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note創作大賞2024エントリー中 ホラー小説部門「友人の未寄稿の作品群」 SCP著作: 依談「達磨」、SCP-3962-JP - 舟盛り など

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  • 【創作大賞2024】友人の未寄稿の作品群【ホラー小説部門】

    note創作大賞2024に、ホラー小説部門にてエントリーした作品です。 ライターをしていた、亡くなった友人が遺した作品を掲載しています。

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【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」1【ホラー小説部門】

【あらすじ】 はじめに  私には『親友』と呼べる人が、たった一人だけいた。  高校の入学式、並べられたパイプ椅子の端に座る、私の隣にいた人。顔見知りが誰もいなくて、これからの三年間に不安を感じていた。そんな私に声をかけてくれた。式が進む中、どこの中学から来たかとか、部活は何に入ろうとか、小声で話し込んだ。  教室へ行けば席は前後で、毎日背中にちょっかいをかけてきた人。授業中、私の背中に指で絵を描いて、休み時間になったら答え合わせをしていた。  同じ文芸部に入り、三年間ク

    • 【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」14【ホラー小説部門】

      「友人の未寄稿の作品群」の改稿案 気付いてしまった。 思いついてしまった。 だから。 おわらないよ。 Written by 坩堝

      • 【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」まとめ【ホラー小説部門】

         note創作大賞2024にて新設された、ホラー小説部門へのエントリー作品です。 【あらすじ】友人の未寄稿の作品群全██話 1: はじめに 2: ※ 3: 彼岸の祭り 4:未_怪談の常套句 のコピー 5: 未_レトロ喫茶を訪れる のコピー 6: 未_わたしの1 のコピー 7: 未_エビとブロッコリーのクリーミーパスタ のコピー 8: 未_白雪 のコピー 9: 未_わたしの2 のコピー 10: 未_空を飛ぶ のコピー 11: 未_HOW TO のコピー

        • 【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」13【ホラー小説部門】

          おわりに 「怪談をね、書かなきゃいけなくなったんだけどさ」  注文を終えるなり、律希は私の目を見た。私は瞬きをし、視線を外す。  律希と会うのは一年ぶりだった。 「うちのパパがね、スタジオの音響関係の仕事してるのは前に言ったっけ?その関係で、吉影っていうお笑い芸人さんと知り合ったの。知ってる?普段はコンビで活動してる人なんだけど」 「全然知らん人だわ。私テレビ見ないし」 「いや、テレビには全然出てない」  余計に知るわけないじゃないかと、片眉を上げた。大学進学で地元を

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        【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」1【ホラー小説部門】

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        • 【創作大賞2024】友人の未寄稿の作品群【ホラー小説部門】
          15本

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          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」12【ホラー小説部門】

          未_███ のコピー  これは、私が実際に体験した話  今となってはそれが夢だったのか、現実だったのかも分からない。もちろん、自分の身に起きたことだから現実なはずなのだけど。私の持ち得る理屈では説明できないような、そんな話。  後にも先にも、私の身に起こった理解のし難い出来事は、唯一これだけ。  本当だったら、███も知ってるはずだった。でも、知らないみたいだった。見てないみたいだった。一緒にいた子達もみんな、何事もなかったかのように振舞っていた。  今まで誰にも確か

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」12【ホラー小説部門】

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」11【ホラー小説部門】

          未_HOW TO のコピー 【明晰夢を見る方法】はじめに 明晰夢とは、夢の中で自分が夢を見ていることを自覚し、自由にその内容をコントロールできる夢のことです。この特異な体験は、夢の中で意識的に行動することを可能にし、創造的な思考や問題解決、ストレス解消などに役立つとされています。  明晰夢を見るためには、特定の訓練方法を通じて意識を鍛えることが重要です。ここでは、明晰夢を見るための代表的な方法であるMILD法(Mnemonic Induction of Lucid Drea

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」11【ホラー小説部門】

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」10【ホラー小説部門】

          未_空を飛ぶ のコピー  人類が気球による初の有人飛行を成し遂げたのは1783年、フランスのモンゴルフィア兄弟でした。熱気球が初めて大空に浮かび上がり、人類は初めて地上を離れ、空を自由に舞うという夢を実現しました。  それから120年後、ライト兄弟が飛行機による飛行を成功させたのは皆様もご存じでしょう。彼らの飛行機は、エンジンの力で飛び立ち、風を切って空を駆け巡りました。  それからさらに100年経った現在、500人を載せた大型旅客機が私達の住む街の、遥か上空を飛び交ってい

