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愛染のおもしろ小説

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おもしろ小説です。え、無料で読めるって!?おいやったな!!
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#小説

小説 コーヒー淹れ 

小説 コーヒー淹れ 

PM14:00、コーヒー淹れは自分の職務を終えて今まさに自宅マンションへと帰ろうとしていた。コーヒー淹れの毎日の仕事は職場にいる5人の同僚たちにコーヒーをついで回り、それが空になるまでを待つというものだった。 

コーヒー淹れは、同僚の最後の一人がそれを飲み終わるのを見届けてから仲間たちに深々とお辞儀をして帰路についた。

自宅マンションに帰る途中、コーヒー淹れは急に、同僚の一人であるT子にコーヒ

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3カラム小説 #月曜日の朝を乗り切る方法

3カラム小説 #月曜日の朝を乗り切る方法

楽しい時間がずっと続けばいいのに。すなわち日曜日の夜がずっと続けば、つらい月曜日の朝を迎えることはない。どうしたら月曜日の朝を乗り切れるだろう。

それさえ乗り切ってしまえば、また日曜日まで頑張れるのに。それならば、今日はいっそ次の日曜日まで寝てしまうのはどうだろうか。怖い上司や、いつもうるさい取引先は焦るかな。

そうだ、明日は上司をぶん殴ってやろうか。普段はビクビクしている僕でも、眠りにつく深

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【ショート小説】新しいSNS「逆スタグラム」をリリースしました。

【ショート小説】新しいSNS「逆スタグラム」をリリースしました。

どうやら巷では新しいSNSが出たらしい。その名も「逆スタグラム」。このSNSのルールは1つ。

「イケメン、美人の投稿は即削除。ブス、ハゲ、根暗が人気にならなければいけないSNSです」というものだ。

リリース初日からとんでもない数の投稿がなされたらしい。今までインスタのストーリーを指を加えて見るだけだったあの子も、薄毛が気になるおじさんもみんな「逆スタグラム」にハマった。

ここではどんな底辺で

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【ショート小説】夜の自販機とチルアウト

【ショート小説】夜の自販機とチルアウト

夜の自販機というのは幻想的である。煌々と照らされるディスプレイ画面に所狭しと飲み物が敷き詰められておりその場から2m離れて観察して俺はふとこう思った。「あぁ、なんて几帳面で規則的な美だ。変態の国、日本はさすがだな」と。

さて何を買おうか。そう心の中で独りごちて目に入ったのは「CHILL OUT」である。皆さんはこの謎の飲み物を見たことがあるだろうか。

リラックスする成分が入っている、いわゆるダ

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【ショート小説】世界一まずいオーダーメイド弁当

【ショート小説】世界一まずいオーダーメイド弁当

今日も腹が減った。もう、すぐにでも美味いものを食いたい。

仕事終わりには毎日、帰り道にある行きつけの弁当屋で弁当を買う。それが僕のルーティンワークだ。

だいたい僕は決まりきったメニューをローテーションするタイプだが、たまに気を衒った他の弁当を食べてみたくなる時がある。

ーーそんな僕の目についたのは、
   「オーダーメイド弁当」
        という文字であるーー

オーダーメイド?
僕は

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