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UFO説を巻き起こしたオウムアムア、水素の氷を持つことが明らかに

こんばんは、りょーです。

今日紹介するのは、2017年に突如太陽系に近づいてきた謎の訪問者「オウムアムア」が、水素で構成されている証拠を発見したという論文です。

内容を理解したら、ここに戻ってきて英語の勉強までできてしまう!ということで論文の概要をこちらに載せておきます。是非英語にも挑戦して見てくださいね!!どうでもいい人はスクローーーール!!

`Oumuamua (I1 2017) was the first macroscopic (l∼100m) body observed to traverse the inner solar system on an unbound hyperbolic orbit. Its light curve displayed strong periodic variation, and it showed no hint of a coma or emission from molecular outgassing. Astrometric measurements indicate that 'Oumuamua experienced non-gravitational acceleration on its outbound trajectory, but energy balance arguments indicate this acceleration is inconsistent with a water ice sublimation-driven jet of the type exhibited by solar system comets. We show that all of `Oumaumua's observed properties can be explained if it contained a significant fraction of molecular hydrogen (H2) ice. H2 sublimation at a rate proportional to the incident solar flux generates a surface-covering jet that reproduces the observed acceleration. Mass wasting from sublimation leads to monotonic increase in the body axis ratio, explaining `Oumuamua's shape. Back-tracing `Oumuamua's trajectory through the Solar System permits calculation of its mass and aspect ratio prior to encountering the Sun. We show that H2-rich bodies plausibly form in the coldest dense cores of Giant Molecular Clouds, where number densities are of order n∼105, and temperatures approach the T=3K background. Post-formation exposure to galactic cosmic rays implies a τ∼100 Myr age, explaining the kinematics of `Oumuamua's inbound trajectory.

"Evidence that 1I/2017 U1 (`Oumuamua) was composed of molecular hydrogen ice" Seligman et al. 2020

今回研究されたのは、2017年に太陽系にいきなり接近してきた謎の天体"オウムアムア"です。

このヘンテコな名前は、ハワイ語で「遠方からの初めての使者」という意味。なんともミステリアスな名前をつけたものですね。

偉い人たちが、こんな形であると考えています。

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惑星とかってボール型に近い形が多いですが、こんな不思議な形をしているもんだから"宇宙船だ!!"なんて騒がれていたりもしましたね。

オウムアムアは、恒星間天体という種類に分類されるのですが、これはどの恒星の重力にも捕まっていない浮遊物、というようなカテゴリーです。

私たちがいる地球は、太陽の重力につかまっているから、どこにも飛んで行かずに太陽の周りをぐるぐるまわり続けていますよね。しかし、オウムアムアちゃんは誰にも束縛されず、自由に宇宙を旅している羨ましすぎるやつなんです。

2017年に発見されるまでは、その存在すら認識されたことがないもので、オウムアムアちゃんは天文観測史上、初めて発見された「恒星間天体」です。

太陽系に近づいてくるときの軌道はこんな感じ。

スクリーンショット 2020-05-28 18.22.55

動画にした方がわかりやすいですね。こんな感じ。

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どこか知らないところから飛んできて、太陽の重力を利用して再びどこかへ飛び去っていってしまいました。

この時オウムアムアちゃんは太陽のすれすれを通って行きました。その距離は地球と太陽の距離の1/3!かなり近くですよね。

小惑星探査機"はやぶさ"も、これに似たことをしましたね。地球の重力を利用して、一気に加速していく"スイングバイ"。
オウムアムアちゃんはこれを太陽でやってのけました。

近づいてくる時には秒速26 kmだったのに、太陽スイングバイの結果秒速88 kmにまで達するという、もうわけのわからない次元のスピードで動いてますよね。。。

さらに、よーく観察すると、太陽で加速する前にも、オウムアムアちゃんは加速している兆候が見られたそう。実はこういう加速って彗星でも起きるもので、彗星ではその中に含まれる氷が昇華(個体から一気に気体になること)して起きるそうです。彗星は、水を含んだ岩石の塊だからこの様なことが起きるんですね。

しかし、オウムアムアちゃんが加速する様子は、彗星が見せる氷の気化とは一致しないということがわかりました。つまり、水(H2O)が含まれている証拠が見つかりません。。。

その代わりにデータをよくみると、水(H2O)ではなく水素(H2)の氷が気化していると考えられる結果が得られました!!

つまりこのどこからきたかわからないアウムアムアちゃんはその体の中に水素の氷を蓄えている天体だということです。

彗星とは全く違う性質を見せる初めて発見された"恒星間天体"オウムアムア。果たしてどこで生まれた、どんな天体なのか。。。今後解明されていくことでしょう。

今回の研究から、この水素の氷は、宇宙を旅する中でこのようにどんどん気化していったが、最初は地球規模の大きさの水素の氷を持っていたのでは?とも考えられているとか。

この見積もりが正しいかどうかは、今後様々な惑星の研究が進み、それらとオウムアムアの一致する点を探していくことで明らかになっていくのではないかと期待されています。


いかがでしたでしょうか。今日はUFO説を巻き起こしたオウムアムアの新たな研究結果を紹介しました。

2017年でまだ初めての発見があるなんて、やはり宇宙は謎だらけ。全てが解明される時なんてくるんですかね。。。

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