可愛いの呪縛

 可愛いは最大の武器
私はずっとそう思ってきた。
“可愛い人は得をする”
“可愛ければ人生勝ったものだ”
ずっとずっとそう思ってきた。
 だけど、それだけではダメなのだと
被写体や社会人として生活していくうちに
ひしひしと感じるようになった。

いくら可愛くても、自己ブランディングが
 得意だったり、確固たる自己がないと
人の中に埋もれてしまう。
いくら可愛くても、知識や臨機応変力、忍耐力がなければ、戦力外となる。

さてはて……私がずっと信じ続けている
“可愛ければ人生勝ったものだ”
理論はどうなるのだろうか。
その疑問が大きくなった今、
私はすごく苦しいし、モヤモヤしている。

 こんなに可愛いのになんで？なんで誰も見てくれないの？認めてくれないの？？
なんでなんで…………。

朝化粧が完成しても、どこか物足りなく感じ、家を出る前に不安になる。

私可愛いよね？大丈夫だよね？？

静かな曲で職場に向かうのが好きだった。
でも今は、キラキラのアイドル曲やかわいい女の子が主人公の歌、ノリノリの歌を聴きながら職場に向かう。
そうしないと不安に押し潰されて
今にも泣き出してしまいそうだから
足が震えて動けなくなりそうだから

今日も私は可愛いの呪縛の中で生きる。

いつか自分を心の底から愛せるように
なった時、可愛いの呪縛から
開放されるのだろうか。