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読書感想文 『エヴァーグリーン・ゲーム』

【エヴァーグリーン・ゲーム】


・ポプラ社小説新人賞受賞作



正直に言って、本屋でサイン本あったから興味本位で手に取った、全く知識の無いチェスの物語で、こんなにも感動するとは完全に想定外だった。



チェスの魅力に取り憑かれた4人の若者たちが、人生を賭けてチェスに臨む姿勢は、何かに「取り憑かれるほど」を知ってる者には共感を呼び、「取り憑かれるほど」のものを体験したことない者には眩しく映るだろう。


序盤に「チェスってザンコクなゲームだと思わない?」との発言がある。これは将棋だと取られた駒を取り返したり、取った駒を使えるのに、ということからの発言なのだが、主人公たちのチェスに臨む姿勢は正に人生のザンコクさから必死に生きる様と重なる。


主人公たちがチェスと出会い、逆境から生きる目的を見出して、各章毎に成長していく姿は逞しい。きっと読者はそれぞれの主人公たちを応援したくなるし、気づけばチェスの奥深さや知識を自然と楽しめる。


「エヴァーグリーン」の意味については本文中に出てくるのでネタバレはしないでおくけれど、自分がこれだと思うものに心血を注ぎ、全力な主人公たちの熱量とこの物語は間違いなく「エヴァーグリーン」そのもの。



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