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【「呪術廻戦」考察】棘の左腕は封印されている?渋谷事変での夏油の動きから見える、「宿儺の術式内容」と「家入の不在」の可能性

どうも、SaRです。

先日のジャンプで「呪術廻戦」新章がギア全開のスタートをしました!前回乙骨について考察を書きましたが、今回は渋谷事変終盤での夏油、そして家入の動きについて考察していきます

もちろん0巻や最新14巻以降、第137話までの本誌ネタバレがありますので、単行本派やアニメ派の方はご注意を。

棘の腕は封印されている?渋谷事変終盤の夏油の動きを整理すると見えるいくつかの可能性

作中での日本の様子についての詳細は後ほど整理しつつ展開予想をしますが、第137話で渋谷だけでなく日本が壊滅状態になっていることや、虎杖・五条・夜蛾への死刑宣告など、高専周りもとんでもないことになっています。

そこで乙骨が「虎杖が棘の腕を落とした」と語っています。これは第119話での、宿儺の領域展開によるものを差していると思われます。避難した女性二人が棘のことを話している時に、伏魔御厨子が発動。「解」と「捌」によって、渋谷中心部が一部更地と化しました。

宿儺によって棘の左腕が落とされたにしても、通常であれば家入か乙骨の反転術式で治すことが可能です。ではなぜ治さないのか。3つの可能性が考えられます。

(1)宿儺の「捌」の術式効果によって治せない場合
(2)乙骨では治せず、家入が夏油によって拉致ないし瀕死の重傷を負わされた、もしくは殺された場合
(3)家入が夏油側に寝返った、もしくは以前から内通者だった場合

(1)宿儺の「捌」の術式効果によって治せない場合

まず(1)は、「捌」が、真人の術式で言うところの「魂の形」に干渉する場合のことです。以前「渋谷事変」のnoteでも触れましたが、今まで無為転変の被害者たち=改造人間たちが手遅れだったのと同様、魂の形が変えられてしまった場合、反転術式でも治せません。つまり、「捌」が対象の魂の形ごと切ってしまう呪術の場合、家入でも治せないということです。

(2)乙骨では治せず、家入が夏油によって拉致ないし瀕死の重傷を負わされた、もしくは殺された場合

第137話での棘を見ると、腕を落とされたところに巻かれた布は、包帯というより何らかの術式が付与された呪布のように見えます。第1話で虎杖が飲み込んだ宿儺の指を封印していた布にも酷似しています。つまり家入が重傷を負っている場合、家入が回復するまで、京都校1年の新と同様の術式で棘の傷の悪化を止める、ないし局所的な時間停止のような術式で封印しているのかもしれません。


では乙骨が治せば良いのではとなりますが、繰り返しますが、反転術式は万能ではありません。

壊相&血塗戦後、野薔薇は跡が残る可能性があると言っています。野過去編で五条がパパ黒に刺された額の傷跡は残っていました。恐らく「魂の形」に合わせて形を元に戻すという方法に近く、完治とは異なります。

幸吉(メカ丸)は生まれついての魂の形から四肢の一部がなかったため、反転術式でも治せず、無為転変でしか治せなかった。

恐らくですが、身体の一部を切り落とされたとして、傷口が塞がってしまったら、魂の形もその形になってしまうのではないでしょうか。つまり、腕を落とされても、早い内に治さなければ「腕がない状態」に魂の形が変わってしまう。だから、海外に居た乙骨でも治すのに間に合わなかった、ないし治すまで時間停止させていたのではないでしょうか。


(2)の可能性について、もう少し掘り下げていきます。まず本編と、本誌2020年50号掲載の「呪術高専だより」を元に、事変終盤での夏油の動きを整理してみましょう。

(A)22:10頃@東京メトロ 明治神宮前-渋谷間(線路上)…夏油は呪詛師たちを倒した冥冥さん&憂憂の元に向かい、呪霊操術によって特級特定疾病呪霊・疱瘡婆を呼び出し、その場を去る。

(B)22:10過ぎ〜22:36頃@メトロ 神宮前-渋谷間…疱瘡婆は倒されるも、冥冥さんの「殺されそうになった」という発言から、夏油は彼女たちを退けた様子。

(C)22:36(現地時間)@クアラルンプール…冥冥は憂憂の術式でKLに飛美、部屋でゆったり。クアラルンプールとの時差は1時間で、日本時間は21:36のはずなので、憂憂の術式が日本を起点にして同じ時間の他の国に飛べるというものでない限り、タイムリープしていることになります。日付を同日に見せかけたミスリードかもしれませんね。一旦ここでは憂憂の術式は前者と仮定し、冥冥さんたちは(B)の直後にKLに瞬間移動したものと考えます。

(D)23:36@渋谷警察署宇田川交番前…虎杖vs真人の決着直前に夏油登場。虎杖、脹相、九十九らと交戦し、裏梅とも合流した後、渋谷事変が終結します。

冥冥さんとの戦闘が(C)のギリギリまで行われていたとしても、(D)までの間に1時間ほどの空白があります。歩きでも明治神宮前から宇田川交番前まで15分ほどの距離。

この空白の時間、夏油は何をしていたのかということです。

第113話、夜蛾が家入に「ここがバレれば敵は真っ先にオマエを殺りに来る」と言っている通り、自分自身はともかく反転術式で他者を治せる術師は本当に少なく、反転術式使いを押さえられるかどうかは勝敗を左右するほど重要です。

