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2021.4.10 雑感

年をとる、子ども、未来。 関係性の中で、日常は進行していく。 ほとんどの関係は、相対的なものだ。 相手、その他の存在によって、自分の存在は規定される。 何かを成す…

RWTH
3年前

輝やかしい才能と、鮮やかな時代の会遇

** 1965年。パリではシルビー・バルタンのヒット曲「アイドルを探せ」が流れていた。「イエイエ」と呼ばれるポップスの勃興期だ。シャンゼリゼ、サンジェルマン・デプレ……

RWTH
6年前
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『冬の日誌』 ポール・オースター

“まだ三つか四つだった 、自分の体と地面とがいまより近かった ─ ─ゆえに大好きだった蟻たちとの距離もずっと近かった ─ ─ときの実感に始まって 、六十四歳の執筆時現…

RWTH
6年前
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2021.4.10 雑感

年をとる、子ども、未来。

関係性の中で、日常は進行していく。
ほとんどの関係は、相対的なものだ。
相手、その他の存在によって、自分の存在は規定される。

何かを成す?ために人生があるのか?
それはひとつのコンセプトであり、
人生を過ごすためのガイドに過ぎないのではないか。
どう見ても人生とはプロセスである。
たとえば、物を買うことは所有するプロセスへの対価である。
お金とは、そのプロセスを構成す

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輝やかしい才能と、鮮やかな時代の会遇

輝やかしい才能と、鮮やかな時代の会遇

**

1965年。パリではシルビー・バルタンのヒット曲「アイドルを探せ」が流れていた。「イエイエ」と呼ばれるポップスの勃興期だ。シャンゼリゼ、サンジェルマン・デプレ……。若者の文化が芽吹きつつあった。

私は引っ越したばかりのホテルから百貨店のプランタンやギャラリー・ラファイエットのウインドーを眺め、ブティック街のサントノレ通りをシャンゼリゼまで歩き、行き交う人の装いをカフェで観察するのが日課に

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『冬の日誌』 ポール・オースター

『冬の日誌』 ポール・オースター

“まだ三つか四つだった 、自分の体と地面とがいまより近かった ─ ─ゆえに大好きだった蟻たちとの距離もずっと近かった ─ ─ときの実感に始まって 、六十四歳の執筆時現在 、ベッドから床に降り立つときに足の裏に感じる冷たさに至るまで 、かつて自分の身体が体験した無数の事柄を 『冬の日誌 』は語る 。”

誰しもが抱えるノスタルジックな過去と、その到達点としての現在によって構成される人生を、定量的に並

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