NHKドラマ10『大奥』がおもしろい

大河ドラマ『どうする家康』以外にも、江戸時代の幕政を扱った『大奥』が、夜10時台のドラマとして放送されている。(毎週火曜日)

今年の1月から3月まではシーズン1が放送され、徳川吉宗役を冨永愛が演じたことで話題になった。

今は、10月にスタートしたシーズン2が放送されている。

再放送もされているので、見逃しても大丈夫だが、11代将軍家斉の実父である一橋治済(はるさだ)の登場する回は、なかなかおもしろい。

演じているのは仲間由紀恵なのだが、テレ朝の人気ドラマ『相棒』の社美彌子役とは全然イメージが違って、本当にドキッとする怪演である。

松平定信役の安達祐実、田沼意次役の松下奈緒など名の知れた人物役が、男女逆転で演じられているところも見入ってしまう。

蓮佛美沙子(=茂姫役)や佐津川愛美(=家斉の側室・お志賀役)も登場しているが、特に、仲間由紀恵演じる治済の毒殺(=未遂に終わった)に2人が芝居を打って計画したところ、自殺を図ったお志賀の最期も心を打たれる。

赤面疱瘡(あかづらほうそう)が流行し、人痘や熊痘(ゆうとう)の接種が行われる場面は、3年前に一気に広がったコロナ禍のワクチン接種を彷彿とさせる。

平賀源内役を鈴木杏が演じていたのも、新鮮な感じがした。

私がこのnoteで連載した小国の宿命シリーズの幕末の回と絡めてドラマを見ると、「ああ、ここがあの回の時代か!」と気づくところもある。

原作は、漫画家よしながふみの『大奥』であるが、私は漫画より実写版が好きなので、『大奥』に限らず、他の作品でも漫画が実写化されたら楽しみに観ている。

ちなみに、治済が毒殺されかけて倒れるのは、医療編(15)の回であり、今でもNHKプラスで視聴が可能である。

まだ観ていない人は、この回を観るだけでも他の回も観てみたいと思えるかもしれない。

NHKのドラマは、コマーシャルが入らないから、45分ものを一気に没頭して観ていられる。それを夜に観ると、映画館で映画を見終えたときのような余韻が残る。

こういう歴史小説ものは見ていて損はない。

今の時代の人間の生き方についても深く考えさせられるし、昔も同じだったんだなあという共通点にも気づかされる。

名だたる女優さんが次々と登場するのも注目である。

小国の宿命シリーズでも話題にした和宮(=第14代将軍の家茂に朝廷から降嫁した孝明天皇の妹)は、岸井ゆきのが演じている。

しかし、仲間由紀恵の怪演は、びっくりぽんであった。





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