ルカの頭の中④「読書と少子化について」

ルカです。今日も元気に読書されていますでしょうか?

出版業界、不況ですよね。といっても、これは随分と前から言われていることですが。

基本的に不況の時期を迎えると、いつかは好況に転じるものじゃないですか?
それが経済であれ、人の人生であれ……。

では、出版業界はどうでしょうか。

……難しいところですよね。

出版業界の不況については、実に様々な原因があるでしょう。娯楽の多様化により本を読まなくなったとか、そもそも活字に触れる機会が少なくなったとか、あるいは近年の貧困化によってお金を本に回せる余裕が減ったとか、色々と考えられるとと思います。

そんな中でも、今回特に取り上げたいのが、本を読む人口の減少、とりわけ近年の少子化による子供の読書人口の減少についてです。

なお、本記事の見解及び内容は「ルカ(僕)の頭の中の考察および推測」であり、主観がおおいに(というかほとんど)含まれているため、あくまで娯楽的読み物として楽しんでいただけたらと思います。


このテーマを語るに当たり、僕が強く思うのは、「子供と読書は絶対に切り離すことはできない」ということです。

子供の頃に根付いた読書習慣というのは、ほとんどの場合大人になってからも継続されるものです。それが夏目漱石や太宰治なんかの本格的な文学だろうと、最近の流行りを取り入れたキャッチーな小説だろうと、あるいはなんかしらの理由で異世界に行ったり、なんかしらの理由で最強の自分が無双したりするラノベや漫画だったり、とにかく本を読むことが習慣となっていれば良いと思います。

こういった人たちは、大人になっても本を購入し、出版業界に貢献することになります。

ただし、子供の頃は読書習慣がなくても、大人になってから読書にハマったという人も決して少なくはないでしょう。事実、僕がそうですから。

しかし、それでも子供の頃から読書習慣が根付いていた人よりは、大人になってからも読書をする可能性は低くなります。それほど、子供の頃の読書習慣は重要なのです。

では、今の子どもたちは積極的に読書をするでしょうか。

結論から言えば、「環境による」と言わざるを得ませんね。この点については、今も昔もさして変わらないはずです。

今ほど娯楽が多様化していない昔であっても、本以外の遊び道具、ゲームやおもちゃに囲まれて育った子供はなかなか読書習慣は育まれにくいし、逆に娯楽が多様化した現代であっても、絵本や図鑑、童話や子供向けの小説なんかに囲まれて育てば、おのずと読書習慣が育まれやすくなります。

要は、本を読ませようとする環境を親が提供できるかどうかにかかっているのではないでしょうか。

子供の頃に読書習慣が根付いた人は、大人になってからも読書を継続する可能性が高くなり、結果として出版業界に貢献することになる、ということは前述しました。

すなわち、出版業界に貢献すること、つまり今後の出版業界が盛り上がっていくためには、今の子供たちに読書習慣を提供し、活字に触れる環境を作っていくことが非常に重要であるといえるでしょう。

では、仮にそうした環境を家庭や地域、あるいは規模を広げて国レベルで整備していったとしましょう。これで出版業界の未来は安泰! となれば良いのですが、そうは上手く行きません。

さてここからが本題です。本題までが長い。

仮に読書環境が最高レベルに整備されたとして、たしかにその時点での子供、あるいは読書習慣のある大人たちはもっと読書に勤しむことでしょう。すなわち、「その時点での」出版業界は安定します。

しかし、現在は少子化に歯止めがかかりません。少なくとも日本においては、子供の数が年々減ってきています。それも、恐ろしいスピードで。

これが何を意味しているのかといえば、「未来の読書人口そのもの」が減ってきているということです。読書人口そのものが減少すれば、いくら最高レベルの読書環境が整っていたとしても、人が一生に読む本の数には限りがありますから、単純に読まれる本の数が減少します。すなわち、売れる本の数も減少するのです。

もちろん、売れる本の数というのは、必ずしも読書人口の減少に比例するとは限りません。仮に不況真っ只中の2022年よりもうんと景気が良くなれば、本に回すことのできるお金が増え、結果として現在と比較すれば将来の方が売れる本の数は増えている可能性もあります。

しかし、読書人口の減少というのは、僕個人的には増えることはないと思っています。それは、今回のテーマである少子化に加え、娯楽の多様化や情報媒体などの進展などにより、本や漫画あるいは活字に触れる機会が減少するからです。

とりわけ、少子化は将来の出版業界、ひいては読書文化が廃れていく大きな要因となるのではないでしょうか。現に、2022年時点において、中高生の半分以上は読書習慣がないと言われています。

ここから、現代に生きる我々が取り組むべき課題が見えてくるのではないでしょうか。おそらく、考え得る課題を全て挙げようとすればキリがないくらい列挙できると思います。
そこで、あくまで一例を挙げるとするならば、やはり「子供の読書環境を整備する」ことが重要になってくると個人的には考えています。

それは、現時点の大人たちに読書習慣があるか否かは関係はないと思います(あるに越したことはないですが)。
子供に読んでもらう本は何だっていいです。それが絵本でも図鑑でも、本の形をしているならば、なんでも。ただし、留意すべき点があります。それは「それぞれの子供が興味を示している本」を与えてあげることです。
図鑑を欲しているのに無理やり文章が羅列された本を与えたり、逆に文字を読みたいのに図鑑を与えたりすることは避けたほうがいいでしょう。色んなものに興味を向けるという点ではそれも重要なことだとは思いますが、まずは「本を読むことは楽しいことだよ」という意識を育むことが大切です。

今の子供たちに読書の楽しみを教えられるのは我々大人です。押し付けることは決してしてはいけませんが、ぜひとも今の子供たちに将来の読書文化を残し、また次の子供たちに受け継がせていく。ひいては、これが将来の出版業界を盛り上げていくことに繋がるのではないでしょうか。

少子化という問題は、決して我々だけでは解決できるようなテーマではありません。国や地方を挙げて取り組むべき課題です。
そうであるならば、我々は我々で出来ることを探し、少しずつ少しずつ取り組んでいくことが大切です。

あ、もちろん、子供たちの読書文化や読書の楽しさを啓蒙していくことも大切ですが、僕を含め読者様の読書ライフを楽しむことも忘れないでくださいね。


終わりに、今回の「少子化と読書文化」について、僕が密かに将来やりたいなと思っていることを紹介させてください。
興味がないよ、という人は……、すぐ終わるので一応読んでみてはいかがでしょうか……。

僕が今の子供たち、将来の子供たちのためにぜひともやってみたいことは、「保育園や幼稚園、児童相談所や児童養護施設等に本を寄贈すること」です。

今は経済的に個人でそれを行うことはなかなか難しいですが、たとえば今行っている執筆活動でもっと収入を得ることが出来れば、その分をそういった活動の資金に充てたいなと考えています。

今はあくまで理想ですが、それが実現したら、少しでも将来の子供たちの読書文化、ひいては出版業界を盛り上げることができるのではないか、と期待しています。


この記事が参加している募集

#自由律俳句

30,176件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?