ゼロからのヴァイオリンマスター(13)

このシリーズの最初に断っていたが、シリーズは全36回、土日祝日を除いて3月31日まで続けると説明した。

昨日で、全体の3分の1まで進み、いよいよ今日から中盤である。

ここからは、上達の可否を左右する点について詳しく解説していこう。

受験勉強のための問題集を買ったことがある人は、「良問ぞろい!これで力がつく!」みたいなキャッチコピーに惑わされて、思わず手に取った経験があるだろう。

これで合格できる!とすっかり思い込んで取り組んでも、成果が出なかったということはないだろうか。

ヴァイオリンも同じである。

いくら良い教材(昨日の例でいうなら「ちょうちょ」)を使っても、その教材で何を重点的に身に付けるのかを学習者自身が分かっていなければ意味がない。

そして、指導者は、学習者がうまく弾けていないところを指摘して練習させるだけではダメである。

「練習が足りない。何度言ったら分かるんだ?」というような指導をしている人は、そもそも練習のポイントを学習者に提示できていないし、指導者自身が要因分析できていないことが多い。

ポイントを示さないから、学習者は漠然と練習を繰り返すだけで、「回数をこなせば自然に上達する」と本気で信じてしまうのである。

それが結果的に、「何時間練習するのですか?」という問いにつながってしまうのである。

次週は、実践上のポイントについて、丁寧に解説していこう。







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