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和音の配置における制約② 一歩進んだ和声学 Part 4

今回は同時ー継時関係における禁則を見ていきましょう。色々な制約がかけられているので、和声を学ぶについて一つの山場となっています。
前回の記事と合わせてご覧ください。

1 連続1度、連続8度

2声部の同時進行において、先行音程と後続音程とが
共に完全8度(どちらか、または両方が複音程の場合も含む)の時を連続8度
共に完全1度(どちらかが完全8度の場合を含む)の時を連続1度

といいます。

連続8度
連続1度

連続8度、連続1度は禁じられます
例えば4声体になった時に、このような進行をしてしまってはNGとなります。

ソプラノとバスが連続8度を形成してしまっているので、これはダメな例です。

2 連続5度

2声部の同時進行において、先行音程と後続音程とが
共に完全5度(どちらか、または両方が複音程の場合も含む)の時を連続5度

といいます。

連続5度

連続5度は後続音程が完全5度(複音程を含む)の場合に禁ぜられます

先ほど挙げた例はソプラノとバスが連続8度を形成し、かつテノールとバスが連続5度を形成しているという和声的にはとてもよくない進行をしていました。

例えばこのような進行は許されます。

こちらは後続音程が減5度なのでこれは許されます。

3 並達1、5、8度

2声部が並行し、後続音程だけが
・完全8度を形成することを並達8度
・完全5度を形成することを並達5度
・完全1度を形成することを並達1度

といいます。

並達8度
並達5度
並達1度

並達8、5度は複音程の場合も含まれます。
並達~度は、隠伏~度直行~度と呼ばれることもあります。ここでは並達~度で統一したいと思います。

外声間、すなわちソプラノとバスに生ずる並達8度、並達5度は
ソプラノが順次進行する場合は許されます。

つまり、跳躍進行する場合は禁じられます。

どちらか一方が内声、または両声部が内声である場合は並達8度、並達5度は許されます。

並達1度は和音がV→Iの進行、つまりドミナントモーション(ドミナント和音からトニック和音への進行)において、テノールが短2度上行し、バスが完全4度上行した場合のみ許されます。

並達1度はこのような進行でしか許されていないので、基本的には避けた方が無難だと思います。

4 まとめ

これらの制約をもって和音を並べていくわけですが、意外と意識していても知らずにこれらの禁則を破ってしまっている場合が結構あります。ここを乗り切ることが和声の学習において1つの山場となりますので、根気強く学びましょう。

よければ他の記事もご覧ください。

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