政令指定都市めぐり【第3回】

岡山から、さらに西へ新幹線「のぞみ」で移動すると、これまた政令指定都市の広島市に到着する。

「のぞみ」は、ときどき福山駅に停車するので、必ずしも岡山の次の停車駅が広島になるとは限らない。

広島市は、意外に思うかもしれないが、東西に長い広島県の西部に位置する。逆に、福山市は、広島県の最東部にある。

岡山駅から広島駅までは160キロも離れている。だから、岡山市から車で高速道路を飛ばして行っても、1時間以上はかかる。広島県に入っても、広島市にたどり着くまでに、福山市、尾道市、三原市、東広島市の4市を通過しないといけないのである。

広島市にやっと入ったとき、最初に入る行政区が、安芸区である。

広島市には、安芸区のほか、東区・南区・中区・西区・安佐北区・安佐南区・佐伯区の8つの行政区がある。

安佐北区と安佐南区は、今から9年前に起こった平成26年8月の西日本豪雨による大規模土砂災害の被災地として記憶に新しい。

中区には、有名な原爆ドームと平和記念公園がある。今年は、戦後78回目の平和記念式典(原爆死没者慰霊式・平和祈念式)が開かれた。

広島市は、原爆によって10万人以上の市民が亡くなり、戦後の市の人口は40万人ほどだった。

それが徐々に人口が増加し、1980年に政令指定都市となり、その5年後には人口が100万人を超えた。

今では、120万人ほどになり、政令指定都市の中で10位にランクインしている。9位のさいたま市より10万人少なく、11位の仙台市より10万人多い。

広島市は、悲惨な歴史のイメージが強いが、命の尊さを世界に発信できる代表都市である。原爆ドームや原爆資料館は、「観光資源」といってよい。

豪雨災害の教訓も国内外に発信していくことで、これからの気候変動対策の担い手の中心となりうるだろう。

広島市を訪れると、特産品の牡蠣やもみじ饅頭が売られているのを目にする。

広島焼きなどのグルメ目当てで観光に行く人もいるかもしれないが、実は、広島駅の周辺は、大規模な再開発工事中であり、2025年に駅ビルがリニューアルされ、2027年には南口広場が新しく生まれ変わる予定である。

そのため、駅の外観は楽しめないと思うが、リニューアルすると、広島電鉄のホームが駅ビル2階に移動し(今は、広島駅南口を出てすぐ左側の路面ホーム)、JRと広島電鉄の乗換えがよりスムーズにできるようになるのである。

広島電鉄(通称「広電」)は、知る人ぞ知る日本一の路面電車であり、総延長距離や輸送人員は最大規模である。

最後に、「千羽鶴未来プロジェクト」という活動団体がある。興味がある方は、ホームページをご覧になるとよいだろう。







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