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ネクロマンサー


疲れて倒れこんだまま転た寝をしてしまった。

・・・右手に泥塗れの洒落首、左手に電極を持っている。電極はパソコンの裏の大きなプラグにつながっている。古風なフォルムのブラウン管を見つめていると、ざらざらした人の顔のようなものが浮かんでくる。

顎のないしゃれこうべから引き出された遠い記憶が画面の上で形をなそうとしているのだ。

私は審神者らしい。

画面から痩せた男がしきりに何かを訴えている。

骸骨の枯れた脳の破片から少しずつ染み出して、記憶が頭蓋に流れ込んでくる。

いつのまにか私はジャングルにいて、泥だらけで、ひたすら腹を空かせて歩いている。左足に感覚がなく右足には深い傷があり、何度も泥に足をとられ転ぶ。それでも逃げなければならない。

目の前に硝子の窓がある。

髑髏を抱いた見知らぬ男が、痩せこけた頬をゆるませながらゆっくり電極を置くのが見える。

硝子窓が消えた。

しまった、「とりかえっ子」だ、はめられた!

背後に人の気配がして、私はいよいよ観念した。


そこで目がさめた。

2007

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