見出し画像

それでも人は学べるし、成長できる

ドラマ『アンメット~ある脳外科医の日記~』

先日最終回が放送されたこのドラマを見られた方も多いのではないだろうか。

私はリアルタイムで追えてなかったが、昨日Netflixで見始めた。
見始めたら止まらなくなった。一瞬で惹きこまれた。
涙も止まらなかった。毎話毎話涙が出てきた(出すぎ(笑))。

1日で全話を徹夜してみちゃいました(笑)

言語化をせずいうなら、「めちゃくちゃよかった」

なんだろう、自分が今障害福祉という仕事をしているから、何ならつい最近まで脳卒中等になられた方と携わる機会が多かったからこそ考えられる部分がすごく多かった気がする。

きっと子供の頃に見ていたら「めちゃくちゃよかった」という感想は同じでもドラマから受け取ることができたメッセージは今より少なかったと思う。今の自分で出会えてよかった。

ドラマについて話し出すと止まらなくなっちゃうのでストップして。

ドラマのクランクアップ時の、主演の杉咲花さんのコメントが目に留まって、それを読んでグッとくるものがあったので共有したい。

(前略)
これまでみなさんもいろんな仕事、いろんな経験をされてきたと思うんですけど、心がすり減ることとか、はらわた煮えくり返るくらいやり場のない気持ちになることとか、やっぱりあって。だけどそういう経験をしなくても、人は学べるし、成長できると思っていて。だからこの現場では、誰一人置き去りにしたくなかったし、誰もが居場所を見つけられて、この日々を愛せて、自分よりも年下のスタッフさんも多いなかで、もうちょっとこの仕事を続けてみようとか、この仕事選んでよかったって思ってもらえたら。そんな現場になったらいいなと思ってました。

読み終えた後、思わず、「ふー」と息が漏れてしまうくらい素敵な言葉が紡がれている。

特にいいのは、

「心がすり減ることとか、はらわた煮えくり返るくらいやり場のない気持ちになることとか、やっぱりあって。だけどそういう経験をしなくても、人は学べるし、成長できると思っていて。」

という部分。

ほんとそうだよな、って思う。

世の中の空気として、不遇の時代とか我慢している時とか理不尽なことに対して「それを乗り越えるストーリー」というものが美化されることが多々ある。

もちろんその不遇の時代を乗り越えたことは褒められるべきだ。でもさ、全員が全員それをできるわけじゃないじゃん?
そもそも乗り越えることができたから、「あの時期があったから」とか「いい経験だった」と本人が初めて言えるわけで。

その裏にはきっと乗り越えられず、先が見えず今も大変な思いをしている人もがいるだろうし、さらに言えば周りが強要することでは絶対ない。

前から何回か話題に出しているが、「しなくてもいい苦労は、しなくていい」に決まってる、というのが私の考えだ。

そう思ったときに、今回の杉咲さんのコメントは実に綺麗だと思った。
しなくてもいいような大変さや経験をしなくても、人は学べるし、人は成長できるんだ、って。

自分自身で底を目指していくのも大事だし、そういった環境を設定していくのは先を生きる自分たちの役目なんじゃないかなと。

全員をすくいあげていくことは難しいかもしれないけど、まずは自分がそして自分の周りの人たちが、「しなくてもいい苦労」をしなくても、必要な学びや成長ができるようにし、その結果その周りの人が同じように自分の周りの人に対してそういったアプローチをする。

そんな波及的な広がりになれば素敵だなって思う。
理想論だけどね。

でも理想は語らなきゃ始まらないし、語ったからには動かないとだから。
そもそもこういった気持ちにさせてくれた言葉に出会えたことに感謝。


この記事が参加している募集

#とは

57,875件

今後の記事の質向上のための資金として使わせていただきます!