悲しみの連鎖が変な方に往くよ
交差点で無上の悲しみに襲われる。雫が垂直に滴れて地面に黒い染みを創る。周りに気付かれまいと左瞼だけそっと指先で押さえる。でも右目から倍の涙が溢れてくる。前髪を整えるふりをして右手で押さえる。鼻の両の穴から止めどもない流れが顎までつたう。まるで花粉症だ、いっそ顔の上半分を両手のひらで押さえる。すると額の奥にある知らない袋・・・ピンク色の・・・に出口を失った水の全てが集まってきて、一斉に喉の奥に繋がる管をこじ開けると、私が考える間もなく上唇を押上げ下唇をへし曲げ前歯を薙ぎ倒し、大