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冥王星の大気圧が下がっている!?太陽系の果てで何がおきている?

こんばんは、りょーです。

毎日更新4日目!今日は太陽系の惑星としては仲間外れにされた冥王星のお話。その冥王星の大気圧が下がっているぞ、という論文についてです!

星の大気圧が下がるということは、地球で考えたら私たちの命が危険に晒されそうな現象ですが、冥王星でそれがおきているとか。

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今日はそんなことが、ハワイにある東京大学の望遠鏡でわかりました、というお話を紹介します。

英語の勉強にもなるかと思うので、前回同様に論文全体を書き示したAbstract(概要)を載せておきます。興味がなかったらスクロールして飛ばしちゃいましょう!!笑

We report observations of a stellar occultation by Pluto on 2019 July 17. A single-chord high-speed (time resolution =2s) photometry dataset was obtained with a CMOS camera mounted on the Tohoku University 60 cm telescope (Haleakala, Hawaii). The occultation light curve is satisfactorily fitted to an existing Pluto's atmospheric model. We find the lowest pressure value at a reference radius of r=1215 km among those reported after 2012, indicating a possible rapid (approximately 21+4−5% of the previous value) pressure drop between 2016 (the latest reported estimate) and 2019. However, this drop is detected at a 2.4σ level only and still requires confirmation from future observations. If real, this trend is opposite to the monotonic increase of Pluto's atmospheric pressure reported by previous studies. The observed decrease trend is possibly caused by ongoing N2 condensation processes in the Sputnik Planitia glacier associated with an orbitally driven decline of solar insolation, as predicted by previous theoretical models. However, the observed amplitude of the pressure decrease is larger than the model predictions.
"Evidence for a rapid decrease in Pluto's atmospheric pressure revealed by a stellar occultation in 2019"  Arimatsu et al. 2020


今回の観測の対象となっているのは、みなさまご存知の冥王星!

「水・金・地・火・木・土・天・海」で終わりにさせられ、2006年から太陽系の惑星から除外された不憫なやつです。

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こいつを東北大学がハワイに持っている60cm光景の望遠鏡「ハレアカラ望遠鏡」で観測してあげた研究です。

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実際は冥王星を観測したわけではなく、ある星の前を冥王星が通過することで、その星の光を遮るタイミングを狙って観測してあげたんです。

そのタイミングで観測してあげると、その光がどのくらい遮られるかで、冥王星のガスがどの程度広がっていて、大気圧がどのぐらいなのかを調査できるのです。

単純に言えば、ある光を出しているライトの前を、大きい人が通り過ぎたらすごく光が遮られるけど、小さい人が通り過ぎたら少ししか遮られない、みたいな感じです。

これによって冥王星の表面のガスがどれだけ圧力を持って広がっているのかを調査してあげました。

その結果、思っていたよりも冥王星の表面にある大気の圧力(大気圧)が下がっていることがわかりました!天気が悪い時の低気圧、みたいな感じで、星全体が低気圧に覆われている状態、みたいな感じでしょうか笑


では、なぜ大気圧が下がってしまったのか。。。

今回の論文では、冥王星に充満していた窒素ガス(N2)が、冥王星が太陽の周りを回る軌道のせいで太陽光が弱くなり、結露した(水蒸気から液体に)ことが原因であると考えられています。

特に今回注目されているのは、スプートニク平原と呼ばれる窒素の氷に覆われている冥王星表面の地域です。

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この画像で右上に広がっている氷の大地(馬鹿でかい!!)で、今回太陽光が当たりにくくなって窒素ガスの結露が増えたのはこの地区だと考えられています!

惑星っていうのは、太陽の周りを回るペースは星の重さとかを色々計算するとある程度わかります。こんな感じです。

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これである程度、窒素ガスが結露する量というのが頭いい人たちのおかげで予測はされていたのですが、実際はこの予測よりも大きく大気圧が下がっていたらしいです。

なぜそのようなことがおきたのか。。。不思議です。


将来的に性能が高い望遠鏡が出てきたりすれば解決するんでしょうね。。。また一つ望遠鏡開発での目標が現れた、今後発展が注目される研究でした!!

論文の話ばかりですが、こういう本で絵を見ながらもっと基礎的なことを知っておいて、宇宙のロマンを深めるのもいいですよね〜。

というわけで、今回は太陽系から仲間外れにされた冥王星で、謎の低気圧現象がおきているぞ、というお話でした。

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それではまた明日。

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