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言葉を削り取る芸術。「考える短歌」俵万智

たった31文字で映像のように世界観が浮かび上がるすごさ。 


この本は「サラダ記念日」で有名な俵万智さんによる短歌の添削事例を集めたものです。



 私は短歌は国語の教科書でちょっと見たことがある程度しか知識がありませんでしたが、技術的なテーマで分けて講評をまとめているのでこれが良い悪いという基本的な技術の知識は読むうちに何となく分かってきます。



 たった31文字だけのはずなのに読んだだけでイメージが鮮明に浮き上がってきます。しかも講評を見ていると「の」などたった1文字変わるだけで31文字全体で伝わってくるものが全く変わるのだということが面白いと感じました。



 小説などではセリフで示されなかった部分にこそ微妙な心の動きが現れると聞いたことがありますが短歌は削り切った31文字から全てを想像させる技術という点で素晴らしいと思いました。

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