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眺めの良い部屋に住みたい〜どこでも住めるとしたら

子どもの頃に読んだ「ふしぎなかぎばあさん」という本。
100万部を突破したロングセラーです。
「鍵っ子」という言葉が流行った当時。
核家族化が進み、両親が共働きで子供が家に一人でいる…そんな家庭が増えて来た頃のお話。
鍵を無くしてしまった鍵っ子の主人公のところへ鍵をたくさん持った「かぎばあさん」が現れる。そしてたくさんの鍵の中から家のドアを開けてくれて、美味しいお料理を作ってくれたりするお話です。親が帰ってくるまでのひとりぼっちの寂しい時間を埋めてくれるふしぎなかぎばあさん。ほっこりするエピソードのお話です。
「鍵っ子」という言い方はしなくなったけれど、両親が共働きで子供が一人で家にいる状況は今でも変わらないと思います。ただ、今のご時世で、知らない大人が家に上がり込んで料理したりしたら大変なことになると思うと、当時の方が時代がのんびりしていたのだろうな、と思います。

それはさておき、当時の私はこの「鍵をじゃらじゃらたくさん持っていて、その中からドアにあったものを取り出して開ける」というシーンが刺さりました。

あちこちの鍵を持った多拠点生活がしてみたい!

子供心に私はあっちの部屋や、こっちの部屋を訪れることができる生活に憧れました。
そしてそれぞれの町や、それぞれの部屋のコンセプトに合わせたインテリア!!
椅子好きも手伝って、さまざまなインテリアを配した部屋を夢想したりすると楽しくてワクワクしました。

大人になって、引っ越しするだけでも一苦労、さらに管理費のこともわかってくるとこのアイデアが無謀だということに気がつきました。
ただ、熾火のように心の奥に残っていたこの子どもの頃の憧れがふと目を覚ますことがあります。
あれから随分経って、いつの間にか時代が変わっていました。
ライフスタイルも多様になり、リモートワークも普及してきています。
「持ち家」神話もゆるいできているように思います。
「シェア」という考え方も浸透して来ました。
最先端の家電を整備したスマートハウスや、田舎ののんびり暮らし。古民家に住んでみる、歴史ある街で文化財を訪ねて回る…などなど、「シェア」という考え方で多拠点生活をすることがある程度現実的になって来たのではないかと思います。

渡り鳥のように暖かい季節はこっち、寒い季節はあっち、とか。
仕事が忙しい時期はあっち、とか。
ヤドカリのように、その時の自分のライフサイクルに合わせて住まいも殻を脱ぎ替えるように変えて暮らしてゆく…
そんな暮らし方も手の届くようになって来たのではないか…

私は写真を撮りたいので、眺めの良い部屋への憧れが強いです。
都会の夜景、海、森、朝日、夕日、雨の日、雪の日…いつまでも眺めていても見飽きない景色をじっくりと写真に撮りたい。そんな「眺めの良い部屋」の多拠点生活がしてみたい…

人口が増えていかない中で、住宅の需給バランスが崩れてきたら、いろいろな付加価値がついた提案が増えてくるのではないか?そうしたら、そんないろいろな人の夢やワガママを叶えるようなお部屋や多様な契約形態が増えるのではないか?そう思っています。
今のうちにみんなで「こんな暮らしをしてみたい!」と宣言しておくことで夢が近づいたら良いなと思います。

あなたはどんな暮らしをしてみたいですか?






#どこでも住めるとしたら

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