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」10【ホラー小説部門】

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」9【ホラー小説部門】

          未_わたしの2 のコピー  友達の友達は友達になれるのでしょうか。  わたしには友達がいます。その友達にも、それぞれの友達がいます。  友達の友達と会うとき、少し緊張します。まだお互いを、よく知らないからです。でも、共通の友達がいることで、自然と話が始まります。共通の話題があるので、打ち解けることもできるでしょう。  しかし友達の友達だからといって、必ずしも、気が合うわけではありません。性格や趣味が合わないこともありますし、初めて会った、という距離感もあります。  「友

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」9【ホラー小説部門】

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」8【ホラー小説部門】

          未_白雪 のコピー  遠い昔、ある王国のあるお城に、とても美しい王子がいました。幼い頃からその美しさを賞賛されていた王子は、毎日鏡を見て、自身がどれだけ美しいかを確認するのが日課でした。  しかし、心の中には常に一抹の不安がありました。「自分より美しい者が現れたらどうしよう」という思いです。彼は不安を消すために、毎日鏡に問いかけました。 「鏡よ鏡よ、この国で一番美しいのは誰?」  すると鏡は決まって、王子の顔を映し出して答えます。 「それは王子様です」  その言葉に王

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」8【ホラー小説部門】

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」7【ホラー小説部門】

          未_エビとブロッコリーのクリーミーパスタ のコピー エビが苦手な方も、クリーミーなソースでエビの風味を楽しめるパスタです!エビ嫌いを克服するための一品で、お子様にも喜んで食べてもらえるように工夫しました! 材料(4人分) - パスタ: 300g - エビ: 200g - ブロッコリー: 1株 - 玉ねぎ: 1個 - ニンニク: 2片 - バター: 30g - 生クリーム: 200ml - パルメザンチーズ: 50g - 塩: 小さじ1 - 黒胡椒: 小さじ1/2 - オリ

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」7【ホラー小説部門】

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」6【ホラー小説部門】

          未_わたしの1 のコピー  わたしには、行きつけの喫茶店がいくつかあります。共通点は一つ、タバコが吸えることです。  最近の日本では、喫煙スペースが減少し、それに伴って喫煙可能な飲食店も減っています。令和2年4月に施行された健康増進法の改正により、多くの飲食店が「店内全面禁煙」か「喫煙可能」を選択することになりました。喫煙可能な店では、20歳未満が入店できなくなっています。  「望まない受動喫煙」をなくすという目的から、喫煙者と非喫煙者の住み分けが進んだのは、両者にとって

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」6【ホラー小説部門】

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」5【ホラー小説部門】

          未_レトロ喫茶を訪れる コピー  近鉄**駅から徒歩10分、現れるのは『喫茶**[懐かしい名前]』の看板。昨年9月にオープンしたたこのお店、店内に足を踏み入れると目に飛び込んでくるのは、平成初期に流行した電子ペット人形やブロマイド写真。色褪せたポスターが貼られ、懐かしいおもちゃやグッズが所狭しと並んでいました。 [適当な民家の画像、2階建てが好ましい]  棚には「たまごっち」や「デジモン」などの電子ペットがディスプレイされており、その隣には平成初期に人気だったアイドルのC

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」5【ホラー小説部門】

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」4【ホラー小説部門】

          未_怪談の常套句 のコピー 「これはとある知り合いから聞いた話なのですが――」 「知り合いのBさんから、相談したいことがあると呼び出されまして――」 「これはうちのお爺さんが体験した話でして――」  怪談には常套句が存在する。「誰某から聞いた話である」という語り出しがその代表である。この常套句は、怪談が実際にあった出来事であるかのように感じさせるための、重要な要素である。  実話怪談(怪談実話)を扱う怪談師は、怪異の体験者の話を蒐集し、整理をして、我々に語る。怪談師自

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」4【ホラー小説部門】

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」3【ホラー小説部門】

          未_彼岸の祭り のコピー [マクラはお任せします]  私の地元には天王祭と呼ばれる、毎年六月頭に、二日間行われるお祭りがあります。片側二車線の道路の両脇に、ずらっと屋台が並ぶんです。  長く続く屋台の端はどうなっているかというと、片方はただの交差点なんですが、反対側には神社が一つありまして。  その神社には宗像三女神という、天照大神の娘である三人の女神様が祀られております。その内の一柱が市杵嶋姫命というんですが、これが七福神の一人である弁財天と同一視されています。  その

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」3【ホラー小説部門】

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」2【ホラー小説部門】

          ※ わたしの本名が記載されている箇所については、個人情報のために改稿を加えています。 Written by 坩堝

          【創作大賞2024】「友人の未寄稿の作品群」2【ホラー小説部門】