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『冬の日誌』 ポール・オースター

“まだ三つか四つだった 、自分の体と地面とがいまより近かった ─ ─ゆえに大好きだった蟻たちとの距離もずっと近かった ─ ─ときの実感に始まって 、六十四歳の執筆時現在 、ベッドから床に降り立つときに足の裏に感じる冷たさに至るまで 、かつて自分の身体が体験した無数の事柄を 『冬の日誌 』は語る 。”

誰しもが抱えるノスタルジックな過去と、その到達点としての現在によって構成される人生を、定量的に並べてみたら。

人生100年と言われる時代にあって、働き方、生き方はより難しくなってきている。幸せの定義や人生の意味 といった哲学的な問答にまで至らずとも、人生について、もう少し真摯に向き合う必要があるかもしれないと、漠然と思わせる内容。

私的な人生における出来事の羅列であるにも関わらず、読ませる文章は流石。

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