小説版「夜明けのいばら道」内の「幽往舞進」でも言及されていますが、京都での反転術式使いが手一杯の場合、負傷者を家入に治療してもらうため、東京に搬送されることもあるほどです。五条ですら自分にしか反転術式は使えず、登場キャラの中でも家入のように他者の傷の治療に関する術式が使えるのはまだ新(と宿儺)くらいで、しかも彼の術式でも傷の悪化を止めることまでで、治すには至りません。

そこまで重要な術師を、夏油(加茂)が何もせず放っておくとは到底思えないため、この家入と夜蛾を先程の時間軸に(C)'として入れます。

(C)’ 22:51@首都高速3号渋谷線渋谷料金所…家入&夜蛾、治療のための待機及び潜伏

検索しても住所は出ないですが、渋谷料金所はGoogle Mapだとここです。

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「呪術高専だより」によると、(B)での夏油vs冥冥さん&憂憂の戦闘はメトロ線路内でもかなり渋谷寄り。通常Google Mapの経路では出ない線路内移動かつ、正確な戦闘場所が出ていないため、仮に夏油が(C)の戦闘が落ち着いた後に神宮前駅スタートして渋谷駅に向かい、その後(C)'の渋谷料金所に向かったと想定しても、移動時間は歩きで27分。

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実際は線路内を移動しているため若干の誤差はあるでしょうが、夏油はまず間違いなく高速移動用の呪霊も持っているでしょうし、(B)はもっと渋谷寄りなので、かかったとしても渋谷料金所への移動時間は最大25分程度が妥当と思われます。

つまり、夏油は遅くとも23:00頃までには家入と夜蛾の居る場所にたどり着くことが出来ます。

渋谷料金所から(D)の宇田川交番前までの移動時間は8分。23:28までに事を済ませれば充分間に合います。渋谷料金所で夜蛾を退け、家入を再起不能にする時間が25分以上時間あるということです。

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(3)家入が夏油側に寝返った、もしくは以前から内通者だった場合

一番悲しいですが、この可能性もあると思います。

第79話での、呪詛師サイドと通じている内通者を調べた歌姫の情報はこちら。

・内通者は2人以上
・1人は学長以上の上層部
・もう1人はその上層部に情報を流している(=幸吉)

内通者は2人「以上」。つまりこの2人以外にも歌姫が炙り出せなかった人物が居る可能性がまだ残っています。5巻でも家入と歌姫が仲良しということは描かれており、歌姫が切り捨てる予定だった内通者(=幸吉)に辿り着くよう、家入が巧みに誘導したという可能性もあるでしょう。

第63話で五条も、「歌姫の周りは何が聞いてるか分からないからな」と考えているため、メカ丸や基本的に金が優先の冥冥さんを経由して調査の存在を知った上層部が、家入から目を逸らさせたなどの可能性もあります。

また、夏油の身体は、百鬼夜行時点で里香によって右腕がふっ飛んでいますが、加茂が身体を乗っ取り、漏瑚らと会う時には既に治っています。しかし、反転術式にはセンスが必要で、五条は家入を「周りで唯一できる奴」と言っていることから、夏油が隠していない限り、少なくとも夏油は高専2年生の天内をめぐる事件時点までは反転術式を使えません

仮に夏油の身体では反転術式を使えなくとも、加茂ほど周到に準備をしているのであれば、自分の身体を治せる呪霊を取り込む、もしくは反転術式使いを仲間にしていると思います。その一人が家入という可能性もあるでしょう。(ファンブック発売後追記:反転術式も使えるようですね)。

もし家入が裏切っているとしたら、どんな動機があったのかが気になりますね…。

また、裏梅は自分の身体を反転術式で治しており、術式の練度から見てもかなりのやり手。他者の身体も治せるかもしれません。その場合は、家入は拉致されたということになるでしょう。今後渋谷事変でまた広がった謎や伏線の答えがどのように描かれていくのか楽しみです。


終わりに

若干話は逸れますが、担当編集の片山さん曰く、芥見先生の創作の初期衝動は「BLEACH」とのことが以前「夜明けのいばら道」発売時のインタビューでも語られていました

渋谷事変ラストでの夏油は、主人公や仲間たちを圧倒し、刀を素手で止め、重要人物を攫う。その上闇の中に消えていく(私が天に立つ)という、藍染を彷彿とさせる去り方をしていきましたね。本当に、芥見先生のインプットしてきた作品の昇華の仕方というか、王道やお約束は押さえつつも、オリジナリティの揺るがない作品の描き方にはシビれます…!

今週は芥見先生が体調を崩されたため休載とのことで、一刻も早く快復されることを祈っております。

さて、今回は思っていた以上に棘や夏油の話のボリュームが出たため、予告していたのと別の内容をアップしてしまいました…。次回はあまり間を開けず、虎杖の今後など含め展開予想を書きたいと思います。最後まで読んで頂いてありがとうございました!





補足

※2021/02/08 本誌での「呪術高専だより」を見落としていました!最初の投稿時には渋谷料金所の位置が間違っていたため、位置関係及び移動時間を修正しました。

引用元

・「呪術廻戦」0〜14巻

「呪術廻戦」公式Twitter












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