そして、ゆりは咲く(月の章)
ほどなく、櫛の在処はわかりました。
ある親戚が名乗り出てきたのです。
その親戚は、亡くなったご先祖さまが、愛する方から戴いたという
その櫛のいきさつは知らず、ただ、とても綺麗な櫛だったので、
持っていたということでした。
しかし、この親戚は…。
そう…。この時…。
ご先祖さまと同じ病気に、なっていたのです。
櫛が見つかり、また改めて、ご先祖さまの供養を
櫛と共に、することになりました。
供養の日が決まった、ある夜。
再び、ご先祖さまが、祖母の夢枕にお立ちになりました。
そして、こう言いました。
「有難うございます。」
「これで、やっと…。私も、行くことができます。」
供養の日に、何かご所望のものはないか、祖母はご先祖さまに尋ねました。
すると、「百合を、お願い致します。」と言われたそうです。
そして、「この御恩は忘れません。 必ず、お返し致します。」
と言って、消えてゆかれたのでした。
次回、花の章へつづきます。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
💗感謝💗 天海瑠璃
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