社を譲りたい経営者。
親族経営をしており、意思統一できない経営層。

欧米社会、学者や有識者からいつも指摘されてきた、日本の中小企業の経営者の公私混同、世襲批判。ついに、この部分に手を付ける必要性が出てきました。

個人的には、なかなか決断できず、どうにもならないところまで追い込まれて、雪崩のように動きが広がっていくとは思っています。

労働者は本気になれるか

経営者から覚悟を決められないとすると、カギを握るのは労働者です。

これまた欧米の経済学者がいつも指摘しますが、労働者がより良い条件のところへどんどん転職すれば、労働条件も改善され、日本経済、社会も上向くと指摘しています。

個人的には同意なのですが、変化を嫌う人が多い日本でどれだけ転職が広がるかなぁと思うところです。
転職に抵抗のない世代が増えるのを待つしかないかなと思うので、あと5年くらいすると、いよいよ労働者の流動性が高まるかなと思っています。

もしくは、今後の物価高を受けて、賃金のいいところに転職せざるを得なくなって活発化することもあると思います。

労働者を舐めてきた日本企業

これだけの企業が賃上げを行い、一気に10%も引き上げる企業もある。
裏を返せば、これまでの間に賃金を少しずつあげることもできたということです。言ってしまえば、労働者は舐められてきたわけです。賃金上げなくても、辞めないだろう、と。

そして、まだ賃金を上げてない企業は、いまも舐め続けているわけです。
個人的には、もう少し労働者は怒ってもいいと思いますし、企業に雇ってもらう感覚から、働いてやっている感覚、企業を乗り捨てる意識を持ってもいいと思うのですよね。

これから、労働者がどこまで本気になれるか。海外を意識し、外資系企業と日系企業を天秤にかけたり、自発的にスキルアップできるか。

どのみち、労働者が不足していく中で、賃金アップ、労働待遇の改善はこれからも止まりませんから、その流れを労働者自身で、より強く、速くしていけるといいなと思っています。

以上、とりとめのない記事ですが、ここで締めくくりたいと思います。
また次の記事も宜しくお願い致します。

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