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月とヒキガエル

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それは女の意地と闘い~纏足と女武芸者~

それは女の意地と闘い~纏足と女武芸者~

 私が水滸伝を初めて読んだのは高校生の時。その時に浮かんだ、はっきり言ってどうでも良い疑問が、今回の出発点です。
 そして、そのどうでも良い疑問が、意外な事実を浮かび上がらせたのです。

きっかけは些細な疑問

 初めて手にした水滸伝は、高校の図書館にあった平凡社奇書シリーズの1冊でした。その中で「女たちは卑しい生まれだったため 纏足をしておらず、さっさと逃げられた」と言うような描写がありました。

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消えた後に残ったもの~中国の秘密結社と明教~

消えた後に残ったもの~中国の秘密結社と明教~

 世の中にはいろいろな思想や、主義主張がありますが、その源流について、考えたことはありますか?
 なんて、カッコつけてみましたが、身も蓋もない言い方をすれば「厨二病の祖」で言い切れてしまう、そんな明教のお話です。

中国の秘密結社

 秘密結社と言えば、皆さまは何を思い浮かべるでしょうか。
 「イルミナティ」や「フリーメーソン」などでしたら、陰謀論がお好きなのかもしれません。「黄金の夜明け団」や「

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辿る道は同じ?――景教とイエズス会

辿る道は同じ?――景教とイエズス会

 奇跡という言葉には、キリスト教における「神の御業」という意味合いもあるそうです。
 景教には、そんな「奇跡」とも言える不思議なエピソードも残っています。この章のテーマは、その「奇跡」です。

蘇る景教

 中国――この場合は狭義の「漢文化圏」、ざっくり言うと万里の長城の内側――においてキリスト教の伝道は二度ありました。
 その第一陣が、唐の太宗の時代に伝来したネストリウス派です。前章でもお話しし

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高野山に「大秦景教流行中国碑(だいしんけいきょうりゅうこうちゅうごくひ)」がある謎~景教と空海~

高野山に「大秦景教流行中国碑(だいしんけいきょうりゅうこうちゅうごくひ)」がある謎~景教と空海~

 高野山と言えば、真言宗の総本山であり、日本屈指の仏教聖地の一つ。その高野山の中に、「大秦景教流行中国碑」という、中国で景教(ネストリウス派キリスト教)が流行ったのを記念して建立された石碑のレプリカがあるのをご存知でしょうか?
 仏教の聖地に、どうしてキリスト教の石碑があるのか、この奇妙なつながりについてお話ししていきます。

唐代のキリスト教

 2010年と少しデータが古いのですが、全世界のキ

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月の美女は罪人(つみびと)?~嫦娥とかぐや姫~

月の美女は罪人(つみびと)?~嫦娥とかぐや姫~

こちらでお話しした嫦娥奔月の話、何かに似てるって思いません?

月に縁のある物語。そう、竹取物語です。嫦娥とかぐや姫、月と関わりのある二人の美女の物語。この二つは意外と共通点が多いのです。

「竹取物語」はどんな話?

ところで「竹取物語」ってどんな話かご存知ですか?
まあ、愚問です。おとぎ話界の定番中の定番であり、古文でも必ずと言っていいほど出てきます。
知らない人はほぼいないでしょう。
ところ

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