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超小型衛星が明らかにする超新星爆発の全体像

こんばんは、りょーです。

今日は最近流行りの超小型衛星が成功させた超新星爆発についてのお話です。今は企業や研究室といったレベルでも人工衛星が打ち上げられる時代なんです。

英語の勉強に使ってくれている人は果たして本当にいるのかな?と疑問ではありますが、論文のアブストラクトを載せておきます。内容が理解できたら読んで見てください。興味がない人はスクローーーーール!!

The Vela and Puppis A supernova remnants (SNRs) comprise a large emission region of ∼8∘ diameter in the soft X-ray sky. The HaloSat CubeSat mission provides the first soft X-ray (0.4−7 keV) observation of the entire Vela SNR and Puppis A SNR region with a single pointing and moderate spectral resolution. HaloSat observations of the Vela SNR are best fit with a two-temperature thermal plasma model consisting of a cooler component with kT1=0.19+0.01−0.01 keV in collisional ionization equilibrium and a hotter component with kT2=1.06+0.45−0.27 keV in non-equilibrium ionization. Observations of the Puppis A SNR are best fit with a single-component plane-parallel shocked plasma model with kT=0.86+0.06−0.05 keV in non-equilibrium ionization. For the first time, we find the total X-ray luminosities of both components of the Vela SNR spectrum in the 0.5−7 keV energy band to be LX=4.4+1.4−1.4×1034 erg s−1 for the cooler component and LX=4.1+1.8−1.5×1034 erg s−1 for the hotter component. We find the total X-ray luminosities of the Vela and Puppis A SNRs to be LX=8.4×1034 erg s−1 and LX=6.7+1.1−0.9×1036 erg s−1.

"Global X-Ray Properties of the Vela and Puppis A Supernova Remnants" Silich et al. 2020

今日発表されたこの論文によると、アイオワ大学が打ち上げた小型衛星"ハローサット"が超新星爆発の観測に成功したということです!!

すごい!小型衛星の科学成果が出始めていますよ。

かわいい名前のハローサッットちゃんはこんなお姿をしております。

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右側のタワーパソコンみたいなのが人工衛星の本体。本当にパソコンサイズで横幅が10cmで、奥行き20cm、高さ30cmというから驚き。
ちなみに左側に広がっている翼みたいなのは太陽光パネルで電源にはふかけつなやつです。

本当に"小型衛星"というにふさわしい衛星ですよね。国からあげられる衛星が10メートルとかするのから考えたら小さいのにすごいですよね。

そして愛くるしいのが、こいつが地球の周りをまわりはじめるときの動画です。実はハローサットちゃんは、一度国際宇宙ステーションに持って行かれて、そこから噴出する形で軌道に載せられたんです。

それがこちら!!

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か、かわいい笑

こんな感じで軌道に乗ることに成功したハローサットちゃん。それが2017年のできごとで、その観測結果が今日公開されたこの論文です。

今回観測されたのは遥か昔に爆発した超新星爆発(スーパーノヴァ!!)の残りカス"超新星爆発"です。超新星爆発とは、太陽の様な恒星が進化していって、最後に起こす大爆発です。今年の頭に、ベテルギウスが謎の減光を見せたことによって「超新星爆発を起こすか!?」と話題になりましたね。
覚えていない方はこちらも要チェックです。

そんな超新星爆発残骸の残骸は、宇宙空間に広がって行くのですがそれがなかなか綺麗。

今回観測したベラ超新星と、パピスA超新星の画像がこちら。

スクリーンショット 2020-05-27 18.05.25

これってX線で取った画像なんですが、他の光で見ると全然見えないんですよ。こんな感じで。中心にこのベラがいるんですけどね。

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不思議ですよね!こんな感じで超新星残骸を見たければX線で見るのが一番いいんです。

X線で観測されたこの超新星爆発の画像。実は、数十枚の画像を切り合わせて作成したもの。爆発の残骸が広がりすぎて、これまでの人工衛星はズームしすぎて一部分しか見えない!みたいな状況でした笑
なので、いっぱい取ってその写真を組み合わせて1枚の全体像を作り出していたのです。

ハローサットに載っている機械もX線が検出できるので、この残骸を観測可能なわけですが、ラッキーなことが。

このハローサットちゃん、過去の人工衛星に比べて全然ズーム機能が優れていません。むしろ広い画像しかとれません。なので性能が悪いせいで、過去初めて、この超新星の全体を一気に観測することに成功したのです!!笑

性能が悪いからこそできたラッキー観測。

それによって、超新星爆発全体で、平均的にどういう温度をもっているのか、とかがわかるようになりました!!まさに、小型衛星ならではの科学的成果です!!

その結果、今まで知らなかった温度ムラが全体に広がっていることがわかったんだそう。

こんな感じで、ハローサットちゃんは弱点を逆手にとって、素晴らしい成果を残しました。


最近は宇宙開発が盛んに行われていて、企業がたくさんの小型衛星をバンバン打ち上げています。
ハローサットよりも小さい10cm四方のものとかもあったり。

この小さい衛星を数百機打ち上げて、通信システム構築し、世界中でケータイが圏外の場所を無くそう!!なんて話もあるんです。

今後の宇宙開発はこの"小型衛星"たちが切り開いて行くかもしれません。

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それではまた明日!!

See you tomorrow.

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