世界の民謡〈2〉大きな古時計

2002年(=平成14年)に、平井堅が歌った『大きな古時計』は、昔から子どもから大人までよく知られている歌である。

これは、もとはアメリカ民謡であり、ヘンリー・クレイ・ワークという作曲家によって、1876年に作られたものである。当時、日本は明治時代だった。

日本でお馴染みの歌詞が普及したのは、1962年にNHKのみんなのうたで放送されるようになってからである。

ヘンリー・クレイ・ワークは、同じアメリカ人作曲家のスティーブン・フォスターと並ぶ、19世紀半ばの代表的な作曲家だった。

彼がイギリスに旅行したときに、宿泊したホテルに針が止まった大きな古時計が置かれており、ホテルのスタッフに事情を聞いて、そこでこの歌詞が誕生したのである。

ちなみに、歌詞に「私のおじいさん」という英語があるが、ワークのおじいさんではない。

【原曲歌詞】
My grandfather's clock was too large for the shelf, So it stood ninety years on the floor. 
It was taller by half than the old man himself, Though it weighed not a penny weight more. 
It was bought on the morn of the day that he was born, And was always his treasure and pride. 
But it stopped short, never to go again When the old man died. 

Ninety years with out slumbering, tick, tock, tick, tock
His life seconds numbering, tick, tock, tick, tock
It stopped short, never to go again When the old man died.

以上である。

上記の英語の歌詞は易しいので、メロディーに合わせて口ずさむのはそんなに難しくないだろう。

日本語訳詞では、「百年いつも動いていた」だが、100年ではなく90年である。

収納しきれないくらいの大きさだったので、90年ずっと床の上に置かれていたと、原曲の歌詞ではそう書かれている。

昨日はイタリア、今日はアメリカ。

オリンピック気分で、明日以降も引き続き、いろんな国の民謡をお楽しみください。


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